スカパー!生中継 Ch180 後03:50〜
☆totoリーグ
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川崎Fが置かれた状況は決して良くはない。前節の神戸戦を落とし、ここまでに消化したリーグ戦5試合を2勝3敗と負け越してしまっているのである。試合内容自体も「らしさ」が見られていない。ある程度ボールは保持できているという状況は作れているが、そのポゼッションが得点に結びつかないという試合が続いている。その一方で、なんでもないプレーからの失点が目立っており、その結果として得失点差ではマイナス1に沈む結果に。そうした好ましくはないここまでの戦績に対し、この原稿の冒頭で「悪い」とではなく「良くはない」と書いたのは、川崎Fのこれまでの戦いを全否定するほどダメではないと考えているからだ。
相馬直樹監督は、まず彼の理想像としてのスタイルを選手たちに提示し、選手たちはそれを実行しようとしてきた。しかし、ここまでの戦いの中でそれがうまくいかない状況が散見されれば、チームや相手との力関係の中で、微調整しようとする姿勢をみせている。それが結果として出ていたのが、ピッチの横幅を使い始めた磐田戦であろう。やりたいサッカーに固執するのではなく、うまくいかない状況があるのだとすれば、それを選手の力を借りつつ微調整するという事ができており、またその結果が良好に出つつある。だからこそ、期待を込めて今の状態を「良くはない」と表現した。
良くはないという現時点での評価については相馬監督もその認識を持っており、その前提に立って「相手は一番タイトルを取っているチーム。こういうタイミングでその相手と戦うのは浮上のチャンスになる」と話している。良くはないのだが、それでも勝ちたい。勝って、チームを浮上させたいとの思いがにじみ出ている。
難しい状況の中での勝利がもたらす自信は、チームを大きく前進させるはず。そんな川崎Fを救う存在として期待したいのがジュニーニョである。練習でずば抜けてコンディションが上がっているという訳ではないのだが、彼の復調無くしては川崎Fの復調はありえないからである。先発に復帰して2試合が経過しているが、未だにノーゴール。敗れた前節の神戸戦では、ゴール直前で訪れた先制のチャンスで決めきれず、敗戦の遠因となってしまった。ただ、だからと言って下を向くような選手ではない。
「この前の負けは忘れたい。自分たちが勝つチャンスはあると思いますし、ホームということもあるし、すごく重要なゲームになると思います」と話すと、「まだゴールしていないので、等々力でチームのためにゴールしたい。そうすればサポーターも喜んでくれると思う」とゴールへの意欲を見せていた。
そうした中、ジュニーニョに降りかかる問題が相馬監督のサッカーへの理解度である。ジュニーニョは「理解はできていると思います」と話す一方、回りの選手との関係性については難しさがあるとも述べている。コンディションはまだ100%ではないが「ゲームをやりながらよくなっているのを感じますし、ゲームに入ったら、出来ることを100%やります」と話している。
そのジュニーニョはマッチアップする事になるであろう岩政大樹について「ディフェンダーとしてハードマークしてくる印象がある。すごく能力が高い選手ですが、彼の特徴を出させないようにプレーしたい」と述べている。岩政に限らず、鹿島の選手はハードワークする。厳しい戦いになるのは確実である。
鹿島は先日のACL、シドニーFC戦で中田浩二が負傷し、戦列を離れている。もちろんそれは穴となるのだが、代わりにピッチに立つことになるであろう伊野波雅彦は、好機とばかりに意欲を燃やすはず。ケガ人の出現が、必ずしもチーム力の低下に結びつかなさそうな所に鹿島の層の厚さが見て取れる。ラウンド16への進出を果たしたACLでの戦いに向け、いいステップにすべくこの試合に臨むはず。川崎Fが倒すべき相手の存在は大きいと覚悟すべきだろう。
取材陣からの質問にも、極力意識するような発言を避け続けていた相馬監督ではあるが、そのサッカー観に大きな影響を与えたはずの鹿島との対戦に対しては内心で意識しているはず。今季ここまで、決して磐石の戦いが出来ているわけではない鹿島ではあるが、それでも結果として強さを見せてきた相手なだけに、彼らを叩くことで川崎Fは確実に浮上のきっかけを掴める。
「鹿島だからというよりも、上のチームとやるということ。そこでチャレンジしたい」との相馬監督の言葉は、どのような結果となるのだろうか。過去のこの試合がそうであったように、気持ちのこもった試合になるのは間違いなさそうである。
以上
2011.05.14 Reported by 江藤高志













