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【J1:第15節 柏 vs 磐田】レポート:ハードワーク、球際の競り合い、集中力…あらゆるプレーで柏を凌駕した磐田が完勝を収める。柏はこの敗戦を教訓に(11.06.16)

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6月15日(水) 2011 J1リーグ戦 第15節
柏 0 - 3 磐田 (19:05//7,803人)
得点者:20' 金園英学(磐田)、45' 前田遼一(磐田)、59' 前田遼一(磐田)
スカパー!再放送 Ch181 6/17(金)後10:00〜
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この試合は、柏、磐田ともU-22日本代表の選手を五輪予選により欠く。したがって柏は酒井宏樹の代わりに村上佑介を右サイドバックに入れ、磐田は金園英学とジウシーニョを山崎亮平と山本康裕の代役に起用した。それによって磐田はジウシーニョが中盤の左に入り、山田大記が右サイドを務める通常とは異なる布陣となった。

磐田の柏対策は万全だった。柏の攻守の中心である大谷秀和、栗澤僚一には2トップと中盤が素早い寄せで自由を与えず、攻撃の起点レアンドロ・ドミンゲスに対しても即座に複数人が囲い込み、球際で激しく当たることで対応。さらに、7分の右サイドを抜け出した駒野友一のクロスを増嶋竜也が足を伸ばして懸命にクリアした場面が物語るとおり、磐田は柏の左サイドバック、ジョルジ・ワグネルの背後を山田、駒野が執拗に突き、相手のストロングポイントを消してウィークポイントを狙う策が序盤からハマる。
柳下正明監督はミーティングにて「(柏のDFは)クロスに対して、特に浮き球の処理に不安定なところが見られたので、2トップへシンプルに入れていこう」と指示を送ったという。20分、右サイドの深い位置から駒野が前線へ送ったロングボールは、非常にシンプルで、かつ柏にとってはイージーに見えた。だが、村上が対応を誤る間にスピードを上げて追い込んできた金園があっさりとボールを奪い、左足のシュートで先制弾を叩き込む。

劣勢だった柏も30分過ぎには“らしさ”が戻る。わずかなスペースを見出した大谷、栗澤、レアンドロ・ドミンゲスを起点とした小気味良いシュートパスで磐田の守備を翻弄しながらフィニッシュの場面が増えていく。そして前半終了間際、大津祐樹のヒールでの落としを、スペースへ走り込んだ田中順也が得意の左足で狙うこの試合最大のチャンス。しかしこれを逸すると、磐田はその1分後に駒野のクロスを前田遼一が決めて追加点。柏のDF陣の足が止まり、ボールウォッチャーになったところを前田に突かれたのだが、この状況を分析するとジョルジ・ワグネルの背後のスペースを金園が使い、それによって柏のセンターバック近藤直也をゴール前から引き出し、手薄になったゴール前で前田が一度柏DFの視界から消え、駒野からクロスが入る瞬間に猛然とスピードを上げて飛び込むという前田の“巧さ”が光ったゴールだった。

この非常事態に柏は動かざるを得ない。後半開始と同時に茨田陽生とホジェルの2枚を投入。ネルシーニョ監督から「中に寄ってプレーしろ」との指示を受けた茨田は磐田のボランチをケアしつつ、彼の持ち味であるパスでリズムを作り、ホジェルが前線でタメを作る。だが、磐田は守備陣が全く集中を切らさず、球際の激しいぶつかり合いでも柏に競り勝ち、奪うと素早い切り替えからカウンターを発動する。
確かに2点のビハインドを追う柏が前傾姿勢になり、磐田が守備を固めてカウンターを狙うにせよ、59分の磐田の攻撃は、ネルシーニョ監督が「1人でもはっきりしないプレーが続いてしまうと全体に影響してしまう」と、この日の守備面の粗を説いた象徴的なシーンである。全体のバランスを欠くゆえ、ボールを運ぶパク・チュホに柏の選手は誰も寄せられず、DFラインがズルズルと下がった。フリーのパク・チュホは精度の高いスルーパスを通し、前田が難なく詰めて3−0とした。

試合を通して感じたのは、やはり磐田の安定感だ。全体的に守備意識の高さがあり、那須大亮と小林裕紀のダブルボランチの攻守に渡る抜群の貢献度、相手のウィークポイントを的確に突く攻撃、しかも駒野、前田という日本代表クラスの質の高いプレーをも有する。球際の競り合い、ハードワーク、切り替えの早さ、集中力など、あらゆるプレーにおいて磐田が柏を凌駕した妥当な勝利で、柏からすれば自分たちがこれまでの9試合で忠実に実行してきたことを、見事磐田にやられてしまったという感じだろう。
逆に、柏はひとつひとつのプレーにおいて判断が悪く、対応に後手を踏む場面が度々見受けられた。試合の流れで見れば、前半終了間際の場面が勝敗の行方を左右したのはネルシーニョ監督も認めるところだが、試合後、菅野孝憲は「気の緩み」を敗因のひとつに挙げている。
もちろん選手たちは決して油断していたわけではないだろう。しかし、個々に生じたほんのわずかな隙が、これまでの試合でできていたハードワークや球際の激しさを若干鈍らせ、こういう結果を招いたのは十分に考えられる。「良い教訓になった。今後に生かすべき」とはネルシーニョ監督の言葉である。それは選手のみならず、こうして記事を書く筆者もしっかりと受け止め、自らの肝に銘じたい。

以上


2011.06.16 Reported by 鈴木潤
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