今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第16節 川崎F vs 広島】レポート:チームコンディションの差がそのまま試合結果に。川崎Fが2試合連続の完封勝利を飾る。(11.06.19)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
6月18日(土) 2011 J1リーグ戦 第16節
川崎F 2 - 0 広島 (19:05/等々力/13,605人)
得点者:35' 矢島卓郎(川崎F)、58' 菊地光将(川崎F)
スカパー!再放送 Ch181 6/21(火)後09:00〜
豪華賞品が当たる!totoリーグに投票しよう!
----------
前節と同じメンバーで臨めていた川崎Fに比べ、4選手を入れ替えざるを得なかった広島にとって苦しい試合だったのは間違いない。

川崎Fは、前節の大宮とのアウェイゲームを終止リードする形で乗り切り、後半途中からは中2日で行われるこの広島戦を見据えた選手交代まで行っている。

一方の広島は、この連戦をアウェイの新潟でスタートさせ、その新潟までの移動を経て前節のホームでの浦和戦を戦っていた。この浦和戦は0−0の緊迫した試合となっており、結果的にコンディション的に難しい選手が複数出てきていたという。それが先発メンバーの入れ替えに繋がり、それが難しい試合につながる事となる。そもそも森崎浩司をトップ下で先発させ、経験の少ない石川大徳を右ウィングバックで起用するこの布陣は、キャンプはもちろん、練習でも試したことのないものだったという。それでもこのメンバーで試合をスタートさせたペトロヴィッチ監督の考えは、体力的に落ちている選手を休ませ、前半を0−0で乗り切りたいというものだったのだろう。その点について佐藤寿人は「先に点を与えたくなかった。0でいっていれば相手もバランスを崩してきたと思うので、前半は0-0で終わりたかった」と述べている。いずれにしても、広島とすれば我慢する展開で前半を0−0で折り返す事を目指していたのだと考えて間違いはなさそうである。

守備に重心を置く広島に対し、川崎Fは一方的に攻勢に出る。その中で54分間の出場時間を与えられながらシュート0に終わったFWの小林悠は、広島について「難しい試合でした。パス回しがうまくて守備で相手をはめにくかった。プレスに行っても下げられてしまいました」と述べ、広島のボールの捌き方のうまさについて言及する。しかしその一方で、稲本潤一は「FWの二人も含めた11人がしっかりとした守備が出来ていると思う」と述べ無失点で終われた試合でのFWの選手の献身的な守備の効果について口にしている。同じように井川祐輔も「前の選手、中盤が頑張っている。ボクたちは限定されたパスを狙うだけ。完封できているのは、前のおかげです」と述べ、チーム全体が連動した動きをすることにより、攻守が噛み合っているのだと話している。

いずれにしても、川崎Fは前半の広島をシュート0に抑え攻撃の糸口を掴ませなかった。ただし攻撃ができなかった広島は、割りきって守備に入っていたこともありバイタルエリアに分厚い守備ブロックを作り、川崎Fの攻撃陣の侵入を拒んでいた。小林悠がシュートを打てないのも仕方ないという展開の中、川崎Fがワンチャンスをものにする。

前半35分。柴崎晃誠からのパスを受けた小宮山尊信は、これをダイレクトで蹴り、ゴール前にクロスを入れる。そのクロスについて小宮山は「いつも(矢島から)ダイレでくれと言われているので。そこが狙い目だとも言われていました」と振り返る。つまりダイレクトで狙ってニアサイドにクロスを入れているのである。これに対し、指示通りに入ってきたクロスボールを技巧的に右足のアウトサイドで合わせた矢島のシュートが先制点となるゴールネットを揺らすこととなった。

勝利のために、まずは1点が必要な広島は、後半の頭から石川に代えてミキッチを投入し、攻撃面でのテコ入れを図る。前半のシュートが0本だった事を考えれば、それは当然の采配であろう。そして広島は息を吹き返す。一方的に押し込まれていた川崎Fを押し返し、らしいパスワークを見せ始めるのである。

守勢に立たされた川崎Fは、その広島の前への圧力にも守備を崩壊させることもなく、試合をコントロール。決定的な場面を作らせることがなかった。そんな中、川崎Fが追加点を決める。58分の菊地光将のゴールの場面である。

これはその菊地自身が川崎F陣内で相手ボールをカットしたところから始まる得点で、奪ったボールを預けると、そのまま猛然と前方に広がるスペースに飛び出して80mはあろうかというフリーランニングを敢行するのである。絶妙なクロスボールを入れた矢島はゴール前に走りこんだジュニーニョは認識していたが、その裏に走りこんでいたのが菊地だったとは思っていなかったのだという。

いずれにしても、思い切りの良いポジションブレイクにより追加点を奪った川崎Fは、広島の反撃をしのぎ続け、2試合連続の完封勝利を果たす。今季10試合で13失点を喫してきた川崎Fにしてみれば、これは大きな意味のある勝利だった。2試合連続無失点での勝利に貢献した安藤駿介は「そもそも枠内シュートが少なかったので」と謙遜するが、その安藤を中心とした守備陣の頑張りが、無失点試合につながったのは間違いない。ちなみにその安藤は、19日の試合当日に五輪予選を戦うU22日本代表チームに合流し、そのままクウェートに移動。当地でのクウェート戦に帯同し、25日に帰国。その際に必要であれば、そのままアウェイの鹿島での戦いを待つチームに合流する可能性があるという。強行軍だが「やれと言われればやります」と力強く宣言してくれた。

試合後の川崎Fの選手は例えば小宮山が「戦いやすかったです。手応えを感じてやってきている。やってて楽しいですね」と話すなど、相馬監督のサッカーがチームに浸透しつつあるのだと感じさせるものがあった。

対する広島は、いいところ無く試合を終えており、次の試合に向けて気持ちを切り替える必要に迫られている。「リーグ戦なので負けることもあるので、引き摺らないようにして次はホームなので自分たちのサッカーをして勝ちたいです」と話す佐藤の考えを、チーム内にいかに浸透させるのかが問われる事となりそうだ。

以上

2011.06.19 Reported by 江藤高志
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/15(月) 00:00 ハイライト:FC大阪vs宮崎【J2昇格プレーオフ 決勝】