5月9日（日） 2010 J2リーグ戦 第12節
大分 3 - 4 鳥栖　（14:04／大銀ド／11,718人）
得点者：31' チェジョンハン（大分）、53' 金民友（鳥栖）、60' 長谷川博一（鳥栖）、66' チェジョンハン（大分）、73' チェジョンハン（大分）、80' 金民友（鳥栖）、90'+4 日高拓磨（鳥栖）
スカパー！再放送 Ch185 5/10（月）14:00〜（解説増田忠俊実況君崎滋リポーター岡村麻衣）
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大型連休最後の試合はスリリングな試合となった。大分が先制し、鳥栖が追いつく展開。スコアレスドローだって素晴らしい試合はあるが、やはり打ち合いのシーソーゲームは格別の楽しさがある。個にスポットを当てれば、大分のチェ・ジョンハンがハットトリックを記録すれば、鳥栖の金民友は自身の２得点を含む全得点に絡む活躍で対抗。さらに試合はロスタイムで決着がつく劇的なドラマが待ってあり、最後まで楽しませてくれた。勝者になっていれば、の話だが…。

序盤は鳥栖が中３日の連戦の疲れを見せず、自慢の走力を武器に果敢にプレスを仕掛ける。対する大分は基本的に「後ろで回して、鳥栖のDFラインを引き上げ、一本のパスで裏をつく」戦術をとっていた。ただ、勢いで勝る鳥栖の圧力に屈し、前線までボールが運べなかった。そこで大分は26分にターゲットとなる森島康仁を投入。この早い時間帯の交代が攻を奏し、主導権は五分五分となる。31分には相手ゴールライン付近で東慶悟が上手くDFの選手にボールを当てCKを得ると、自慢の高精度キックでチェの先制点をお膳立て。鳥栖の勢いに押される場面が多かっただけに、１点リードで折り返すことができたのは大分にとって悪くない展開だった。

後半に入れば５連戦の鳥栖の運動量は落ちるはず。大分としては、そう目論んではいたが、前半以上に鳥栖の走力は増した。53分に同点ゴールを許すと、ここから鳥栖の勢いは再加速。大分はセットプレーと、個のマンパワーで対抗した。80分までの間に両軍２得点づつ得点を重ねる乱打戦となり、勝負は残り10分とロスタイムで決着することになる。ここから先は俗にいう「勝ちたい気持ちが強い方が勝つ」という物言いとなるのだが、２連敗中の大分の選手に勝ちたい気持ちが弱かったわけではない。ただ、鳥栖のバトルオブ九州に対する思い――J１を経験したチームには絶対に負けたくなかった――という思いが勝った。９節、10節とロスタイムに得点してきた“鳥栖タイム”にゴールを許し、逆転負けを喫した。

大分は３連敗。勝てない状況が続き、自信を失っている。特に後半４失点した守備の最構築は急務だ。「ケガ人が出て守備が固まらない」と指揮官の苦悩は伺えるが、ここで戦術を徹底できなければ「本当にこのサッカーで勝てるのだろうか？」と選手は疑心暗鬼になってしまう。そうなるとチーム内でも様々な波紋が広がり、ドロ沼と化す。「連敗するのは簡単。（14連敗した）昨年の例があるので…」とは試合後の東の言葉だが、嫌な記憶が甦る。次節のアウェイ札幌戦は正念場となる。

以上

2010.05.10 Reported by 柚野真也