Jリーグは、2月1日(火)〜3日(木)の3日間、今シーズン各Jクラブに加入する選手を対象とした「2011Jリーグ新人研修会」を行っている。今年の研修会は、対象となる新人選手の加入がないFC東京・栃木SC・徳島ヴォルティスの3チームを除く35のクラブから、124名の選手が参加。
一同に集まった選手同士が、うまくコミュニケーションを取れるようにというJリーグ側の思いから、初日から およそ30名ずつを4つに分けて行うグループワークの時間が多く設けられており、それぞれのグループで Jリーグのビジネス・ビジョン、toto(スポーツ振興くじ)、ドーピング、危機管理や税金、競技規則やルールの基本的な知識の確認から、細かな部分まで掘り下げた講義まで、広い範囲の知識を、3日間でびっちり学んでいる。
また、研修会2日目の午後に行われた「PRコミュニケーション」には特に重点がおかれ、多くの時間が割かれた。サッカー解説者として活躍中の宮澤ミシェルさんを講師に招き、ご自身の選手時代の経験談を交えながら講義は行われた。「blogやtwitterが普及している今の時代、選手自身の発言が色々なとらえ方をされてしまう場合も少なくない。自分の発言に責任を持ち、発信力の大きさもしっかり認識しておいてほしい」と、メディアの大切さや、各選手の持つ発言の影響力など、力強く語った。「一人のJリーガーが誕生するまでには、たくさんの人が、色々な力を貸してきてくれている。生まれた時から育ててくれたご両親や、小学校・中学校・高校での監督だったり、本当に多くの人がここにたどり着くまでに力を注いでくれたはずだ。そのお陰で、今日ここに居られているということを決して忘れないでほしい。それに心から感謝をし、それを心の原点に持って欲しい」という 宮澤さんらしい熱い言葉は、「Jリーガー」という人生を歩む選手たちの これからの礎になるに違いない。
この後行われたメディアトレーニングのグループワークでは、印象良く話すための表情のトレーニングや発声練習、早口言葉の練習など、今まで経験したこともない授業内容に 選手たちはやや照れながらも、一生懸命大きな口を開けて話したり、引きつらせながらも笑顔をつくったり、携帯電話で「自分撮り」をして自分の表情を確認する姿は、とてもフレッシュで新人らしさに溢れていた。
その後 それぞれのグループ内で、インタビューする側、される側、アドバイザーの3つの役に分かれて、インタビューを想定したシミュレーショントレーニングを繰り返し行った。他の選手が行っているのを客観的に見たり、トレーニングを重ねることで、臨機応変な対応が出来るようになったり、その選手らしい個性あるコメントができるようにまでなった。
グループワークの後、それぞれのグループから代表者を1人決定し、総仕上げは全員集まる会場のステージ上で模擬インタビュー。試合後のヒーローインタビューをイメージし、プロのリポーターからインタビューを受けた。
清水の樋口寛規選手は自己PRで「高校時代はブルドーザーから“ブル”というニックネームでした。清水でも、早くみなさんにそう呼んでもらえるように頑張ります」と話せば、湘南・高山薫選手は「自分のアピールポイントはこの髪型です。この“高山ヘア”が浸透していくように、スタジアムが高山ヘアのファンで埋まるように、頑張って活躍します」と、どの選手も自分の個性を上手に表現し、会場から笑いを誘い、和やかなムードに包まれた。どの選手も、突然来る「試合後という設定以外の質問」にも、動揺を見せないように、目を輝かせながら、姿勢正しく堂々とインタビューに答え、グループワークでのトレーニングの成果を大いに発揮した。
「プロだから、伝える義務がある」とは宮澤ミシェルさん。良い時だけではなく、負けた時も、苦しい時も、どんな時でも答えなくてはいけない。それがプロ。「選手が偉い訳ではなく、選手もメディアも対等だ。また、試合に出られていなくても“プロフェッショナル”というものはある。苦しい時こそ、しっかりそういった対応が出来るように。心に、しっかりとブレないものを持っていてほしい」
2月1日から、晴れて「Jリーガー」というプロの道を歩み始めた若い選手たち。
この3日間で感じた多くのことを、しっかりと心に刻み、それぞれの個性や、感謝の気持ちを大切にしながら、Jリーグという大海原で大暴れしてほしい。
以上
Reported by 浅野有香













