ここ数試合、出場機会に恵まれない森島康仁の身体がキレキレだ。メンタルも充実しており、アピール弾でスタメン復帰を狙っている。
シーズン前に左ひざの古傷を痛めた高松大樹が復帰してから、高松が出場時間を伸ばすのと反比例するかのように出場時間を失っている森島。控えに甘んじているが、“大人の対応”で歯がゆい気持ちをグッと抑え、日々の練習に没頭していた成果が出ているようだ。
良くも悪くも自分に素直な森島は感情が言動に直結する。今季もその“素直な言動”が悪い方向に吹いた。5節徳島戦の前の練習で強制退場を命じられ、メンバーから外された。その後もベンチを温める日が続き、ようやく13節札幌戦でスタメンに復帰したものの、リーグ中断直前の17節福岡戦のスタメン出場を最後に、またベンチ要因となっている。岡田武史・前日本代表監督に「お前のポテンシャルは恐ろしい」と言わせた高さとパワーを備えたストライカーの潜在能力は誰もが認めるところ。ただ、パフォーマンスの上限と下限が波という言葉ではくくりきれないような差があり、扱い難い選手でもある。そんな森島が兄貴のような存在と慕う「ある選手」と出会ったことでメンタルをコントロールでき、パフォーマンスが安定してきている。
その選手とは、大分ヒートデビルズ(バスケットボール・bjリーグ)の佐藤博紀選手である。共通の知人を通じて知り合った2人は、メシ友であり、互いにオフの時間を利用して試合に駆けつけエールを送る仲である。「博紀さんは客観的に自分を見られる人。それがプレーにも生きている」と森島が言えば、「デカモリシ(森島)は年下だがしっかりと自分の意見が言える奴。まだ若いんで脆さもあるが我の強さはアスリートには必要なこと」と佐藤。サッカーとバスケットボール、異種目の選手ではあるが互いに認め、交流を深めた。
18節のホーム甲府戦には佐藤が応援に駆けつけ、試合後に食事に行ったようだ。そこで佐藤に「クラッチ・シューター」というバスケットボールにおいて、ここ一番でシュートを決めることのできる土壇場に強い選手の話を聞いた。バスケットボールでは試合終盤、特に1本のシュートで勝敗が分かれるような緊迫した場面で、試合終了と同時に決まるシュートは観客が最も沸く瞬間である。「たとえわずかな出場時間であっても劇的なシュートを決めればヒーローになれる。与えられた時間で大きな仕事をすれば誰もが認めてくれる。だから腐らず、出番に備えて爆発できる準備をしておけ」と佐藤のアドバイスが森島のモヤモヤしていた気持ちを晴らしてくれた。
自分のために、そしてチームのためにも「10分でも5分でも試合に出たら決定的な仕事をしたい」と考えるようになったと森島。10戦未勝利のチームに勝利をもたらすクラッチ・シューターとして、ワンチャンスをものにすると意気込んでいる。
NBA(北米プロバスケットボールリーグ)にレジー・ミラーという有名なクラッチ・シューターがいた。数々の奇跡的な逆転劇を幾度にわたり演出し、彼の出場する試合終了間際はその活躍ぶりから、ミラーのための時間という意味合いで「ミラー・タイム」と呼ばれた。デカモリシが奇跡を起こす「デカモリ・タイム」に期待したい。
以上
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2010.07.29 Reported by 柚野真也
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