(19:00KICK OFF/ニンスタ)
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前節のアウェイ栃木戦を逆転で飾った愛媛は、5試合ぶりの勝利をつかんだ。今節はホームに岐阜を迎え、ニンジニアスタジアムでは今季初となるナイトマッチを戦う。「前節の勝利を生かすも殺すも、この岐阜戦次第」と大山俊輔が気を引き締めるように、勝ち星を3勝1分3敗のイーブンに持ち直した今節は重要。「もう一度しっかりと、勝利に対して貪欲にプレーしたい」と関根永悟も意気込むように、選手たちも緊張感を保って金曜のナイトマッチに挑む。
その岐阜戦を前に、まず前節の栃木戦( /jsgoal_archive/game/2011/20110200030120110522.html )を振り返ると「早い時間帯に失点してしまったこともあって、ボールを失うことを恐れている雰囲気もあった」と語るのは渡邊一仁。ミスから許した先制点は、4試合勝利から遠ざかっていたイレブンに重くのしかかったに違いはない。それでも、「ミスを恐れずにプレーしなければならなかったし、消極的になってはダメ。ミスをカバーしあうような声を掛け合ったし、パスの受け手と出し手をハッキリさせるように気をつけた」と関根が語るように、我慢強くピンチをしのぐと後半の早い時間帯に同点に追いつき、試合終了間際の逆転劇を呼び込んだ。
この逆転劇は、単なる1勝というだけでなく、2つの価値があったのではないかと思う。まず、1つは選手たちの奮起。結果論ではあるが、故障者や出場停止が重なって、徳島戦から先発6人が入れ替わったことがプラスに作用した。最終的には途中出場の小笠原侑生がチャンスを作り、同じく途中出場の吉弘充志がコーナーキックから決勝点となるJ初ゴールを押し込んだ。また、そのコーナーキックを蹴ったのは今季初先発でフル出場を果たした大山。「失点してメンタルが崩れそうだったけど、焦れずにプレーして、気持ちが落ちなかった」というフレッシュなメンバーが悪い流れを断ち切った。与えられたチャンスに対して貪欲にプレーし、今季初の逆転劇を成し遂げたことは栃木戦における1つ目の価値だろう。
そして、もう1つは目指すサッカーを貫こうとして、結果も得たこと。確かに、失点に結びつくミスを犯し、同じようにピンチを招くミスも繰り返してしまった。それでも「恐れずにポゼッションができれば、やれることがわかったと思う」とバルバリッチ監督も指摘したように、雨の中のピッチコンディションでも状況に応じてボールをつなぎ、主導権を握る場面も作った。4−5−1にフォーメーションが変化をしても、それは中盤に人数をかけてポゼッションを強化するための布陣であり、やるべきサッカーにブレや迷いはなかった。「もっと試合をコントロールできるようになれば攻撃に厚みも出るし、見ていても楽しいサッカーになると思う」と、大山にもチームが進むべき道のイメージを描けている。
ただ、次の90分を迎えると、ガラリと様相が変化してしまうのがサッカー。前の試合で得た自信や、いいイメージを次の90分に持ち越すことは簡単ではない。逆に、栃木戦の愛媛がそうであったように、現在は最下位に甘んじている岐阜も、ちょっとした変化で浮上のキッカケをつかむことができる。前節の岐阜は、決めるべきチャンスを見逃さなかった徳島に対して攻めあぐねていたが、終盤に見せたサイドからの攻撃には得点の可能性も感じさせた。元々、嶋田正吾や染矢一樹というスピードのあるアタッカーに加えて、フィニッシュに絡む押谷祐樹、高さのある佐藤洸一と前線には多彩なタレントをそろえる。前節の栃木戦で愛媛が結果を手にしたように、今節は岐阜が転機を迎えても何ら不思議なことではない。
また、「今の順位には意味がない」とバルバリッチ監督は語るが、そもそも、岐阜と愛媛の勝点差は6。8位と20位、というほどの勝点差はない。一方で、愛媛にとってみれば3位の鳥栖との勝点差もわずかに3。4試合つまずいた愛媛にとっても、ちょうど今、4試合勝利がない岐阜にとっても、勝負はまだまだこれからだ。逆に、愛媛はこういうところで勝ち抜かなければ、12勝12分12敗で終えた昨季を超えることはできないだろう。そういう意味では両者ともに毎試合、どんな状況でも、自らが目指すサッカーを信じて目の前の試合を勝ち抜き続けなければならない。
以上
2011.05.26 Reported by 近藤義博













