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【J1:第5節 清水 vs 新潟】レポート:新潟が本来のサッカーを見せ、本当に苦しかった一戦。被災地の子供たちを想う高原の劇的ゴールで、清水が今季初の逆転勝ち(11.07.17)

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7月16日(土) 2011 J1リーグ戦 第5節
清水 2 - 1 新潟 (18:35/アウスタ/13,599人)
得点者:5' 石川直樹(新潟)、57' 小野伸二(清水)、90' 高原直泰(清水)
スカパー!再放送 Ch183 7/17(日)後00:30〜
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昔のプロ野球で有名な言葉を借りれば、清水サポーターにとってはまさに“神様、仏様、高原様”。疲労困憊の高原直泰が、それほど素晴らしい働きができた背景には、被災地の子供たちへの熱い想いがあった。

水曜日の仙台戦から中2日、木曜日にはゴトビ監督、高原直泰、小野伸二らが被災地(岩手県山田町)を訪問したこともあって、この試合に向けての練習は1回だけ。まさにぶっつけ本番となった清水は、ドイスボランチ以下の後方7人は仙台戦と同じ形。前の4人は2人変更して、高原と小林大悟を先発に戻し、大前元紀はベンチスタート。アレックスがいつもの左サイドではなく右に入り、小林が左FWに入るという布陣で試合に臨んだ。
一方、前節アウェイで鹿島に逆転勝ちし、1週間のインターバルでコンディションを整えてきた新潟は、メンバーも1人変えただけ(小林慶行→木暮郁哉)で、立ち上がりから出足と運動量で清水を上回った。
そして立ち上がりから清水を押し込む場面を作り、開始5分に田中亜土夢の右CKから石川直樹が頭で決めて、早々に先制点を奪うことに成功する。この試合、CKではゾーンで守る清水に対して、新潟はそのゾーンの外側にボールを入れる形を狙い続けていた。先制点の場面も、ファーサイドでフリーになっていた菊地直哉に正確なボールが入り、頭で折り返したボールを石川がうまくコースを変えてゴールネットを揺らしたもの。その後のセットプレーでも、新潟はきわどいシーンを作り、流れの中からのクロスでも中央の高い壁を避けてニアやファーを狙うなど、清水を研究した成果を見せていた。

また先制した後も、新潟らしい前線からのプレスがいつも以上に機能し、清水の守備陣に厳しくプレッシャーをかけていく。それに対して清水のほうは、元々中盤の選手である枝村匠馬と山本真希がボランチを務めたため、前回のホームゲーム・鹿島戦に比べれば、ボランチ経由のビルドアップができていたが、いかんせんイージーミスが多すぎた。
そのため、危険な位置でボールを奪われて新潟のカウンターを受ける場面が多くなり、今回も徐々にバックパスが多くなっていき、そのたびに清水サポーターからのブーイングも大きくなっていくという展開。シュートも遠めからの2本だけに終わった前半は、清水にとっては「2点、3点取られずに、1失点で前半を終われたことは大きかった」(小野)と言うしかない出来だった。
しかし後半は、精彩を欠く小林に代えて温存していた大前元紀を立ち上がりから入れ、後半8分頃には村松大輔と山本真のポジションを入れ替えて、村松がボランチ、山本真が右サイドバックという形に変更。サイドにパス回しの起点を置くと同時に、中盤でのボール奪取力を強化した。これらの変更によって、清水のリズムは攻守ともに少しずつ良くなっていったが、主導権を奪い返すには至らない。

そんな中での後半10分、試合の流れを一気に変えるプレーが生まれる。新潟がDFラインでボールを回している中で、センターバックの鈴木大輔が信じられないキックミスを犯してしまう。そのボールを奪った高原が、ペナルティエリア内にドリブルを仕掛け、慌てた鈴木のファウルを誘ってPKを獲得。この場面、高原自身も「ちょっと相手を誘った部分もあった」と認めたが、自らのミスでパニックに陥った21歳の鈴木が、ベテランの巧妙な罠から逃れることは難しかった。
このPKを小野が気持ちで押し込んで1-1の同点。さらに鈴木は一発レッドで退場となり、形成は完全に逆転した。ただ、10人になった新潟が粘り強く守りを固め、勢いづいた清水も簡単にゴールをこじ開けることはできない。清水がボールを支配しているが、ワンチャンスを生かせば新潟にも勝機があるという展開となった。
そのままジリジリと時計の針が進み、清水は今回も数的優位を生かせないかと思われた45分、大前の右CKから中央の高原がバックステップでマークを外し、渾身のヘッドを叩きつける。これがワンバウンドで見事にゴール右に決まり、ついに清水が勝ち越し点を奪って、今季初の逆転勝ちを決めた。

非常に悔しい敗戦となった新潟にとっては、後半10分までは思い描いた通りのサッカーができていたため、本当にあのPKさえなければ……という一戦。だが、それもサッカー。この試合の結果は早く忘れ、前半の内容だけはしっかり記憶して、それをリーグ後半戦につなげていくしかないだろう。
逆に清水にとっては、フィジカル的に非常に苦しい中でつかみ取った勝点3は、本当に大きな価値がある。神のような働きをした高原も、身体はかなり重く、球際の競り合いに負けるシーンは普段よりも明らかに多かった。だが、そんな中でも本当の勝負所で必要な力はしっかりと残しておき、最後に巡ってきたワンチャンスをきっちりと決める集中力・決定力には感服するしかない。プレビュー記事で書いた期待にも、本当にその通り、いやそれ以上の働きで応えてくれた。
優勝を狙うチームには、大事なところで試合を決められるストライカーの存在が必要不可欠だ。その意味でも、暫定6位に浮上した清水は、上位を追撃する資格を備えつつあると言える。

「厳しい環境でも本当に力強く生きている子ども達と接して、自分たちのプレーでみんなを喜ばせたいという気持ちが本当に強かった。疲れているから勝てないという言い訳は、絶対にしたくなかった」(高原)。その熱い言葉と、言葉通りの気持ちのこもったプレーは、逆境に立ち向かう被災地の子供たちに、どれだけ大きな勇気を与えたことだろうか。

■この試合のHOT BALLER:高原直泰(清水)

以上

2011.07.17 Reported by 前島芳雄
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