11月6日(土) 2010 J2リーグ戦 第33節
福岡 2 - 3 栃木 (13:03/レベスタ/6,007人)
得点者:12' リカルドロボ(栃木)、19' 中町公祐(福岡)、42' リカルドロボ(栃木)、47' 城後寿(福岡)、86' 林祐征(栃木)
スカパー!再放送 Ch183 11/8(月)後10:30〜
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振り返ってみれば、立ち上がりの2つのプレーが、この日の試合を象徴していた。
最初にチャンスを作ったのは福岡。開始直後の2分、自陣ペナルティエリアから鮮やかにパスをつないで栃木のペナルティエリアまでボールを運び、最後はフリーになっていた田中佑昌の右足が唸る。シュートはGK武田博行の正面に飛んだが、それは好調・福岡を象徴するかのようなシーン。「福岡強し」を印象付けるプレーにレベルファイブスタジアムに大きな歓声が沸く。
しかし、その2分後、今度は栃木がカウンターを仕掛けて福岡ゴール前へと迫る。そして、高木和正が放ったシュートがゴールを襲う。これはGK神山竜一が好セーブでCKへ逃れたが、あまりに簡単に攻め込まれたシーンに、スタジアムにどよめきが起こった。
福岡が攻勢を仕掛けているように見えて、しかし、あっさりと栃木の逆襲を許す。ここまで、堅守をベースに持ち味の前へのパワーを活かして勝点を重ねてきた福岡らしからぬバランスの悪さ。それを敵将・松田浩監督(栃木)は、「とにかく福岡は、終始、バランスを崩しても点を取ろうという形だった。だから、センターバックとかけっこするような形というのは、うちに分があるんじゃないかと思っていた。最初から4−2−4みたいな感じのチームに見えるスペースがあった」と話す。そして福岡が2つの決定機を逃した後の12分。栃木は先制点を奪うことに成功する。きっかけは、やはり福岡の中盤にできるスペースを活用したカウンターアタック。その攻撃からCKを奪うと、そのチャンスに、リカルド・ロボがいかにも簡単にゴールネットを揺らした。
「今日に関してはロングボールが多くて、城後もジャンボ(大久保)さんも、グラウンダーで、いい形で楔をもらうシーンはほとんどなかったと思う。五分五分のハイボールだと、周りがサポートに入るのは中々難しい。プレッシャーがかかる試合ではあるが、ボールを動かして、落ち着いて回すということができていれば・・・」(永里源気)。その傾向は19分に同点に追いつき、ボールに激しく喰らいついてくる栃木をかわして反対サイドにできるスペースを有効に使ってチャンスを作るようになっても変わらない。大半の時間を攻め続けているのだが、前がかりになった裏へシンプルにボールを放り込んでくる栃木に戸惑い、ミスを繰り返し、そして簡単に逆襲のチャンスを与えた。そして42分、再びCKから、リカルド・ロボに決められた。
福岡が自分たちのリズムを取り戻せる機会があったとすれば、後半立ち上がりの47分に再び同点に追いついた時だった。しかし、攻守のバランスの悪さは修正できず、前がかりになってはロングボールで押し戻され、そこでファールをとられ、栃木にセットプレーのチャンスを与え、あるいはミスからカウンターを許す流れは変わらない。
60分過ぎからは福岡がボールを握って組み立てる時間帯が続いたが、今度は栃木の厚い壁が福岡にチャンスを与えない。高い位置から積極的にボールを追った前半を経て、2−2となってからは素早く帰陣して守備体制を整えるようになった栃木は、守備ブロックの前で福岡にボールを回させ、前半同様、シンプルな攻撃でカウンターを仕掛けて3点目を狙う。
そして勝負を決するゴールが生まれたのは86分。廣瀬浩二のラストパスにDFラインの裏に抜けた林祐征が右足を一閃、鮮やかにゴールネットを揺らした。「福岡が後半は前に出てくることは分かっていた。その時には守備に集中することが追加点を取ることにつながると考えていた」(松田監督)。栃木の狙い通りの決勝ゴールだった。
試合後、「(残された試合は)自分たちがどういう位置にいるかはっきり分かるというか、本当に昇格できるチームとしての権利があるかを見る試合」と話した松田監督。この日の試合に限れば、栃木はJ1昇格を口にする権利があることを示したと言える。しかし、それは継続して初めて意味を持つ。持ち味であるハードワークとディシプリンを残り5試合で、どこまで見せられるか。それが栃木の最重要課題になる。
そして福岡。この日は慌ただしい戦いに終始して勝点を積み上げることができなかった。しかし、敗戦を悔むだけなら何も生まれない。結果を正面から受け止めて、自分たちのサッカーを再確認し、それを実現するために力を注がなくてはならない。「1試合負けたからと言って一喜一憂するんじゃなく、1週間後の次の試合に対して100%のアプローチをして、勝点3を取れるように、みんなでいい準備をしたいと思う」(丹羽大輝)。ここからが本当の昇格争い。慌てず、騒がず、自分たちのサッカーをすることに専念することが何よりも肝要だ。
以上
2010.11.07 Reported by 中倉一志
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