「うちのチームには夢がある」
昨年の夏、当時の楚輪博監督はそう語った。富山の選手はチームの昇格とともにJリーグにデビューしたり、返り咲いたりした者がほとんど。苦労や挫折の末にひのき舞台に立ち、強豪チームに立ち向かう姿を指しての発言だった。
その夏の富山には勢いがあった。選手も苦戦を覚悟していた昇格1年目にして、湘南や東京V、徳島を下すなど8戦負けなしを記録。統率のとれた守備力をベースにした全員サッカーは、長年J2を取材してきた他のクラブの担当記者たちにも清々しく映ったようだ。ある記者は「カターレは『キャプテン翼』のふらののようだ」と評した。「松山君のような抜けた存在は見当たらないが…」というオチはついていたが、それさえも団結力を象徴するかのようで、富山の担当者としては誇らしく、うれしいほめ言葉と受けとった。
その強さの源が選手の高いモチベーションにあり、Jリーグで戦う喜びや高揚感から発せられていることは明らかのように感じていた。しかし、楚輪さんからは、それを認める答えを引き出せずにいた。「これぐらいの成績で喜んでいてはいけない」という戒めの気持ちが強かったのもあっただろう。冒頭の言葉で、やっと言質を得ることができた。ナイター練習を終えた後、クラブハウスに戻る暗がりの道でのさりげないひと言だった。
今季の富山は下位に低迷し、楚輪さんは解任されてチームを去った。選手たちは「プロの厳しさを改めて感じた」。現在は安間貴義監督のもと、全員が横一線のチーム内競争のただなかにある。試練を乗り越えて成長しなければならない。それは楚輪さんが期待していたことだ。連敗が始まったころ、「これからの戦いは苦しいものになる。そこで、どれだけ力を発揮できるかがプロには問われる」と話していた。監督交代後でぶっつけだった前節から3週間、チームは10月24日の札幌戦で本格的に再スタートを切る。章を進めて夢物語の続きをみせてほしい。
以上
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2010.10.22 Reported by 赤壁逸朗
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