8月4日(水) スルガ銀行チャンピオンシップ 2010 TOKYO
F東京 2 - 2(PK 4 - 3)リガ・デ・キト (19:01/国立/19,423人)
得点者:29' エルナン・バルコス(リガ・デ・キト)、34' 平山相太(F東京)、63' パトリシオ・ウルティア(リガ・デ・キト)、90'+1 大黒将志(F東京)
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今野泰幸が両手を振り上げる。「集まれ〜」の合図に選手が群がり、国立のピッチに笑顔が弾けた。今野の片手には、カップが握り締められていた。
ヤマザキナビスコカップ王者F東京が、国立霞ヶ丘競技場で南米王者リガ・デ・キトを下し、スルガ銀行チャンピオンシップ2010 TOKYOを制した。F東京は2−2の同点から突入した、PK戦の末に勝利を挙げ、3回目にして初めて日本勢が同大会を制した。
チーム一丸となった勝利だった。真夏の連戦が続き、疲労もピークに達していた。城福浩監督は、交代枠6人を宣言どおりフル活用して対応。ピッチに立った全員が役割を全うし、勝利にこぎつけた。
先制点は、リガ・デ・キトが挙げた。F東京が試合開始から積極的にゴールへと迫り、いい流れを作りかけていた時間帯だった。29分、前線にパスが繋がると、エルナン・バルコスが個人技で突破する。対応した今野を振り切り、右足でゴールを貫いた。
だが、5分後、すぐにF東京が同点に追いつく。MF田邉草民がゴールまで、まだ距離を残した場所から積極的に狙っていった。右足から放たれたボールはDFをかすめると、不規則な軌道でゴールを襲った。相手GKが前へこぼすと、それを「こぼれ球を狙っていた」という平山相太が押し込んで同点で前半を折り返した。
後半に入ると、F東京が試合の主導権を握った。リガ・デ・キトは徐々に疲労の色が濃くなっていく。時差や、長距離移動などが足かせとなって出足が遅くなってしまう。しかし、リガ・デ・キトは63分、セットプレーからPKを奪うと、このPKをパトリシオ・ウルティアが決めて勝ち越し点を挙げる。このリードを守ろうと、リガ・デ・キトは自陣に引いて守備を固めた。
「我々がペースを握ってチャンスを作りながらも、相手のワンチャンスにやられた。まさに南米と対している、そういうシチュエーションで精神的なダメージは大きかった」(城福監督)
守備を固めた、リガ・デ・キトを崩しきることができず、時間は刻々と過ぎていった。だが、終了間際の後半ロスタイムに、「彼には悩まされた」と、敵将バウサ監督が語った平山の高さが値千金の同点ゴールを生んだ。キム ヨングンからのロングボールを平山が競り勝つと、こぼれ球にFW大黒将志が反応する。相手の背後を奪うと、倒れこみながらもタイミングをずらして残った左足でゴールへと流し込んだ。技ありのゴールで国立にさらなる熱を呼び込んだ。
死力を尽くして臨んだPK戦。一人、ゴールマウスへと向かう権田修一が、ひとりひとりとハイタッチを交わす。最後にこの日、ベンチ入りした選手で唯一出場することがなかった、GK塩田仁史が権田に笑いかける。
「(PK戦は)いつも遊びでやってるから大丈夫でしょ。なかなかPK戦なんてないんだから楽しめよ」
そして、権田が「試合の中で一度決められていたので、絶対に止めたかった」というリガ・デ・キト1人目のウルティアのキックを止めてチームを勢いづける。F東京が1人失敗したのに対し、リガ・デ・キトは4人目のカルロス・ルナが枠を外して3−3。5人目の梶山陽平がボールをセットすると、落ち着いてゴールネットを揺らし、国立に歓喜の雄叫びが上がった。
F東京初の国際タイトルは、チーム一丸で勝ち取った。「チーム全員で獲ったタイトルという感じがするので、喜びをかみ締めているうちにだんだん嬉しさが沸いてきました。相手も遠くから来て時差もあって大変だったと思いますが、僕たちも日程が厳しい中、総力戦でした。いろんな選手が出て、その選手一人ひとりが特徴を出し、いい試合ができました。それは自信になるし、何より勝てたことで残りのシーズンにもつながると思います」(今野)
サポーターを背に今野がカップを誇らしく掲げた。これは、指揮官が語る目標のタイトルではないかもしれない。ただ、チーム全員一丸となったタイトルの重みは、必ず残りのシーズンへと繋がっていくはずだ。これから東京の夏は、まだまだ熱くなる。
以上
2010.08.05 Reported by 馬場康平
J’s GOALニュース
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