5月27日(金) 2011 J2リーグ戦 第14節
愛媛 2 - 0 岐阜 (19:04/ニンスタ/1,982人)
得点者:43' 杉浦恭平(愛媛)、60' 石井謙伍(愛媛)
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前節から、愛媛も岐阜もFWを入れ替えてスタート。愛媛はジョジマールに代えて小笠原侑生をワントップに据え、岐阜は佐藤洸一ではなく中盤に永芳卓磨を入れて嶋田正吾を前線に上げた。どちらも前線に機動力のある選手を投入して臨んだ一戦となったが、序盤は岐阜がまずペースをつかんだ。そして最初のビッグチャンスも岐阜。右サイドを押谷祐樹が突破し、クロスには染矢一樹が飛び込んだが、愛媛のGK川北裕介がゴールを許さなかった。一方の愛媛はセカンドボールを拾えず、ワントップの小笠原も孤立した状態。バルバリッチ監督は、ピッチサイドで大きなジェスチャーを交えながら選手たちに指示を伝え、ポジショニングを修正し続けていた。
すると「試合が進むにつれて徐々にポジショニング、布陣のバランスがよくなり自分たちのペースで試合を運ぶことができた」という監督の言葉通り、流れは徐々に愛媛に傾く。前半18分、セカンドボールを拾った愛媛は右サイドを関根永悟が駆け上がり、最後は小笠原がシュート。ポストに阻まれたものの、このあたりから愛媛の反撃が始まった。前節の栃木戦ではポスト役が多かった小笠原だったが、この試合ではスルーパスを狙って裏に飛び出す場面も多く、じわりじわりと岐阜の最終ラインにプレッシャーをかけ続けていた。
そして43分、先制点の場面はその小笠原が起点に。おさめたボールは足元からこぼれて一度は岐阜に渡りかけたが、すぐさま杉浦恭平が奪い返すとそのままドリブルで持ち込んでゴールを決めた。愛媛にとっては6試合ぶり、待望の先制点となった反面、岐阜にとっては再び犯してしまった最終ラインでの過ちだった。「いい流れの時に失点をしてしまう」と押谷は悔やんだが、岐阜にとっては痛い失点。崩されたわけではないが、だからこそ精神的に重くのしかかる失点だった。負けが込むと続いてしまう事故のようなものかもしれないが、岐阜としてはこれを断ち切って先制する形を作らなければ、トンネルの脱出は難しいだろう。
逆に、我慢をして先制点を奪うことができれば、岐阜も転機を迎えられることはこの試合の愛媛も証明している。今節、久々の先制点を奪った愛媛はミスも減り、後半は雨のピッチにもかかわらず確実に最終ラインからボールをつないでいく場面が増えた。「立ち上がりは悪かったが失点をしないことで、いい守備からいい攻撃ができた。久しぶりに後半は自分たちのペースでできたし、点差がつくと落ち着いてプレーできた」と振り返ったのはDF池田昇平。石井謙伍が押し込んだ追加点もしっかりとサイドを崩した得点で、愛媛にとっては先制点がチームに大きな自信をもたらした。
そして、「連勝したことも大事で自信がつくし、今後のハードワークのために必要な闘争心を持つことができると思う」と、久しぶりに落ち着いた口調で試合後のコメントを残したバルバリッチ監督。依然として愛媛は控えの枠を埋められないほど故障者が多い苦しい台所事情ではあるが、3月5日の開幕戦以来となるホームでの白星、完封、そして連勝で流れは上向いてきた。この勢いを消さないよう、次節のFC東京戦(6/5@駒沢)でも愛媛のサッカーを貫いて、勝点を持ち帰って欲しい。
以上
2011.05.28 Reported by 近藤義博
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