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グアムキャンプ10日目となる2月2日、今年最初の対外試合となる大宮との練習試合(45分×2本)がレオパレスリゾートグアム第2ピッチで行われた。
まずは1本目(メンバーはクラブ公式サイトにてご確認ください)。立ち上がりは主導権を奪った。前線でプレーする内村圭宏が高い位置から積極的にプレスを仕掛け、河合竜二、山下達也で組むCBがDFラインをしっかりと押し上げて全体をコンパクトに。GKの高木貴弘が「後ろから見ていても、内容的には悪くなかったと思う。キーパーと最終ラインとの連係も悪くなかった」と振り返る。中盤の底には練習生の西村卓郎が入っていたが、この選手も高いポジションを保ち、大宮にスペースを与えなかった。
この試合を振り返るにあたって抑えておくべきポイントは、札幌はこのグアムではまだ、ディフェンス面にしか手をつけていないという部分だ。昨シーズンから大幅に顔ぶれが入れ替わった最終ラインの、その整備。そして守備的MFとの連係面などにここまでの期間、力を注いできた。攻撃面でのトレーニングはほとんどやっていないわけだ。
そうした中で攻撃面で存在感を見せたのが、新加入の守備的MFブルーノ。前を向いた際には素早い足の振りで、グラウンダーのパスを前線にピタリと預ける。そのプレーを何度も見せており、実際に、3分に上原が挙げた得点はブルーノのパスが起点になったものだった。
それでもやはり、攻撃面に未着手という段階での試合。攻撃が好きな選手にとっては、まだまだ難しい。特にトップ下でプレーをしたアンドレジーニャは時折高い技術を披露するものの、何しろまだこの選手にパスを回すためのトレーニングが行われていないため、いい形でパスを受けることがなかなかできなかった。そしてサイドバックの日高拓磨もそう。この選手も攻撃が持ち味なのだが、縦に飛び出すタイミングなどが掴みきれておらず、こちらも力を出し切れず。繰り返しになるが、攻撃面トレーニングがまた行われていない以上、これは仕方のないことである。1本目は1−0のスコアで終えた。
そして2本目に入るのだが、ここでも抑えておくべきポイントがある。これは相手の大宮もそうなのだが、フィジカルトレーニングを積んできたことによる疲労がかなり蓄積しているタイミングであるということだ。
大宮は1本目からすべてのメンバーを入れ替えて2本目に臨んだのだが、1本目と半数程度しか入れ替えをしていない札幌はフィジカル的に厳しい状況だった。そしてJ1チームの個の強さを発揮され、後半は完全に防戦一方。「怪我明けの選手のコンディションがあまりにも悪すぎた」と石崎信弘監督も振り返る。イージーなミスや、DFラインの乱れなどから4点を叩き込まれ、2本合計で1−4の敗戦となってしまった。
しかし、「もっとやられるかと思っていた」と石崎監督。「課題はいっぱいあった。でも、練習試合というのは課題を見つけるためにやるものだから」とも続けた。
筆者の個人的な感想としては、やはり疲れの色は隠せなかったのと、連係面の課題がいくつもあったこと。CKの守備時に全員がゴール前に引いてしまい、セカンドボールを拾う役目の選手がおらず、ピンチにつながった場面もあった。試合中の連係で、うまく乗り切るべき部分だったと思う。ただし、守備面にしか着手していない段階ということを考えると、1本目はオフサイドをしっかり取れたり、高い位置からうまくプレスができていたため、それなりの手応えもあったはず。また、攻撃面のトレーニングが未着手ながらも、最終ラインでスムーズに動く場面が何度かあった。敗戦こそしたものの、ポジティブに捉えるべき部分は幾つもあったと思う。今後の成熟が非常に楽しみである。
札幌のグアムキャンプは2月8日まで。5日には柏との練習試合が予定されている。
以上
2011.02.02 Reported by 斉藤宏則













