6月29日(水) 2011 J2リーグ戦 第2節
岡山 0 - 2 F東京 (19:33/カンスタ/8,403人)
得点者:40' 森重真人(F東京)、75' 高橋秀人(F東京)
スカパー!再放送 Ch183 6/30(木)後06:00〜
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勝者のセオリーを知るチームが勝ち、チャレンジャーたるチームは、磨ききれない粗さを部分的に出して敗れた。しかし一時、どちらが勝者になるかは、予測できない展開だった。
立ち上がりはホーム・岡山が、過去2試合に足りなかった積極的に仕掛ける姿勢を見せた。FWチアゴを出場停止で欠き、前線には金民均、岸田裕樹、石原崇兆の3人が「0トップの気持ちで」(金)、流動的に走りまくった。開始早々、右ウィングバック澤口雅彦から金への絶好のクロスを皮切りに、岸田のシュート、CKから澤口のヘディングなど、前半は何度もゴールに近づく。しかし金からのパスを受けた岸田のシュートを止めたGK塩田仁史の前半11分の好セーブに、このゲームでゴールを割ることの難しさを感じ始めたことも事実だ。
F東京は最終ラインを高く保ち、ほぼ岡山陣内でプレーできた。しかしペナルティーエリア内に持ち込んだボールは、岡山の集中した守備にクリアされ、安易にボールを奪われる回数も多かった。人数をかけ細かくつないでも、効率の上がらない攻撃、そう見えた。しかし前半40分、セットプレーからセンターバック森重真人が谷澤達也のセンタリングを頭で決めて先制。岡山にとっては、決して許してはならない失点だった。
前半終了間際、岡山は岸田に代えて久木田紳吾を投入。追いつきたい岡山と追加点の欲しいF東京、ともに終了まで攻撃カードだけを使い切ったが、F東京は、石川直宏についで鈴木達也が入った後半29分以降、狙いが明確になり始めた。岡山のカウンター対策としてスペースを埋めながら、石川、鈴木が前で動いて高い位置からプレッシャーを掛け続ける。そして後半30分、スローインからの岡山の対応の遅れを突いて、羽生直剛からのパスを鈴木がマイナスのボールで高橋秀人に合わせ、「芯を捉えることだけ考えて無心になっていた」という高橋が追加点を決めた。
攻撃面では最後まで視野が狭まりがちで、F東京ファン・サポーターにとってはストレスのあるゲームだったが、こうして勝点3を得て、4連勝を挙げた。試合後の「それはもうJ2甘くないんで」という高橋の言葉は、もう何度もF東京選手の口から出ているものかもしれないが、最後まで無失点に抑える守備は強豪らしい手堅さだった。
「結局のところ、詰めが甘かったと思う」と言うのは、このゲームで再三好機を演出した澤口だ。しかし岡山にはひとつ、輝かしい収穫がある。それはスピードのある前線が機能したことだ。前半の早い時間に個人でキープして仕掛けた石原、イメージの共有を感じさせる岸田、金の連係が何度もあった。後半には久木田が加わり、彼らルーキーたちが繰り出す流動性、半端ない距離をチームのために走る姿は今後への期待を膨らませた。
J2全体がそろそろ第2幕に突入した印象だ。F東京は、あの手この手で挑んでくる相手に対しても勝つ手段を見出した。これからはさらに自分たちらしいやり方を出して、強くならなければいけない。岡山はチアゴがいてもいなくても、得点する手段と精度を自分のものにする必要がある。
以上
2011.06.30 Reported by 尾原千明













