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前節・アウェイの徳島戦で、アディショナルタイムのゴールで引き分けに持ち込んだ岡山と、前節・ホームの富山戦で3-0の完勝を果たした水戸。どちらも勢いに乗って臨む今節のゲームは、力と力のぶつかり合いとなる。それも、チームスタイルから言ってハードな内容となることは間違いない。
今季10試合を終え、岡山は3勝3分4敗の14位、水戸は3勝4分3敗の11位という成績だ。ともに6月に入ってグッドニュースがあった。岡山は28万4673人の署名を集めて動いた専用練習場の整備が正式に決定した。水戸は元日本代表FW鈴木隆行選手の加入が決定。公式戦出場は7月中旬以降となるが、アマチュア契約、つまり無報酬でプレーする鈴木の存在は、若手選手が主軸を占めるチームに計り知れないほど大きな力を与えているだろう。
ほかにも岡山と水戸には共通点がある。それは今季5点差で敗れたゲームがあること。そして最近の3−0の完封勝利で自信をつけていること。岡山・影山雅永監督はこう話す。「一言でいうと『嫌な相手』。ギリギリまで自分たちを追い込めるチームで、しかも勢いに乗ってくる」。また0-5で敗れた鳥栖戦を境に、力を上げていることにも言及した。
水戸は前節、富山の3バックに対し、効果的なサイドアタックを仕掛けた。サイドハーフの小池純輝、島田祐輝らがスピードを生かし、複数の選手が絡んで前にボールを運び、攻撃的なサイドバック岡田佑樹、保崎淳が存在感を出した。得点したのは、小池、島田と、「荒田２世」の呼び声高いストライカー・神村奨。
岡山と富山の３バックの形態は異なるが、「もちろんサイドを狙われるシーンはあると思う。最終ラインが引っ張り出されることも」とケアする岡山の最終ライン・近藤徹志。現在は前に強いストッパー３人が並ぶ岡山の最終ラインだが、第15節・北九州戦では、相手のサイドバックが高い位置に来る中で、ウイングバックと連係しながら危なげなく守った。「誰が掴むのか、誰がボールに行くのかを明確にしてプレー出来ている」と澤口雅彦。また千明聖典と金民均のボランチもバランスがとれており、攻撃面の貢献度の高い金が身体の強さを生かして穴埋めするシーンも増えている。
先に守備的なことに触れたが、あくまで岡山は自分たちのゲームを行うのだ。「徳島戦は諦めない姿勢が勝ち取った貴重な勝点１。今回もホームの熱いサポートを受けて自分たちのゲームで勝ちたい」と影山監督。「思いきって行く。ゴール前では迷わない」と岸田裕樹。「相手陣内でビルドアップできるかで崩し方が変わってくる」と臼井仁志。また前節、劇的なゴールを決めた小林優希、澤口のコンディションの良さも好材料となっている。
クレバーな水戸・柱谷哲二監督が、今節も「3バック＝サイドアタックが有効」と考えているはずがない。岡山に対してどういう仕掛けでくるか、足が攣るまで自ら追い込む選手をどう導くか。そして岡山も３バックに固執しているわけではない。ホームの威勢を誇る岡山の負けられない一戦。終了のホイッスルとともに両チームの選手が芝に倒れ込むことになるかもしれないが、一瞬たりとも目の離せないゲームになることは間違いない。
以上
2011.06.18 Reported by 尾原千明
