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【J1:第29節 磐田 vs 新潟】レポート:前半は新潟にリズムを握られた磐田だが、最後は脅威の粘りとタフさを見せて、ヤマザキナビスコカップ決勝戦を再現。(10.11.07)

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11月6日(土) 2010 J1リーグ戦 第29節
磐田 1 - 1 新潟 (15:34/ヤマハ/7,596人)
得点者:35' ミシェウ(新潟)、90'+4 前田遼一(磐田)
スカパー!再放送 Ch180 11/8(月)後09:00〜
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前田遼一のゴールが決まって、まもなくタイムアップの笛を聞いた瞬間、スタジアムはまるで勝ったかのようなムードに包まれた。ホームでの引き分けは満足できる結果ではないが、選手たちのコンディションや試合展開を考えると、磐田が土壇場でドローに持ちこんだことは、十分に胸を張れる結果だった。

磐田のスタメンは、ケガや出場停止、そして疲労も考慮して3日前のヤマザキナビスコカップ決勝から4人を変更。対する新潟は、出場停止でマルシオ・リシャルデス、U-21韓国代表で曹永哲と、ここまで2人で23ゴールを決めてきた得点源を欠き、代わりに三門雄大と木暮郁哉が中盤の両ワイドを務めた。
前半は、「モチベーションはすごく高かったけど、身体が思ったように動かなくて、気持ちと身体がバラバラだった」と古賀正紘が振り返ったように、磐田は狙い通りにボールを奪うことがなかなかできず、新潟にボールを支配される。前でボールを取りにいきたいフレッシュな選手と、それについていけない疲労の残る選手の動きが揃わず、中盤に穴が空きがちになってしまった。

逆に新潟のほうは、タメを作れる2人を欠いた中でも、しっかりとボールを動かし、サイドを変えながら磐田ゴールに迫っていく。本間勲を中心とした配球から、ミシェウが守備ブロックの隙間に下がってボールを受け、三門や木暮も精力的に動いてボールに絡み、攻撃のリズムを作っていった。
それでも、磐田としては「そんなに崩されているという感じはなかったので、うまくブロックを作りながら、相手の長いボールを警戒しながら、何とかゼロで抑えられれば、後半相手が落ちていたときにいけるというイメージはあった」(岡田隆)という意識だったが、34分にミシェウの飛び出しに対する反応が遅れて、PKをとられてしまう。多少不運な面もあったが、これをミシェウにきっちりと決められ(35分)、手痛い先制点を奪われてしまった。

後半に入っても、流れはなかなか変わらなかったが、磐田は後半9分に岡田→菅沼実、後半16分にジウシーニョ→荒田智之、後半31分に山本康裕→松浦拓弥と、攻撃のカードを投入するごとに徐々に流れを取り戻していく。とくに、松浦が入って積極的な縦への仕掛けを見せたことで新潟のDFラインが下がり、残り15分+アディショナルタイムは、完全に磐田が主導権を握って攻め続けた。
新潟が前節から中5日あったのに対して、磐田は120分の激闘から中2日という条件の違いを考えれば、本来は終盤になってくるほど磐田が苦しくなってくるはずだったが、セカンドボールを拾うという意味でも優位に立ち、新潟のカウンターも早い段階で止めることができていた。しかも、焦って攻撃が単調になることもなく、さまざまな角度から仕掛け、クロスを入れるにしてもボールを動かして相手を揺さぶってから入れるなど、攻撃でも冷静さが光る。このあたりは、選手たちが得た自信やチームの進化という部分を十分に感じさせた。
そして、4分と表示されたアディショナルタイムも残り少なくなった後半49分、この日は右サイドバックに入っていた山本脩斗が右からアーリークロスを入れ、ファーサイドの那須大亮が競り勝って中に折り返す。これを抜け目なく押しこんだのが、やはりこの人、前田遼一。押せ押せで攻め続けた中で、最終的にはエースがきっちりと仕事をして押し切ったというのは、まさにヤマザキナビスコカップ決勝戦の再現だった。

延長戦がないため逆転には至らなかったが、現在のチーム力を証明することは十分にできたゲームと言えるだろう。その意味でも、無敗記録を8に伸ばした勝点1は大きな価値があるが、「次の仙台戦に勝ってこそ、今日の引き分けというのが意味を持ってくる」(古賀)と、選手たちはすでに次に向けてモチベーションを高めている。

以上
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