2月21日(日) Jリーグプレシーズンマッチ
徳島 2 - 1 浦和 (14:04/鳴門大塚/6,713人)
得点者:54' エスクデロ セルヒオ(浦和)、79' 徳重隆明(徳島)、89' 津田知宏(徳島)
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当然ながらこのゲームスコアは両者の力関係を正直に示すものではない。実際に試合の中身を振り返れば、70分近くまでピッチ上のイニシアチブを握っていたのは完全に浦和であり、1失点で凌いだとは言え徳島は浦和の組織力・個人力によって幾度となく守備網を突破されたのだから。
また結果も、取り立ててどうこう言うものでは全くないと言えよう。敗れた浦和も勝利を収めた徳島についても結果から何かを語るのはナンセンスで、とにかくこの一戦において見るべき部分は『自分たちのやろうとしていることがどれだけ出来たか』というところ。チーム作りの進み具合を確認出来たかどうかである。
まず徳島だが、今季掲げる攻撃的サッカー、特にサイドからの侵攻はある程度いい感触を掴めたと言っていいだろう。前半こそ浦和の圧力に押され、それを披露出来たのは立ち上がりすぐ右SBのペ スンジンがトップ津田知宏との大きなワンツーでペナルティエリア内へと進入しフィニッシュにまで到達した一度だけだったものの、「ビビらないでしっかりつないでいこう。やろうとしていることがそれなので、それにチャレンジしよう」と美濃部直彦監督から指示を受けた後半はその回数を徐々に増加させる。そして残り20分を過ぎたあたりからは、右サイドで島田裕介と途中投入の徳重隆明を中心に高い位置で落ち着いてボールを保持すれば、左サイドはこちらも途中出場の輪湖直樹が積極的に深い位置へと進出。そこで何度もボールを受けては中央に折り返しを見せた。
また徳島は新戦力が自らの特徴をしっかりチームの攻撃に調和させていたことも確認できた収穫だったに違いない。持ち味である裏への飛び出しで1点目のPK獲得、自ら2点目奪取と結果を出した津田、そのPKを呼び込むクロスを逆サイドの津田へ精度高く送り込んだ島田、再三のオーバーラップで左サイドを活性化した輪湖、さらには得意のドリブルでマーカーを完璧に外してチャンスメイクした平繁龍一とそれぞれがいい面を表現し今季の働きを予感させていた。
しかし、そのような徳島にも、プレビューで書いたように問題が噴出していたのは事実だ。2つほどを挙げると、最初のひとつはやはり『選手間の意思疎通』。例えば、後方でのパス回しの際にボランチ濱田武とCB三木隆司がお見合いのような格好で一瞬空白の時間を作ってしまってボールを奪われそうになっていたし、輪湖が自陣深くでのスローイン後リターンを受けた時にも小さく繋ぐのか大きく前線へ弾くのか周囲との意識が揃ってないようであった。そしてもうひとつは、実際に大きなピンチを招いてしまっていた『リスクマネジメントの不足』だろう。それは前半、CB登尾顕徳がタッチライン際で体を入れながらも浦和のエジミウソンにボール奪取を許した時に見られたのだが、周囲の全員が「タッチを割ってマイボールになるだろう」という予測のもと万が一への対応準備を外してしまっていた。確かに奪われ方はまさかのものであったが、とは言えやはりプレーが完結するまでその対応準備を切らしてはならないだろう。チームにはそれらに対する改善が開幕までに求められる。
対して浦和に目を移すと、柏木陽介、ポンテ、山田直樹ら主軸を欠いていながら披露した組織のパフォーマンスは素晴らしいものであったと評せる。特に前半は合宿の疲れを感じさせない全員の鋭い動き出しとグループとしての連動で幾度となく徳島を翻弄。中でもゴールへと迫る鮮やかな連続ダイレクトでの崩しはチームの順調な仕上がりをうかがわせるものであったと言えよう。しかも阿部勇樹と細貝萌の両ボランチが精力的に前線へと飛び出せていたことも浦和にとっては前向きに捉えられる材料。もちろんJ1のプレッシャーはまた今日とは異なるだけに全てが本番で使えるものかどうかは別の話だが、それでもそうしたいいイメージを作れていたことはチームにとってプラス要素となろう。
攻められる時間が長くなかっただけに注目の守備面はその固さを図り切れなかったものの、しかしながら見事なサイド突破から1アシストを記録した宇賀神友弥といった新しい力も加わった浦和はやはりタイトルを狙える状態に近づいている。
こうしてそれぞれが自分たちの現状を把握できたに違いないこのプレシーズンマッチ。どちらにとっても意味のあるものとなったはずだ。それだけに徳島も浦和もここで確認できたことを開幕までの残り2週間に活かし、さらなる準備を進められることだろう。
以上
2010.02.22 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
一覧へ【Jリーグプレシーズンマッチ 徳島 vs 浦和】レポート:どちらもが自分たちの現状を把握できたであろう一戦。徳島も浦和も、ここで確認したことを活かし開幕までの準備をさらに進めたい。(10.02.22)













