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【2011シーズン始動!ニューカマー・レコメンド】ピッチに立つと豹変する、ギャップも魅力のドリブラー:西弘則(熊本→大分)(11.02.03)

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2011シーズン始動!ニューカマー・レコメンド
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ずっといてくれるものだと(こちらが勝手に)思っていた大きな理由は、1つには何より、地元出身の選手だったということである。個人的なことを言うと、最寄りのコンビニが同じ店という“ご近所”選手。失礼ながら、キャラクター的に言っても飛び抜けて華があるわけではなくて、チームでは目立たないグループの一員だった。そうした控えめな雰囲気が新鮮でもあったし、逆説的な言い方をすれば、本当に「そこらへんにいそうな大人しい青年が実はJリーガー」というギャップが、「自分の住む街にプロサッカークラブがある幸せ」を感じさせてくれていた気さえする。というとちょっと大げさか。

しかし、普段の存在感が“薄い”からこそ、ピッチに立った時の印象は強烈になる。ボールを持った時の彼は、まさに別人。コースを見つけるや、時にはコースなど無くても一気に加速し、得意のドリブルで仕掛ける。もちろんディフェンスにひっかかることもあるが、奪われてもがむしゃらに取り返しに行くし、突っ掛けることで相手の反則を誘い、いい場所でFKをもらったりもする。とにかく豹変するのだ。サッカーに最大限のエネルギーを注ぎ込むべく、感情やエネルギーの発散を、普段はあえて抑えているのではないかというくらいに。

流通経済大から加入した09年、開幕戦のホーム草津戦に後半から出場してJリーグデビューを果たすと、ポゼッションサッカーを志向したチームの中で徐々に出場機会を増やし、そのドリブルは貴重なアクセントとなった。果敢な仕掛けにスタンドは沸き、そのプレースタイルから“ニッシ”と呼ばれるように。だがドリブルのみならず、前の選手を追い越していく動きも彼の特徴の1つ。そうした場面から熊本での2年で12ゴールを挙げたが、中でも09年19節のアウェイ湘南戦でのゴール(彼にとってのJ初得点)が象徴的だ。右からのクロスに対しボックスに入った藤田俊哉の落としを受けて決めた美しいゴールで、結果的には引き分けたものの、立ち上がりから猛攻をかけた熊本は、昇格を狙う湘南を慌てさせたのだった。

今回の移籍に関しては、移籍先が大分だということも含めてショックを受けたサポーターも多いだろう。だが、例えライバルチームであっても、より長い時間プレーすることを求め、彼自身が悩んだ末の決断ならば受け入れるしかない。熊本への思いは、移籍のリリースにあったコメントからも十分に感じられたのだ。

西弘則は、普段は地味で目立たないし、飄々としている。だが、ピッチに出れば「何かやってくれる」という期待を感じさせてくれる、そして必ずや力になるプレーヤー。大分でもきっと愛される選手になると思うし、なってもらわなければ困る。

ただ熊本戦でだけは、得点を決めた後に両手を上げてジャンプする、少年みたいな無邪気な喜び方は、させんばい。

以上

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<2011シーズンの幕開け!>
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2月26日(土)13:35/日産ス
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2月26日(土)10:40キックオフ(予定)/日産ス
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2011.02.03 Reported by 井芹貴志
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