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【J1:第15節 広島 vs 浦和】レポート:浦和が採った「対広島スペシャル」に我慢を強いられた紫の戦士。勝点1を分けあった広島ビッグアーチの夜(11.06.16)

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6月15日(水) 2011 J1リーグ戦 第15節
広島 0 - 0 浦和 (19:04/広島ビ/13,707人)
スカパー!再放送 Ch183 6/16(木)後01:00〜
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ゼリコ・ペトロヴィッチ監督は、広島戦に向けて特別な闘い方を準備していた。ボランチの山田暢久がムジリに、鈴木啓太が李忠成に、トップ下の柏木陽介が森崎浩司に。相手に合わせてどこまでもついていく「クラシック」ともいえるマンツーマン・システムだ。
クラシック=悪い、というわけではない。ゼリコ監督(双方の指揮官がペトロヴィッチという姓なので、浦和側をゼリコ、広島側をミシャと表現する)が狙いとした「広島の起点をマンマークで潰す」戦術がこの試合で効果的だったことは、広島のシュート6本という結果で、証明されている。

攻撃は前線の3トップに柏木、右サイドの高橋峻希が絡む展開。攻守の役割分担がはっきりと分かれ、守備の選手が攻撃に絡むシーンはそれほどなかったが、それでもチャンスを創れたのは浦和の個人能力の高さ。7分にCKからスピラノビッチ、26分には田中達也のクロスにマルシオ リシャルデス。共に危険なシュートを放ち、広島を脅かした。
ただ、広島も前半は、浦和のやり方をそれほどは苦にしなかった。ムジリは相手のマークを受け流し、チャンスにつながるパスを連発。18分に放った超ロング・サイドチェンジは、佐藤寿人を完全にフリーにさせた。28分に見せた3人に囲まれた中で出したヒールパスは、李忠成と佐藤のワンツーからのチャンスを導いた。「ずっと鈴木さんがついてきて……」と試合後は苦笑いを浮かべていた李も、16分には相手の中途半端なクリアに抜け目なく反応したヘディングシュート。36分には佐藤のパスに飛び込み、決定的なシュートを放った。

「(ミシャ)監督が試合前、『(柏木)陽介は、お前がベンチに戻ってもついてくる、と言っていたが、本当にそんな感じだった』と、森崎浩司は言う。「でも、しっかりと動けばスペースができるから」と、特に柏木のマークを気にしていた素振りはない。攻守の切り替えで広島の選手が先手をとり、マーカーを置き去りにするシーンも創れていた。
ただ、マンマークを厳しく当て、守備を固めてきた相手に対しては「サイドでの突破がもっと必要だった」とミシャ監督は言う。中央でのコンビネーションが不発に終わってもサイドで相手を引きはがせば、そこでスペースは生まれる。だが、この日はそのサイドでの攻防で浦和に先手をとられていた。そして後半は全体の運動量がガックリと落ち、次第に浦和の狙いとするマンマークがはまってボールを前に運べなくなってしまった。

ただ、浦和もボールは支配するものの、森崎和幸を中心とする広島の守備を破れない。62分、柏木のスルーパスに田中が飛び出すが「(柏木)陽介の癖はわかっていた」という西川周作の素晴らしい飛び込みが阻止。74分、高橋のクロスをマルシオ リシャルデスがボレーで放つものの、ここも西川が落ち着いてキャッチ。76分、マゾーラのクロスに山田直輝が詰めるが、ゴールできない。
広島の後半唯一と言える決定機は、87分。山岸智・高萩洋次郎を経由して、ミキッチからパスを受けたトミッチが強烈なシュートを放つ。後半初めてといっていいダイナミックな展開だったが、このシュートを加藤順大がビッグセーブ。両GKの素晴らしい守備が試合を引き締め、熱戦はスコアレスドローに終わった。

Jリーグの中でも特異なコンセプトと形を持つ広島に対しては、「浦和だけでなく、多くのチームが対策を立ててくる」(ミシャ監督)。上位で闘っていくためには、手を替え品を替えという様相の「広島戦用戦術」にも動ぜず、堂々と打ち破っていく「強者のサッカー」が必要になる。それは広島にとって未知の領域だが、「タイトル奪取」のためには乗り越えなければならない壁だ。ただ、個々の能力が高い浦和が広島用戦術を駆使しても、そこで慌てずにしっかりと守って勝点1を奪った事実は、確かなチーム力の証明だろう。

一方の浦和は、自分たちのミッションをしっかりとやり遂げた試合だったと言っていい。「広島のホームでこれほどのゲームをできるチームは、多くはない」とゼリコ監督は選手たちの労をねぎらった。5試合連続引き分けとなった結果ではあるが、今後に向けて手応えを感じていた。

いずれにしても、厳しい連戦は始まったばかり。広島も浦和も、中2日で次の闘いが待っている。そこを乗り切るには、戦術以上にコンディション調整が大きな鍵となるのは言うまでもない。ミシャ・ゼリコ、両ペトロヴィッチ監督がどんなチームマネジメントを見せるか。お楽しみは、これからだ。

以上

2011.06.16 Reported by 中野和也
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