9月5日（日）第90回天皇杯2回戦 清水 vs Honda（19:00KICK OFF/アウスタ）
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チケット情報 ｜天皇杯特集
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Ｊ1の清水にとっては、天皇杯の初戦となる2回戦。対戦相手は、昨夜の1回戦で同じ静岡県内のHondaFCに決まった。日頃から練習試合をよく行なっている相手であり、清水としても全力で倒しにいかなければ勝てない相手だということは十分にわかっている。

現在ヤマザキナビスコカップの準々決勝（ホーム＆アウェイ）を戦っている清水にとっては、そのファーストレグから中3日でこの試合が入り、そこから中2日でセカンドレグ。さらに中2日で第22節・大宮戦（アウェイ）という本当に厳しいスケジュールとなっている。
そのため、今回は大幅なメンバーの入れ替えもやむないところ。長谷川監督は「現時点で一番状態の良い選手を使う」という言い方をしているが、無理して同じメンバーで臨むよりも、ターンオーバーして戦うほうが実際に高いパフォーマンスが出せるはずだ。もちろん清水には、それだけの選手層も備わっている。

そう考えると、ここで出番を得た選手たちが、どれだけアピールしてくるかという部分が非常に楽しみになる。中でも練習で特に気合いの入ったプレーを見せているのが、3年目の大前元紀だ。動きに非常に切れがあり、積極的に突破を仕掛けて貪欲にシュートを打とうという姿勢を見せている。本人も「気合いは入っている。だけど、気負いすぎず落ち着いてやりたい。まだ日本平（アウスタ）でゴールを決めていないので、ぜひ決めたいです」と、結果を出すことに強くこだわっている。彼が出場すれば、スタンドを湧かせるようなアグレッシブなプレーを見せてくれるはずだ。
また、アンカーとして出場する可能性が高まってきた杉山浩太も楽しみな1人。今年は柏への期限付き移籍から復帰し、非常に期待されていたが、度重なる故障に泣かされ、今季の公式戦出場はナビスコカップ予選・山形戦の1試合のみ。だが、ここに来て徐々にコンディションも上がってきた。今のシステムのアンカーは、本当に彼の特徴を生かせるポジションだけに、持ち味を存分に発揮してくれることを期待したい。
さらに、体調不良で8月いっぱい休んでいた児玉新も、待望の復帰を果たす見込み。まだトップフォームとは言えないだろうが、彼が入ることでDFラインの落ち着きは増してくるはずだ。「自分もそうやけど、これまで出てなかったメンバーにチャンスがあるということで、与えられたチャンスをどれだけ自分たちらしく生かせるかというのが大事になる」（児玉）。それぞれの特徴を生かしながら、そのうえでどれだけチームとして機能できるかという部分にも注目したい。

一方、浜松に本拠を置くHondaFCのほうも、金曜日の1回戦から中1日でJ1のチームと戦うという本当に厳しいスケジュール。ただ、1回戦のFC岐阜SECOND戦は、24分までに3点を先行して7-2で大勝し、多少は主力を温存することもできた。コンディション的には厳しいだろうが、今回はJ1を倒して3回戦に進むチャンスだととらえているはずなので、チャレンジ精神を大いに発揮しながらジャイアントキリングを狙ってくるはずだ。
所属するJFLでは、23節終了時点で13勝3分7敗の3位。J昇格は目指していないが、「アマチュアの雄」としてJFLで長い間コンスタントな成績を残してきた。また前述の通り、県内同士ということで清水とは練習試合で何度も戦っているので、お互いに特徴はわかっている。
今年は3月と6月に練習試合を行なっており、6月の対戦（30分×3本）では、清水がトップチームで戦った1本目が1-1で、サブチームが出てきた2本目以降は3-1。ハードなトレーニングで清水の選手たちが疲れている時期だったとはいえ、ホンダにとっては自信となる結果だっただろう。

当然、清水に少しでも「相手はJFLだから……」という油断があれば、非常に危険な相手となる。ただ、フレッシュなチームで臨む分、逆にその心配は少なくなるだろう。「どんな相手でも簡単に勝てる試合というのはないし、受けに回ることなくしっかりと自分たちのサッカーで戦いたい」と、ベテランの永井雄一郎も気持ちを引き締めている。
それでも、ホンダが中1日という条件の中でも自分たちの力を十分に出すことができれば、かなり難しい試合になるだろう。その中で清水が底力を発揮できるかどうか。非常に見どころの多い試合になることは間違いなさそうだ。

以上

2010.09.04 Reported by 前島芳雄