9月5日（日）第90回天皇杯2回戦 富山 vs 横浜FC（18:00KICK OFF/富山）
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チケット情報 ｜天皇杯特集
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Ｊ２同士がＪ１クラブへの挑戦権をかける一戦。ホームでの試合となるリーグ17位の富山は今後の巻き返しへ弾みをつけたい。楚輪博監督は「一発勝負であることを強く意識させている」と言い、連日ＰＫ戦の練習を行った。天皇杯という舞台特性によって勝利への執念を呼び覚まそうとしている。リーグ10位の横浜ＦＣも「Ｊ１昇格」という大目標に向けて背水の陣を敷いている。“負けたらあかん”の岸野靖之監督のイズムを花開かせ、勢いを強めるためには譲れない戦いになる。

勝ったチームは３回戦（10月９日・等々力）で川崎Ｆ（Ｊ１）−鹿屋体大（鹿児島）の勝者と対戦する。川崎Ｆが勝ち進むと、富山は前回大会の３回戦以来の再戦がかない、横浜ＦＣは神奈川ダービーが実現する。サポーターが期待に胸躍らせるカードはクラブにとっての財産。全力で争奪するに値する褒美と言えるだろう。

富山はリーグ戦の前節・福岡戦で１−２の逆転負けを喫して４戦勝ちがない。しかし、パスワークで崩して奪った開始２分の先制点が象徴するようにプレー内容の向上は顕著。きっかけさえつかめば、一気に歯車がかみ合い出しても驚けない。２戦の出場停止が明けるキャプテンのＤＦ濱野勇気は「今のチームには勝つことが一番の薬。内容よりも結果」と話した。
今週のオフにはＦＷ木本敬介とＭＦ姜鉉守が髪をばっさり切って坊主刈りにした。思うに任せない流れを変えたいとの思いからだという。木本は「高校生以来の丸刈りですが、みんなが和んでくれたので、やったかいがありました」。勝利への渇望は発露するまでに高まっている。

横浜ＦＣは前節に試合がなく、２週間ぶりの実戦。前々節の愛媛戦で10試合ぶりに無得点に終わって引き分けた。第14節にＭＦホベルトが加わってから５勝３分１敗とハイペースで勝点を積み上げてきた。こちらも途中加入のＦＷカイオを軸とした攻撃が成熟すれば上位を脅かすことができる。岸野監督は鳥栖を率いて前回16強、前々回８強に進み、チームづくりの確かさを秋に証明してきた。リーグ終盤の勝負どころに備え、トーナメントで戦う集団としての完成度を示したいところだ。
第５節での富山との対戦では１−２で敗れている。当時はＭＦ高地系治を負傷で欠き、富山のＦＷ苔口卓也と黒部光昭の２発に沈んだ。試合後に岸野監督は「富山が引いて守ってカウンターを狙ってくるのは想定していた。その作戦にまんまとはまって先制点を取られた。自滅だ」と語った。富山には昨季から３連敗中で、選手たちにも意地もみせたい気持ちがあるはずだ。

対する富山も当時は開幕３連敗中でチーム状態は良くはなかった。今回は真っ向勝負によって春以降のトレーニング成果を確かめたい。木本は「気を緩めることなく１点、２点と奪いたい。90分で勝負を決める」と話した。

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2010.09.04 Reported by 赤壁逸朗