サッカー選手は体が資本。走り、蹴り、飛び、相手と激しく競り合うピッチ上のプレーを考えれば、常にその調子に気を配り、それを整えておかなくてはなりません。それだけに、日々の食事はとても大切なもの。エネルギー補給や疲労回復のためのしっかりした栄養摂取は選手たちにとって重要な仕事のひとつでもあります。
とは言え、単に栄養ある食べ物を体に入れるだけではきっと十分でないはず。本当にリラックスできる雰囲気の中でおいしさを楽しみながら食べ、栄養と同時に気持ち的な充足感も得てこそ、本当の意味で体を整える食事と呼べるのではないでしょうか─。
そう考えると、やはり『くたくた』は、徳島の選手たちにとってなくてはならない存在と言えます。
『くたくた』とはTSV(徳島スポーツビレッジ/チームの練習場)から程近い場所にある1軒の珈琲専門店。自慢の味わい深い珈琲と料理でお客様をもてなしているお店ですが、その『くたくた』が以前から徳島の選手たちに大人気なのです。料理がおいしいのはもちろん、わがままなメニューリクエストにも応えてくれるとあって、かなりの頻度で選手たちが通っています。ちなみにそうした選手たちのリクエストから「カズキさん・スペシャル」(倉貫一毅選手が『くたくた』に初めて来店した選手とのこと)や「(キム・)ジョンミン・スペシャル」なるメニューが生まれたほどで(※一般のお客さんも食べられる機会あり)。
さらにこの『くたくた』は、ブラジル人選手たちのために、珈琲専門店の枠をはるかに飛び越え、なんとブラジル料理にも対応! しかも素材をわざわざブラジルから取り寄せたり、それぞれのこだわりに応えて料理の焼き方を変えてくれたりと、彼らの食をハンパなくサポートしているのです。それがドウグラス選手やエリゼウ選手の徳島での生活を支える素のひとつになっているのはきっと間違いないでしょう。
そして、そうした料理だけでなく、店内に満ちたほっこり落ち着ける雰囲気も選手たちが惹かれている大きな部分のように思われます。気持ちをニュートラルにして心地よく過ごせるムードだからこそ、厳しいトレーニングを離れた時間に立ち寄りたくなるのでしょう。訪れればお腹とともに気持ちも満たされる場所だと感じているから。
それについては実際にマスターも常に気遣いをしているようで、「親しく話させてはもらっても、いい意味できちんと一線を引くようにしています」とのこと。選手たちのプライベートな時間をしっかり守って気持ちよく居てもらおうとする素敵な姿勢で対応されています。
お店の名前を『くたくた』に決めた理由のひとつは「くたくたに疲れている人が元気になれるようなお店にしたい」というものだったそうですが、まさにその由来通り。徳島の選手たちは体と心両方の栄養をここで補給し自分自身を整えて、日々の厳しいトレーニングに励み、激しいリーグを戦っているのです。
最後にマスターご夫婦の一言を。
「野菜を多めに盛るとか選手たちの体のことを想ってするけれど、僕らはやっぱりサポーター。そしてサポーターのみんなでもっともっと周りを盛り上げていけば、それがクラブのJ1昇格に繋がっていくと思います。今季は間違いなく何かが違う! きっとやってくれますよ!」
以上
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2011.06.16 Reported by 松下英樹















