6月29日(水) 2011 J2リーグ戦 第2節
千葉 2 - 0 湘南 (19:04/フクアリ/9,228人)
得点者:38' 深井正樹(千葉)、57' 佐藤勇人(千葉)
スカパー!再放送 Ch185 6/30(木)後01:00〜
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2試合連続で追いつかれて引き分けた千葉。無得点&10失点での3連敗の湘南。悪い流れを断ち切って上昇のきっかけをつかみたい両チームは、最後に対戦した1999年ではJ1残留を争った。今季はJ1昇格争いのライバルだが、今節では千葉がライバルに勝った。
千葉は、前節は出場停止だったFWオーロイがスタメンに復帰。一方、湘南は出場停止のMFハン グギョンの代わりのMF松尾直人をアンカーで起用し、最近の4−4−2システムから「4−1−4−1のような形」(千葉のドワイト監督)に変えて臨んだ。連戦による選手のコンディションを考慮してのスタメン&ポジション変更に加え、千葉のオーロイにロングボールが入ったあとのセカンドボールのケアをして、中盤で主導権を握るための策と思われる。
湘南の守備への意識の高さは序盤では奏功していた。千葉がゴール前に攻め込んでシュートを打っていても、決定的なチャンスはほとんどなかったからだ。だが、千葉のMF佐藤勇人の動きがそんな状況を次第に変え、勝機を手繰り寄せた。
今季、今節までにも佐藤勇がこぼれ球を拾ったり、ペナルティーエリアの前まで行ったりしてシュートを打つことはあった。だが、今節の佐藤勇は2分のボレーシュートを皮切りに、果敢にゴール前まで進出してゴールを狙った。そういったプレーが持ち味の佐藤勇だが、今季の千葉は組織的なソーン守備がベースということもあり、ボランチの選手が守備のリスクを冒してまで攻撃に出るのは難しかった。逆に言えば、チームの守備に不安がなければ、佐藤勇は攻撃で前に出て行けるのだ。
湘南は、ピッチの真ん中あたりまでは千葉のプレスにかからないパス回しができている場面もあった。だが、そこから先のゴール前では、前線の選手の動きの幅&人数が少ない分、パスの選択肢が少なく、千葉の守備網に引っ掛かりやすかった。もっと思い切りよく前線に飛び出す選手が多ければ、千葉の守備の組織に綻びを作ることができたかもしれない。
佐藤勇にしてみれば「アジエルのワンツーは(京都で一緒にプレーしていた)ディエゴに似ていたので読みやすかった」のもあり、高い位置に出て湘南のパスをカットできた。38分の先制点は佐藤勇の粘り強い守備で湘南に大きくボールをクリアさせなかったところから生まれた。湘南としてはその点に加え、MF米倉恒貴のシュートを湘南のGK西部洋平がセーブしたものの、こぼれ球にいち早くFW深井正樹に反応されたのが痛かった。
千葉は後半からオーロイに代わってFW久保裕一が入ると攻撃での流動性がより高まり、前半よりもパスが回るようになった。ボールを失っても自分たちの守備や湘南のミスですぐにボールを奪い返せるから、それだけ佐藤勇が前に出て行ける。57分の佐藤勇の今季初ゴールでもあった千葉の追加点は、選手の流動性の高い連係プレーによるものだった。
前半に1失点、後半に1失点した湘南だが、前半の守備は悪くはなかった。だが、今季の序盤に見られた湘南の堅守は、しっかりと攻めきって相手を押し込んでいたことに負うところも大きかったように思う。連敗が続くとまず失点を恐れて守備が先行しがちだが、湘南の持ち味のダイナミックな攻撃の復活が守備に好影響を与えるのではないだろうか。
千葉はロングボール主体の攻撃に加え、選手が流動的にパスをつなぐ攻撃も形になってきた。こういった攻撃がアウェイゲームでも、そしてどんな相手にでもできるようにレベルアップできれば、そして今日のように守備のイージーミスが減れば、J1昇格に近づける。
以上
2011.06.30 Reported by 赤沼圭子













