スカパー!生中継 Ch180 15:50〜(解説:前田秀樹、実況:下田恒幸、リポーター:高木聖佳、リポーター:日々野真理)
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2010シーズン、多摩川を挟んだリバーサイドマッチが再び始まる。4月4日、舞台は等々力陸上競技場。F東京が敵地に乗り込み、勝点3を奪って凱旋できるのか。譲れない一戦の幕が上がる。
ゲーム展開は、両チームのチーム状態を考えれば、静かな立ち上がりが予想される。川崎Fは開幕当初、前線からのハイプレスを仕掛けていたが、ACLを挟んだ、5連戦で疲労も色濃く残っている。前半からゲームを一気に押し切ろうとしても、必ずどこかでガス欠状態を迎えてしまう。加えてFWジュニーニョ、MF中村憲剛をけがで欠く。昨シーズンのように、試合の流れを変える絶対的なカードを手元に残すほどの余裕もないはずだ。積載燃料と相談しつつ、一刺しを狙うのが得策といえるかもしれない。とはいえ、リーグ屈指の攻撃力を誇る前線は、疲労度を差し引いても、やはり強力だ。警戒を緩めれば、当然、痛い目を見ることは間違いない。その相手にどう臨むか。F東京が勝点を奪うためには、マイボールを保持して相手の体力を消耗させ、後半の勝負どころでゲームを決めたいところ。MF大竹洋平が復調し、FW重松健太郎も台頭してきた。さらに、松下年宏というキッカーもいる。ゲーム終盤の武器は昨シーズンよりも揃っているだけに、スコアを動かすことも可能だろう。
F東京は、守備の安定感は昨シーズン以上だが、今シーズンの到達地を考えれば、まだまだ課題は山積みだ。ただ、目標達成度は常に目の前の試合でしか計れない。ましてや宿敵・川崎Fは、指揮官が今シーズンの所信表明で並べた「2分8敗」を喫したクラブの一つでもある。現状を知る上でも、格好の相手といえる。チームは今シーズン、これまでのパスワークだけではなく、カウンター攻撃を備えようと試行錯誤を続けている。それと同時に選手たちも、さらに成長しようと模索している。
“65%と35%”。これは、データを好まない城福監督が、選手たちに使用してきた数少ない数字の一つでもある。この数字が、現状把握の助けとなる。平たく言えば、これは選手のプレーエリアと、得意なプレーの頻度の割合だ。
石川直宏のプレーを思い浮かべて欲しい。石川のドリブル突破は、リーグでも抜きん出ている。それが生きるのは、もちろん主戦場でもある右サイドのタッチライン際だ。そのストロングポイントを最大限生かした右サイドでのプレーを65%とすれば、残りの35%は守備やチームコンセプトのためにプレーしなければいけない。ボールポゼッションにも参加し、守備のタスクも全うする。チームがうまく機能し、個が埋没しないためにはこの絶妙な割合が重要となる。
ただ、石川の特長がサイドの1対1だけではないことは、昨シーズンの活躍を知るサポーターには周知の事実だろう。彼は中央にポジションを移してゴールという金脈を生み出す力を身につけた。これまでなら100の力を65と、35に分けていたものが、100+αの力を身につけたことで65にも+αが加わる。その+α分がチームと、個人の成長にそのまま直結する。しかし、サイドと中央の2つのプレーエリアができたことで、今度は状況に応じた使い分けが必要になる。それができなければ、プラスがマイナスに働くこともある。
右ウインガーとしてプレーしているのか、それともシャドーストライカーとしてプレーしているのか。今シーズンの石川のプレーを目で追っていけば、その2つの顔が見えてくる。「新たな自分を発見できるかもしれない」と話す石川のチャレンジの一つはまさにそこだ。開幕からここまでは、右サイドを突破してアシストを記録したものの、ゴールはまだ生まれていない。現状は、まだ右ウインガーとしてのプレーに針が振れている状態だ。今シーズン中に、2つの顔の使い分けができるようになれば、それはチームが成熟してきた証でもある。また、石川だけでなく、多くの選手が別の顔を見せ始めている。個々の選手がこれまでにはなかったプレーを身につけ、+αを加えることでF東京はさらに強くなっていく。
多摩川クラシコという大舞台で、どこまで新たな一面を見せることができるのか。それがこの大一番を制すためのキーファクターだ。理屈抜きのゲームを期待しつつも、城福トーキョーの現状に注視すれば、この一戦はまた違った面白さを発見できるゲームとなるはずだ。
以上
2010.04.03 Reported by 馬場康平















