11月7日(日) 2010 J2リーグ戦 第33節
横浜FC 1 - 0 水戸 (16:03/ニッパ球/4,557人)
得点者:46' 難波宏明(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch185 11/8(月)深02:00〜
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この試合で放った横浜FCのシュートは実に23本で、奪ったゴールは1。この数字が、この試合における横浜FCを如実に物語っている。昇格の可能性は僅かに残る程度であり、昇格圏への勝点差は実に11もある中で始まった試合であり、完全なチャレンジャーである状態にも関わらず、横浜FCには目に見えぬプレッシャーが掛かったようなプレーを前後半ともに見せる試合となった。
試合の開始早々は、攻撃サッカーを水戸に植え付けようとした木山隆之監督への恩返しを誓う水戸のペースとなった。サイドの高い位置に積極的に選手を配置し、3分の片山真人のシュート、9分大和田真史のCKからのヘディングシュートなど、積極的にシュートを狙う。横浜FCも入りが悪かったわけではなく積極的なプレッシングでボールを奪う形は見せていたが、それ以上の積極性を水戸が示した結果だった。
しかし、水戸が前半に存在を示せたのは立ち上がりの10分ぐらい。その後は、中盤で勝る横浜FCがボールをポゼッションし、一方的な展開に持ち込む。そして、阿部巧が高いポジションを取れるようになると、左サイドを使った攻撃から何度もシュートチャンスを演出する。しかし、岸野靖之監督が「前半、最後(のプレー)が弱かった」と振り返ったように、前半10本のシュートを放つものの、決定機をことごとく外す場面や、もう一工夫の足りないシュートが目立った。一言で言えば「打てども打てども、ゴールは入らず」という展開の前半。横浜FCへのプレッシャーは前半、決定力不足という形で現れることとなった。
後半開始早々試合は動く。前半40分に武岡優斗、ハーフタイムに早川知伸を怪我で交代せざるを得ない状態となり、それぞれ西田剛、エデルをピッチに送り込む。ともに怪我による交代であるが、一方でフォワードを投入するという積極的な方向での交代。そして、後半開始のピッチでは、ボランチに入った高地系治がトップ下に近い位置を取る一見ダイアモンドのような中盤の配置に。見る者にゴールをもぎ取る執念を感じさせた後半のファーストプレーがゴールに繋がる。左サイドフリーになったエデルからのアーリークロスが、DFライン裏に走り込んだ難波宏明の右足にぴたりと合う。この難波宏明のボレーシュートが決まり、横浜FCが先制を果たす。
しかし、この見事なゴールも横浜FCへのプレッシャーを払拭するに至らなかった。1点のビハインドを負って、水戸は当然前に出てくる展開。前に出てくる水戸に対して冷静にカウンター攻撃を決めて追加点を狙う展開のはずが、そのカウンター攻撃でもシュートは決まらない。さらに、高地が「1点取った後は緩くなった」と振り返るように、早川の交代でホベルトがDFに下ったこともあり、チーム全体が水戸の攻撃に対して受け身に回るシーンが目立つようになる。特に57分に島田祐輝を投入してからは、水戸の攻撃が活性化する。ハンドでノーゴールとなったが64分の常盤聡のシュートや、79分のCKからの大和田のヘディングなど、水戸にも同点ゴールの機会は十分にあった。後半のシュート数は、横浜FCが13本、水戸が4本であるが、シュート数に表れない横浜FCのカウンター攻撃でのミスや、水戸の惜しいチャンスは何度もあった。最終的には1-0で試合は終了するものの、横浜FCにとっては不完全燃焼、水戸も横浜FCの隙をゴールに結びつけられない試合となった。
本来感じるはずもないプレッシャーで自らを縛る試合展開に、試合後の横浜FCの監督、選手のコメントは一様に反省に満ちたものになった。しかし、その中でもしぶとく勝点3を得た事実は大きい。将来、昇格を狙うチャンスが来る時には、より大きなプレッシャーを感じることとなる。その時に、この試合での経験を生かすことが重要になる。次節の徳島戦ではホベルトが出場停止となり、再びけが人を抱えるなど難しい状況であるが、そのピンチを逆に生かしてチャレンジャーとしての戦い方を取り戻したい。
一方の水戸は、最後ゴールをもぎ取ることは叶わなかったが、前半の一方的な状況から、後半に少しづつ同点のチャンスを作り出す粘り強さを感じさせる試合であった。全体的には中盤も制圧されていたが、「怖がって自分たちが下ると攻撃にならなくなる」(木山監督)というように、守備から入るのではなくて選手の攻撃的な能力を信じた采配、そしてそれに応えようとした選手の姿勢は、木山サッカーを体現していたのではないだろうか。この試合で良かった部分を生かせれば、近いうちに木山監督への恩返しもできると感じさせるプレーを見せていた。
よく言われることであるが、サッカーはメンタル試合の部分が大きい。試合を覆うプレッシャーに苦しみながら、後半開始の難波のゴールに繋がったシーンを思い返すと、簡単に勝てるゲームは存在せず、ゴールをもぎ取る意思を100%むき出しにしないと勝利はおぼつかないことを改めて認識するゲームとなった。
以上
2010.11.08 Reported by 松尾真一郎















