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懸案だった「2−0からの後半」(中村憲剛)を無失点で乗り切り、さらに3点を追加した大宮戦は、川崎Fにとっては実り多き試合となった。
例えば先制点を奪った田坂祐介は、ケガの影響もあり思うように試合出場数を伸ばしてこられなかった中での先発フル出場であり、攻守にわたりチームを支える働きを見せた。負傷欠場した中村憲剛の穴を埋め、川崎Fの2点目となった井川祐輔と共に今季初ゴールを記録する。ちなみに田坂にとってのこのゴールは、キャリア初のダイビングヘッドでの得点だった。プロとしてのキャリア初の経験という観点で言えば、柴崎晃誠にとって5−0という大差での勝利がまさにそうで「(攻守に渡って)集中していたし、5−0での大勝を自信につなげて次に向かいたい」と述べていた。今季初めての大量5得点。そのすべてが別の選手のゴールであることにも意味が見いだせるであろう。つまりどこからでも点が取れるという事は、広島にしてみれば対策の的を絞りにくいという点で意味がある。
5−0と大量リードで終われた試合後、相馬直樹監督は「今シーズン初めてといっていいくらい、安心してみていられたゲーム。そういう形で終われて嬉しいと共にほっとしています」と安堵感を口にした。TVで見ていた中村が「2−0からの後半」を気にかけていたのは、鹿島戦やC大阪戦という苦い前例があるためで、だからこそ3点目を奪った小林悠のゴールが意味を持っていた。
その小林は、大宮戦でのゴールによりシーズンの目標にしていた8得点に肉薄する5得点目をマーク。「シーズン前に目標としてみんなの前で5点という数字を上げたんですが、稲本さんから『少ないやろ』と言われて8点にしました」と目標ゴールの決定過程を口にするが、つまり視点を変えれば、自己評価として当初掲げていた今季の目標に早くも到達した形となる。ちなみにその小林の得点感覚については田坂から「研ぎ澄まされてきているところはあると思います」との言葉が出ていた。これは余談だが、川崎Fサポーターは5得点した時点で小林に個人コールを贈ることを決めており、この広島戦がそのお披露目の試合となる。
中2日での試合であるという視点からこの広島戦を見た場合、コンディションをどう維持するのかがポイントの一つとなる。そういう意味で相馬監督は、大宮戦の71分の矢島卓郎の4点目の後から選手交代を始めている。これは選手を休ませ、新しい組み合わせを試すためのもので勝点3を手にすると同時に次に繋げる意味を持つものだった。そうした状況に、負傷していた中村の回復状況が絡んでくる訳で、どのようなメンバーを組んでくるのか、相馬監督の判断が注目点の一つとなるであろう。
このような状況で川崎Fがホームに迎える広島は、勝点19の3位に付ける強豪である。川崎Fが勝点17の5位であり、この直接対決は今節のJ1の注目カードの一つであろう。広島は日本代表の李忠成を中心とした攻撃陣を豊富な運動量を誇る中盤が支え、しっかりとした守備ブロックは堅固である。また相手に攻めさせる事で相手チームの重心を前目にかけさせておきながら、手薄な相手守備陣の背後を突く正確なフィードが出せることもあり、局面を瞬時に変える手段も持っている。そしてそれは今季の川崎Fが何度となくピンチに陥ってきた形でもある。
川崎Fにしてみれば分厚くかつ気分よく攻めた後の、攻守の切り替え、すなわち守備への切り替えがポイントとなりそうだ。さらに言うと、それを続けなければ失点を覚悟しなければならない試合となるだろう。
そんな広島の印象を選手に聞いたところ小林はサイド攻撃の強さを上げていた。ミキッチ、服部公太といった両サイドからの崩しや、李忠成、ムジリ、そして過去の川崎F戦の実績で言えば文句のない佐藤寿人といった選手たちの連動した動きをどこまで押さえ込めるのかが、試合を左右するポイントの一つになるだろう。
その一方で、小林は「フォアチェックも厳しいので行きにくいと思う」と述べて組織的な守備の浸透度に警戒感を示していた。そしてそうした相手だからこそ「FWからの守備がポイントになると思う」と自らの守備的な役割についても口にしていた。
川崎Fの選手たちは、大宮戦を振り返るときには明るい表情になっていたが、その一方で広島について語る表情には険しさを見せていた。そうしたチーム内の空気については、相馬監督のメンタルコントロールによる部分が大きい。相馬監督は大宮戦後の会見で「大勝の後は難しくなるということもありますので」と述べ、チーム内の気の緩みを戒める発言を残している。1得点に加え、セットプレーでも良質のボールを蹴り続けていた田坂もそうした指揮官の考えを心に刻み込んでいるようで、浮かれていてもおかしくはない大宮戦後にはすでに「喜ぶのは今日だけにして、すぐに切り替えます」と話すほどだった。大きな好材料を手にする一方で、メンタル的には広島へと切り替えていた大宮戦後の選手たちが印象的だった。
さて、この広島戦は、川崎Fにとって今季初めてとなる大勝後の試合である。気の緩みはないとは思うが、もし仮に相手を少しでも侮るような部分があれば手痛い反撃を受けかねない。だからこそ、試合には気を引き締めて臨んで欲しいところである。前節の大宮戦では、今季初のアウェイの勝利を、新装以来勝ちのなかったNACK5スタジアムで収めている。その勢いをこの広島戦につなげることができるかどうか。
「この試合の後に、アウェイの2連戦になる。いい流れで行くためにも重要な試合になる」と語り、稲本潤一はこの試合の重要性を口にする。多くの「初モノ」を手にした大宮戦に続き、この広島戦では今季初の連勝がかかる。上位陣に肉薄するためにも。そしてこの試合に続くアウェイ2連戦につなげるためにも、川崎Fにとっては大きな意味を持つ試合となりそうだ。
以上
2011.06.17 Reported by 江藤高志















