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【J1:第8節 柏 vs 甲府】レポート:昇格組対決は、北嶋秀朗の通算50ゴールにより柏に軍配!勝つチャンスのあった甲府にとっては惜しい敗戦(11.04.30)

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4月29日(金) 2011 J1リーグ戦 第8節
柏 2 - 1 甲府 (14:05//10,319人)
得点者:41' ハーフナーマイク(甲府)、59' 田中順也(柏)、64' 北嶋秀朗(柏)
スカパー!再放送 Ch181 5/3(火)前06:00〜
totoリーグ中断期間を振り返るJ1編
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中断期間中、北嶋秀朗は事あるごとにこう語っていた。「調子はいい。チャンスが来たら必ずつかみ取る」。メンバー外となって腐るどころか、むしろその悔しさをバネに奮起する熱きメンタリティーを持った男は、自らの強い決意を体現するかのように逆転弾をねじ込み、そして雄叫びを上げた。

前半10分を過ぎた頃から柏の選手はゾーンの間でボールを受け、徐々に攻撃に滑らかさが表れる。スムーズなパス回しで右サイドを崩し、酒井宏樹のクロスボールに対して澤昌克が飛びこむ場面や、澤からレアンドロ・ドミンゲスとつなぎ、ジョルジ・ワグネルの右足シュートがサイドネットにかかるなど、パスワークとサイドバックのオーバーラップを絡めた攻撃には柏らしさがあった。だが甲府の統率された守備組織も譲らない。右サイドバックの吉田豊が中へ絞り、ヘディングシュートを狙った澤に体を寄せた。ジョルジ・ワグネルにも柏好文がマークにつきながら、シュートの瞬間には石原克哉が果敢に体を投げ出してコースを消した。
甲府は時間の経過とともにアタッキングサードのスペースを遮断し、ボールを奪った後は長めのパスをハーフナー・マイクに当て、カウンターから効果的な攻撃を展開した。20分、ダニエルのフィードをハーフナー・マイクが後方に落とし、俊敏な動きで裏へ抜け出した松橋優が決定機を生み出すと、先制の場面も同様にダニエルのフィードがジョルジ・ワグネルの背後のスペースを突き、吉田豊の攻め上がりがPKを誘発したものだった。このPKをハーフナー・マイクが落ち着いて決め、41分に甲府が先制点を挙げた。

この流れを変えるべく柏は指揮官が動く。「前のカードが足りないので北嶋を入れて(田中)順也と2トップにする。水野を入れて、クオリティーとスピードのあるレアンドロと水野から展開して勝負に行ける」(ネルシーニョ監督)との理由から、後半開始と同時に澤に代えて水野晃樹、茨田陽生に替えて北嶋を投入。4−4−2の中盤ボックス型の通常の布陣に戻した。
水野がレアンドロ・ドミンゲスと2枚の攻撃的MFを形成し、中央でボールに絡む。これによって陣形が中央に絞られて両サイドにスペースが生じるため、切れのある動きで前半にも何度か見せ場を作り出していた酒井が、さらに攻め上がるスペースを見出す。
59分、水野から始まったサイドチェンジ。酒井、レアンドロ・ドミンゲス、栗澤僚一とつなぎ、再びボールを受けた酒井がニアへめがけクロスを放った。「絶対にニアに来ると思った」とコースを予知した田中は瞬間的に甲府センターバック冨田大介の前へ入り込み、頭できれいに合わせて同点弾を決める。
さらに64分、酒井と内山俊彦のマッチアップには冨田が良いカバーリングを見せてマイボールにしたものの、クリアの際に軸足が芝に取られ手痛いミスが起こる。運良くボールを拾ったレアンドロ・ドミンゲスから北嶋へパスが送られ、北嶋の体を反転させたボレーがサイドネットに突き刺さった。5分間の逆転劇に、興奮したサポーターによって日立台が揺れた。

三浦俊也監督が「守備が破綻した印象はないです」と言えば、伊東輝悦も「後半が悪すぎたとは思っていない」とほぼ同様のコメントを残している。確かにこの失点シーンの時間帯を除き、甲府の守備組織が大きくかき乱された印象はない。ただし柏のシステムが変わり、中央へ陣形を寄せられたことでサイドの対応が甘くなったとは三浦監督も伊東も口を揃えている。また、「2点目を取られてからの攻撃は課題」と三浦監督が語るように、攻撃面では逆転した後に柏がリスクを負わず、守備に重きを置いてからは甲府の攻めに単調さが目立ち、結局後半に放ったシュートは堀米勇輝の1本のみ。甲府にも十分勝つチャンスがあっただけに、その勝ち切れなかった要因が伊東の言う「個人の質も上げないといけない」というところにあるのだとしたら、それは容易に改善できる部分ではないのかもしれない。悪いゲームではなかっただけに、こういうところで勝利をもぎ取るためには組織としてだけではなく個対個での守備の強さ、あるいは長めのボール主体のシンプルな攻撃の他にも相手の守備を崩せるような別の一手が必要になるだろうか。

柏は苦しみ抜いた末、北嶋の通算50ゴールで3連勝を飾った。魂のこもったプレーで勝利をもぎ取った北嶋には、もはや脱帽である。しかし全体的には些細なミスで流れを失い、前節の大宮戦同様、前半のリズムが悪かったのは大きな反省材料だ。一昨年の広島、昨年のC大阪に続く「昇格組の躍進」を期待する声も周囲からは挙がっているが、まだまだ前途は厳しいと言わざるを得ない。ただ、水野が復帰し、この日の出番はなかったが兵働昭弘もベンチ入りを果たした。彼らの融合が、今後のクオリティー向上につながることを期待している。

以上


2011.04.30 Reported by 鈴木潤
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