6月29日(水) 2011 J2リーグ戦 第2節
富山 0 - 2 徳島 (19:04/富山/1,716人)
得点者:30' 島村毅(徳島)、71' 衛藤裕(徳島)
スカパー!再放送 Ch182 6/30(木)後01:30〜
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終了のホイッスルを聞き、富山の選手は全員ががっくりと両手をひざに落とした。中2日で挑んだホームゲームに敗れて9戦未勝利。肉体的、精神的な疲れを思えばピッチに倒れ込みたかったに違いない。それでもすぐに視線を上げ、観客から厳しい言葉を浴びながら場内をまわった。悔しさに流されずに振る舞うことがプロサッカー選手としての矜持なのだろう。リーグ戦は続く。次は中3日で首位・千葉との戦い(7/3@富山)が待っている。
富山は開始から勢いよく飛び出した。徳島という上位チームから勝機を見い出すためには力をセーブして入るという選択肢はなかった。前線からの連動したプレスが利き、徳島はパスの出しどころを失った。攻守の切り替えが早く、中盤のサイドでのパス交換も小気味よかった。7分にMF平出涼からのロングフィードでFW苔口卓也が抜け出して相手DFと競り合いながらシュートを放つがゴール上に外れた。13分には左から早いタイミングでMF谷田悠介がクロス、ファーに走っていたFW黒部光昭が折り返してMF大西容平が狙ったがシュートは右にそれた。
しかし、徳島が自分たちのペースをつかむのは早かった。15分過ぎにはMF倉貫一毅を中心に落ち着いてパスを回すようになる。先制パンチを狙った富山をいなしながら、両サイドバックが効果的な攻撃参加を見せて好機を増やしていった。そして30分に先制点を挙げる。左CKのこぼれ球を拾って再び左からMF衛藤裕がセンタリングし、エリア内で待っていたDF島村毅が頭で合わせてゴールネットを揺らした。島村の先制弾は2試合連続。
富山は課題としているセットプレーから再び失点。ゴール前に多くの選手がいたにもかかわらず、防ぐことができなかった。セットプレーは長身選手がそろう徳島の武器。直後のFKをはじめ、その後もセットプレーからゴールを脅かし続けた。富山のDF池端陽介は「(ヘディングの強い)自分とクロさん(黒部)を避けるようにして相手がキックを入れている感じはした」と言う。スカウティングも念入りだったと思われる。弱みと強みがかみ合ってしまった。
後半は暑さと連戦疲れからスペースが生まれ、両チームが攻め合う展開になった。富山はがむしゃらさを失わずに前線の選手が相手最終ラインにプレッシャーをかけるが、徳島は慌てなかった。疲労がピークに達しようとする時間帯にFW津田知宏、MF柿谷曜一朗がドリブルでの仕掛けを交えるようになり攻勢を強める。同26分、左サイドから柿谷が切り込み、FWドウグラスが流して倉貫から再び柿谷へ。最後は衛藤に渡って中央から2点目が突き刺さった。その後はそつなくゲームを進めて無失点で終え、5位から4位へと順位を上げた。次節は中2日でアウェイ横浜FC戦(7/2@ニッパ球)。敵地に直行して今季2度目の3連勝を狙う。
富山は試合後、安間貴義監督がゴール裏のサポーターにチームの取り組みへの理解を呼び掛けた。「きょうの応援に感謝しています。結果で判断する人なら何をやっているんだと苛立つのは当然です。しかし目先の偶然の勝利よりも、勝ち続けられるチームになりたいと思って取り組んでいます。選手は精いっぱい練習して真剣にプレーし、それでも勝てない悔しさを噛みしめています。これだけは譲れない真実です。まだ力不足ですが、みなさんの期待に応えるために努力しています。選手への敬意を忘れないでください。そして、選手たちの姿にぜひ目を凝らしてください」。スタンドから「オレは信じているぞ」との声が上がった。
富山はこの日、Jリーグ100試合目を迎えた。まだ歩き始めたばかりだ。3年目のリーグ戦も本当の勝負はこれから。7月は上位との対戦が続く。クラブに対して当事者意識を持つ者すべての胆力が試される。
以上
2011.06.30 Reported by 赤壁逸朗













