9月5日（日）第90回天皇杯2回戦 柏 vs 順大（18:00KICK OFF/柏）
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チケット情報 ｜天皇杯特集
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今年の天皇杯は、柏にとって例年とは若干位置づけが異なる。というのは、ここまで約３分の２の日程を消化したＪ２で首位に立っており、その実力がどこまでＪ１のチームに通用するのかという点で、カップ戦とはいえ例年以上に重要な大会になると思われる。勝ち上がっていき、Ｊ１のチームを相手に現在の柏のサッカーが通じるようであれば、今季の残りのＪ２を戦ううえで、あるいは来季のＪ１に向けて自信はさらに深まるというもの。もちろん、２年前に「元日にサッカーができる喜び」（大谷秀和）を味わっている以上、当然タイトルも狙いにいく。ネルシーニョ監督も「６回勝てばタイトルを取れる大会だ。勝ちに行く」と選手たちを鼓舞している。

ただ、先ばかりを見ては足元をすくわれる。まず初戦を突破しなければ、その後のＪ１チームとの対戦もタイトル獲得も何もない。したがって柏は周到な準備を行い、その証拠としてリーグ戦同様、９月２日、３日の２日間の練習を完全非公開にした。おそらくメンバーの大幅な入れ替えはなく、従来の布陣で試合に臨む可能性が高い。
柏の注目は２人のストライカー、林陵平と北嶋秀朗だ。林は愛媛、甲府、北九州と、リーグ戦では３戦連続ゴール中。林本人も「ゴールするということをやり遂げて自信も掴んだ。まだ中断明けは日立台で勝ってないので、必ず勝つ」と意気込みは高く、また、北嶋は月曜日に行われた法政大との練習試合において、ハットトリックで好調をアピールした。今季、前半戦でなかなか結果の出せなかった２人が、ここに来て著しくコンディションを上げてきている点は、チームにとっては朗報である。

一方、関東大学リーグ１部で６位につける順天堂大は、天皇杯１回戦のヴァンラーレ八戸戦は前半で３−１とリードをしたものの、後半に入り立て続けに失点。一時は八戸にリードを奪われ劣勢に立たされたが、その後主導権を奪い返し、ゲームをひっくり返したという粘り強さを持つ。中盤での小気味良いダイレクトタッチのパス交換、縦に入る鋭いくさびのパスと２列目の飛び出し、そして積極的に攻め上がる両サイドバックの存在など、攻撃的な好チームである。
Ｊ２で首位の柏が相手とあって、順天堂大にとっては多くの時間帯で攻め込まれることは容易に予想されるが、八戸戦の５ゴールのうち、４ゴールに絡んだ天野純の左足は、セットプレーの精度も高く一発はある。つなぐチームだけに八戸戦ではビルドアップの部分でミスが多発し、簡単にボールを失ってはそこから速攻を受けて自ら試合展開を難しくしてしまったため、中１日という厳しい日程の中で課題を修正できているかが、ジャイアントキリングを成し遂げるポイントになるだろう。

大谷は「相手がどこであれ、自分たちのサッカーを変えようとは思わない。１点目の時間帯が大事。相手に『やっぱり勝てない』と思わせるような試合運びをしたい」と語る。今季のＪ２で培ってきたもの、例えば技術面や戦術面では、Ｊ１のチームとの対戦時に大いに試される。しかし、柏が今季掲げてきた勝敗にこだわる「勝ち切るメンタリティ」は、下剋上の刃を突きつける学生やアマチュアチームを相手にしてこそ、その本質が問われるのかもしれない。

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2010.09.04 Reported by 鈴木潤