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【J2:第20節 徳島 vs 柏】レポート:輝いたのは徳島のハードワーク。逆転に届かなかったのは残念だが、それでも柏を追い詰めた内容は確実に次節への弾みとなる。(10.08.02)

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8月1日(日) 2010 J2リーグ戦 第20節
徳島 1 - 1 柏 (18:36/鳴門大塚/5,828人)
得点者:70' パクドンヒョク(柏)、81' 佐藤晃大(徳島)
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柏はさすがのところを見せたと言えるだろう。なかなか思うような攻めの形を作れず、やや手詰まりな状況に陥りかけながら、70分にCKから先制。いよいよ勝負の時間帯と思われ始めた矢先のセットプレーを見事に活かしたゴールで、「負けないチームとはこういうものだ」と言わんばかりの試合巧者ぶりを披露した。

しかしこの一戦、そうした柏の巧さ以上にピッチ上で輝いていたのが徳島のハードワークである。「最後まで走り勝てたと思っています」とは美濃部直彦監督の試合後会見での言葉だが、選手たちは一瞬たりとも緩みを見せない動きを90分通して攻守両面で実践。結果、徳島は柏をあと一歩、いや、もうあとほんの僅かまで追い詰めた。

改めて振り返れば、その徳島のハードワークはまず守備の堅さとなってハッキリ表れたと言えよう。チームは守りに切り替わると、2トップの1枚である津田知宏が一列下がり、4-1-4-1の形でブロックを形成。「自由な時間を与えると両サイドにも高い位置を取られるし、バイタルエリアも使われてしまう」と指揮官が警戒をおいた柏のボランチをその津田が負担を省みず献身的にケアしていく。またサイドへ出たボールに対しては島田裕介と六車拓也が間合いを取らせない素早い寄せで対応。柏の両SB・小林祐三と橋本和に侵攻を許さず、彼らの良さを確実に消していった。加えて危険なバイタルの締めも徳島はCB三木隆を中心に綻びなく行われ続けたと言っていいだろう。事実、何度かは数メートル落ちてボールを受けた工藤壮人に前へ向かれ仕掛けられたが、それ以外ではほとんどそのエリアを使わせなかったのである。

すると、そのようにしっかりとした守備から入った徳島は徐々に攻撃にも良さを発揮。特に充実の守りで試合を落ち着けた30分過ぎからは、狙いのひとつであったカウンターで確実に柏ゴールを脅かした。中でも前半アディショナルタイムのそれは特筆すべきもので、右サイドを六車とのコンビネーションで完璧に崩した津田のシュートは強烈にクロスバーを叩き、柏を大いにヒヤリとさせたのは間違いない。

そして迎えた後半も攻守にわたるハードワークを続けた徳島は、冒頭のように先手こそ奪われたが、ついに81分柏ゴールをこじ開ける。左サイド深く、ほぼCKに等しい角度からのFK。六車が送り込んだ高さを抑えたスピードのあるボールを、やや離れた位置からフォアサイドへ一直線に入り込んできた佐藤晃大がマーカーより頭ひとつ前へ出て捉えネットを揺らしたのだ。さらにこの同点ゴールはハードワークをいっそう高める高濃度のエネルギーともなる。普通なら足が止まって当たり前の終了間際の10分、実際に前節負ったダメージもにじみ出てか柏の選手たちの足が完全に止まってしまっているにもかかわらず、徳島は最後まで躍動。投入された柿谷曜一朗のスピードとアイデアもそこへ加わって、チームは逆転かとスタジアムが大歓声に包まれる場面まで作り出した。

これほどの内容であっただけに、最終的なドローという結果は徳島にとってすれば残念だったに違いない。事実、「十分勝利できていた試合だったと思います」と輪湖直樹が語れば、殊勲の同点ゴールを決めた佐藤も「チャンスも多く勝てた試合だったと思います」と残念さをにじませていた。が、今後に繋がる大きな自信を得たゲームに出来たという意味では十分前向きに捉えていいはず。次節はまた上位につける強敵・甲府との対戦だが、そこへの弾みは間違いなく付いた。

最後に対する柏だが、繰り返すもやはりこれが負けない強さを持つチームなのだろう。プレー全体にやや精彩を欠き、らしくないミスも所々に発生させながら、結果的にはアウェイでも勝点を持ち帰る。「無敗記録というものもあるが、我々の目標はJ1に上がること。そのことだけに集中して選手はブレずに取り組んでいます」と話したネルシーニョ監督の下、J2の無敵艦隊はまだ簡単には止まりそうもない。

以上

2010.08.02 Reported by 松下英樹
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