スカパー!生中継 Ch308 後06:55〜
☆豪華賞品が当たる!totoリーグに投票しよう!
----------
一時は上位進出すら難しいと思わせるような惨状に見舞われていたチームが、急激な進化を始めている。続出する負傷者と国内外の大会を掛け持ちする過密日程の中で消耗する一方だった名古屋は、その2つの要因が解消されたことで一気に上昇気流に乗った。まるで攻撃の型を作れなかった序盤戦が嘘のような魅力的な攻撃を展開し、リーグ3連勝で10得点の爆発ぶりである。劇的にチームを変えたストイコビッチ監督の手腕も驚きだが、それに応える選手たちのレスポンスも大したもの。1試合少ない現状での7位という成績は、十分に上位を伺えるポジションとなってきた。
前節新潟戦では正確なポジショニングに裏付けられた攻撃の流動性と連動性が際立ち、守備面にも良い影響を与えていた。今季序盤の名古屋は攻撃がうまくいかないがゆえにバックパスが目立ち、そこからの動き出しも少ないためにDFラインは常に相手FWのチェックにさらされていた。しかし現在は攻撃の時間が長く、また流動性が高まったことでDFラインの選手がボールを触る機会が減り、守備に向けるエネルギーを確保できている。前節の新潟戦でも、増川隆洋が次のように語っていた。
「チームの動きが全然違いますね。後ろから見ていてもパスを出しやすい。僕らのところは必要な時だけ使ってくれれば、あとは散らすだけ。前の選手が自由にボールを持ってる方が、相手も下がってくれるし、やりやすさをすごく感じます」。
他にも「攻守両面でチームが機能し全員で戦えている」(玉田圭司)、「パスのスピードが上がり、前線でのスペースも作りやすくなった」(ケネディ)、「守備面ではトップからDFラインまでコンパクトに戦えている」(田中隼磨)など、選手たちは組織面での改善に手応えを感じている様子だ。優勝を勝ち取った昨季は個の力が目立っていたチームだが、現在のチームはそこからもう一歩前へと進んだ感がある。
そこで迎える大宮戦は、この組織力がものを言うことになる。中2日という厳しい連戦において、体力的な部分をフルに求めるのは難しい。新潟戦の後半は体力をセーブして戦う余裕も見せた名古屋だが、それでも休養期間は十分ではないだろう。ならば考えることはひとつ、効率よく戦うことである。効率よく戦うために必要なのは、11人の共通意識と連動性、そして高い決定力だ。どれも名古屋が前節見せたものであり、ベースにあったのは組織力の高さである。試合を支配し、先制点を奪う。その後は展開をコントロールし、相手の反撃の力を利用して追加点を狙う。すべては11人の連係によって生まれるものである。
また、中2日という日程がプラスに働く部分もあると思われる。メンタル面である。前節で大宮は川崎Fに0−5という大敗を喫している。5失点という数字はそう簡単に切り替えられるものではない。特に守備陣は修正点を整理するにも時間が足りないと感じていることだろう。得点を奪えなかった攻撃陣も同様に、時間のなさが迷いを生むことは十分に考えられる。逆に完勝といえる内容で新潟を下した名古屋は、良いイメージを強く持ったまま試合に入ることができるはず。2戦連続ホームで戦えることも考えれば、試合前のアドバンテージを握っているのは名古屋の方だ。
試合の展開を予想すれば、大宮は守備を固めてラファエルと李天秀のカウンターに活路を見出してくるだろう。彼らのスピードと決定力、さらにはチャンスメーク力を甘く見るチームはJ1にはない。しかし同じくカウンターを狙い、実際に良い形も作っていた新潟を無失点に抑えた名古屋が相手となると、一筋縄ではいかないだろう。自陣に引きこもったところで、ビルドアップからの攻撃に破壊力を増した相手に決定機を作られることは間違いない。名古屋はそこで得点を奪えるか否かが大きなポイントとなる。攻めても攻めても得点が取れずに「攻め疲れ」してしまえば、大宮のカウンターの思うつぼだからだ。名古屋が攻めきるか、大宮が我慢しきるか。どちらの思惑がかなうか、注目である。
勝って4連勝となれば、名古屋は最大で4位にまで順位がジャンプアップする。5月終了時点では11位と低迷していた王者は、6月を反攻の足掛かりとするつもりだ。翌週にはC大阪、浦和という難敵との連戦が待っていることを考えても、この一戦は負けられない。
以上
2011.06.17 Reported by 今井雄一朗















