11月6日（土） 2010 J1リーグ戦 第29節
Ｃ大阪 1 - 0 清水　（14:04／金鳥スタ／10,877人）
得点者：82' 小松塁（Ｃ大阪）
スカパー！再放送 Ch185 11/8（月）前05:00〜
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Ｃ大阪と清水の、勝点45で並ぶチーム同士の対戦は、Ｃ大阪が小松塁のJ1初得点により1-0と清水を下した。これでＣ大阪は第25節新潟戦以来、4試合ぶりの勝利。勝点を49に伸ばし、この時点で7日に首位名古屋戦を迎える暫定3位鹿島との勝点差を1に縮め、ACL出場権獲得のための3位以内入りに近づく大きな勝点3を得た。逆に清水は痛恨の連敗を喫して、上位戦線から一歩後退した。

久々に勝利の喜びに浸ったＣ大阪だが、この試合でも後半途中までは、無得点だった最近3試合同様に、攻めながらも決め切れない展開が続いた。前節名古屋戦で右肩を脱臼しながら、今節もスターティングメンバーに名を連ねた乾貴士が精力的に動き回り、同じ3シャドーの清武弘嗣、家長昭博、そして第15節清水戦以来今季2度目の先発となった小松も積極的にゴールを狙うなど、前半だけで9本のシュートを放ったＣ大阪。しかし、小松のシュートが2度GK正面を突くなど、全体的にも精度を欠き、得点に至らない。

後半に入ると、ラインを高くして、コンパクトな陣形で攻めてきた清水に、Ｃ大阪は押し込まれる。56分に本田拓也のボレー、その1分後に藤本淳吾のループシュート、そして66分には4試合ぶりに先発のピッチに立った岡崎慎司のヘッドを許すなど、清水にゴールを脅かされるシーンも目に付いた。それでも、これらのピンチを凌ぐと、残り20分あたりから、再び息を吹き返す。

72分に疲れの見えた乾を下げて、今季2度目の出場となるルーキーFW永井龍を投入。前線にさらなる活力が生まれると、82分、待望の瞬間がＣ大阪に訪れる。清武からハーフウェイライン付近でボールをもらった家長が前を向くと、小松が左へ、永井が右へ、相手の最終ラインの裏を目指して一斉に飛び出しを図る。そこで家長が選択したのは、出場停止のアドリアーノに代わって、この試合で1トップを任され続けていた、小松。この絶妙なスルーパスを受けた小松は、相手GK西部洋平をよく見ながら、落ち着いて右足インサイドできれいに右ゴールサイドネットの内側へ流し込んだ。J2では19得点を叩き出していた長身ストライカーが、今季19試合目にして、これがうれしいJ1初ゴール。スタジアムは桜色のサポーターの大歓声で熱狂に包まれ、普段はクールな15番も、満面の笑みを浮かべていた。

その後、家長のスルーパスが冴え渡るも、追加点こそ得られなかったＣ大阪だが、前線での確実なキープなどでこの1点をしっかり守り切り、8月にオープンした金鳥スタでの6試合で4勝2分けとして、新ホームでの無敗記録を伸ばした。「非常に選手たちのパフォーマンスもよかったし、最後は勝利という結果に結びつけることができて、本当にうれしく思う」と、チームを評価したレヴィークルピ監督。「今日は攻撃陣が数多くのチャンスを作り、そしてしっかりとゴールという結果に結びつけた。これを信じて続けていくことが大切」と、攻撃陣のさらなる奮起に期待をかけていた。

一方の清水は、司令塔の小野伸二や、ここ4戦連続先発していた枝村匠馬を欠くなか、9試合ぶりの先発となった山本真希、出場停止明けの平岡康裕らを起用。前半はミスが目立つも、相手を零封すると、「後半はうまく修正できて、自分たちの時間を長く作ることができていた」と長谷川健太監督。ただ、勝負を決めに行くため、「残り15分で2トップの形にして、ドリブルの得意な永井（雄一郎）を入れて、少し変化をつけようとした」（長谷川監督）矢先に、カウンターの形で失点。これが最後まで響き、敵地で勝点を得ることはできなかった。

長谷川監督の退任発表後初の試合を迎えて、「（精神的に）別に難しいとか、そういう気持ちはなかった」とヨンセンは気丈に振る舞ったものの、やはり精神的な動揺からか、結果を残せなかった清水の選手たち。それでも、「あと5試合で、まだ（上位進出への）チャンスはあると思うので、1つ1つあきらめずにやっていきたい」と西部が述べるなど、イレブンはシーズン最後まで戦い抜くことを誓っていた。

以上

2010.11.07 Reported by 前田敏勝