スカパー!生中継 Ch185 後00:50〜
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現在、水戸は6試合負けなし。一見、調子がいい感じがするが、「負けてないけど、勝ててない」(小池純輝)状況をどう見るかによって、立ち位置は変わってくる。実際、6試合中勝ちは2試合で、残りの4試合は引き分け。「6試合とも決していい内容の試合だったわけではない」(吉原宏太)というのが現状だ。今節の水戸に課された使命は“勝ちきること”。その一言に尽きる。
そのために必要なのは得点力だ。「毎試合1点は取れるようになっているけど、2点目が取れない」と木山隆之監督は渋い表情を見せる。1点も取れなかった以前と比べて前進はしているものの、「もう一歩踏み出さないといけない」と木山監督が語るように、さらなる攻撃的な姿勢が求められている。まだ水戸が目指す攻撃的なサッカーには程遠いのが現実なのである。実際、中断期間に掲げたパスサッカーでは結果が出ず、カウンターサッカーに切り替えてから6試合負けがない状態が続いているのである。目指すサッカーで結果が出た時、本当の意味で「前進した」と言えるだろう。まだ水戸は試行錯誤の中にいるのだ。
だが、木山監督からのメッセージは明白だ。両サイドバックに小池と保崎淳という攻撃的な選手を置き、そしてボランチには大橋正博と村田翔という展開力に優れた選手を並べている。中盤で主導権を握り、サイドから守備を崩すという狙いを、選手起用から鮮明にうかがうことができる。「ボランチにその2人を置く意図は展開するということしかない。サイドバックの攻撃参加がウチの生命線。ボランチには彼らが上がったスペースを埋める役割よりもサイドバックを使うことを求めている。今はボールを失った時のリスクを考えるよりも主導権を握ることを考えている」と木山監督は力強く語る。それこそが、今季の水戸がずっと目指してきたサッカー。あとは選手たちが体現するだけだ。6試合負けがなく、選手たちは一時期よりも自信を取り戻しつつある。だからこそ、勇気を持ってトライしてもらいたい。
長かったシーズンも残り10試合。だが、まだ水戸の完成形は見えていないと言わざるを得ない。今季の水戸が何を目指してやってきたのか。そろそろ、その答えを示す時。終盤戦に向け、大いなる希望を抱けるような勝利をこの試合で手にしたい。
対する愛媛も最近5試合を4勝1敗と好成績を挙げており、好調をキープしている。目に付くのは最終ラインの安定感だ。長い間けがで戦列を離れていた小原章吾と三上卓哉の2人のベテランが戻ってきたことで、最終ラインが安定し、堅固な守備を取り戻すことができている。守備が安定したからこそ、攻撃でも力を発揮できている。特に活躍が目立つのは杉浦恭平だ。以前は守備に追われ、なかなか攻撃に集中できなかったが、守備が安定したことにより、攻撃に専念できるようになっている。持ち味であるスピード豊かなドリブルと強力なミドルシュートを駆使して攻撃を牽引しているのだ。「杉浦は今までの愛媛にはいなかったタイプ。どんどん仕掛けてくる嫌な選手」と木山監督も警戒をしている。攻守で選手が躍動しだしている愛媛。水戸よりも一足先に目指すサッカーの形ができつつあるようだ。熟成度の差を見せつけ、勝利をもぎとりたいところだろう。現在12位だが、ここで勝てば、上位進出も見えてくる。アウェイといえども、是が非でも勝点3を取りたい一戦だ。
今節の試合会場は“聖地”笠松運動公園陸上競技場。いくつもの激闘が演じられてきたこのスタジアムで、また新たな名勝負が刻まれることを期待したい。くれぐれもケースデンキスタジアム水戸には行かないように。
以上
2010.10.02 Reported by 佐藤拓也













