4月3日(土) 2010 J1リーグ戦 第5節
浦和 2 - 1 湘南 (19:04/埼玉/36,790人)
得点者:45' ポンテ(浦和)、56' 阿部勇樹(浦和)、90'+1 中山元気(湘南)
スカパー!再放送 Ch183 4/5(月)14:00〜(解説:水沼貴史、実況:八塚浩、リポーター:朝井夏海)
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まるでハーフコートゲームだった。結果こそ2−1と僅差の勝利だったが、内容的には大差がついた。浦和はホームで湘南を蹂躙した。立ち上がりは静かな入りを見せ、開始4分にはCKからジャーンにフリーでヘディングシュートを打たれる危ない場面もあったが、10分過ぎにはハーフコートゲームを始めていた。
湘南は浦和をよく研究していた。浦和は流動的に動いてパスをつなぐ持ち前のスタイルで攻勢をかけたが、湘南も完璧に崩されるシーンはほとんどなかった。だが、それでも浦和の圧力を跳ね返すことはできなかった。「1トップのエジミウソンに当てて、後ろから2列目の選手が裏に出たり、引いたりしてくるというのは言われていたので、そのエジミウソンのところで起点を作らせないようにとは言われていた」とは村松大輔の弁だが、わかっていても止められなかった。エジミウソンが潰されるシーンはまず見られなかった。「やっぱりくさびの受け方がうまくて、起点を作られていたかなと思う」。村松はエジミウソンの巧みなポストワークに脱帽するしかなかった。
磐田とのヤマザキナビスコカップで唯ひとり別世界の住人だったポンテは、この試合でも異彩を放った。浦和が前半に築いた決定機のほとんどに背番号10は絡んでいた。「ロビーからエジに入る時、その近くにいるとこぼれてくる」と原口元気が語ったように、圧倒的なキープ力と局面打開力を誇るエジミウソン、ポンテのホットラインが開通したことで周囲の連動も活性化した。「今日はエジ、ロビーの後ろを回って追い越すということを意識してやっていた」という柏木陽介の動き出しも効いていた。
浦和の1点目は45分まで待たねばならず、それもポンテのPKによる1点だったが、リードを奪う前からチャンスは山のように築いていた。公式記録の数字では浦和の前半シュート数は9本だったが、その半分ほどはゴールになっていてもおかしくなかった。
後半になると、浦和はさらに勢いを増していく。立ち上がりから攻勢をかけ、開始5分までに2度も決定的なチャンスを作ると、56分には追加点をマーク。阿部勇樹の蹴ったFKが壁に当たり、GKの反応とは逆のコースに飛ぶという湘南にとってはやや不運な形でリードを2点に広げた。
そして湘南は失点直後に田原豊を下げて新居辰基を投入するが、この交代策が浦和をさらに楽にしてしまう。確かに田原はほとんど試合から消えていたが、187cmの長身FWは浦和にとってほぼ唯一の脅威となっていた。前半、湘南は田原をターゲットに蹴ったロングボールで2度ほどチャンスを作っていた。田原との空中戦ではセンターバックの坪井慶介か山田暢久が競り合いに行くことが多かったが、田原が最前線から一列前のところでハイボールを落とそうとすると、当然その動きについていこうとする坪井か山田は前に釣り出されることになる。するとDFラインの中央には危険なスペースが生まれやすくなるが、湘南が作ったチャンスはまさにそういう形から生まれていた。
DFラインを揺さぶる脅威が消えたことで、浦和に恐いものはもうなくなった。4人の攻撃ユニットに、ボランチ、サイドバックがタイミングよく絡んでいく分厚い攻撃で湘南を一方的に押し込む。簡単にチャンスを作ってはシュートの雨を降らせ、86分にはポンテ、エジミウソン、ポンテ、エジミウソンという流れるようなコンビネーションプレーから原口がバー直撃の惜しいシュートを放った。
試合終了間際、ここまで見せ場らしい見せ場を作れずに防戦一方だった湘南も見事なパスワークから中山元気が1点を返すが、遅すぎる反撃だった。
「今日の試合は今年の中でもいい出来だったと思う」。会心のパフォーマンスにポンテは胸を張る。流れのなかで点が取れなかったことは反省材料だが、内容的には浦和の完勝だった。湘南にとっては「これからもっとやっていかないことがたくさんあると感じています」と反町監督が肩を落としたように、J1の壁を痛感する試合となってしまった。
以上
2010.04.04 Reported by 神谷正明















