7月30日(土) 2011 J2リーグ戦 第23節
徳島 3 - 1 富山 (18:34/鳴門大塚/5,189人)
得点者:7' 衛藤裕(徳島)、68' 衛藤裕(徳島)、71' 津田知宏(徳島)、86' 黒部光昭(富山)
スカパー!再放送 Ch183 8/2(火)前07:00〜
☆totoリーグに投票しよう!|COOL5特集
----------
心配ご無用。そう言わんがばかりの戦いであった。好調であるが故の緩みが懸念材料と思われた今節の徳島だったが、ふたを開ければ高い集中は前節までと全く変わらず。選手たちはしっかりそれを継続して披露し、富山から1ヶ月前の2節(6/29)に続く勝利をもぎ取って見せた。
そして勝負を決定付けたのは、他でもなくその徳島の選手たちが維持した集中だったと言っていいのではないか。それから生み出した一瞬を突く鋭さでチームが富山を沈めたのは間違いない見方だろう。
事実、3つの得点シーンそれぞれを振り返ると、まずこの試合の行方に最も影響を与えた先制点は西嶋弘之と衛藤裕のコンビがバイタルエリアにできた小さな空白スペースを見逃さなかったところから。立ち上がり7分、サイドチェンジのボールを受けた西嶋がカットインのドリブルを開始した瞬間、対応した富山の2人がそこへ釣られると見るやその背後に入り込んでいた衛藤が素早く体の角度をゴールへ向ける。すると同じイメージを持っていたと分かる絶妙のタイミングで西嶋が2人の門を通す短いスルーパスを供給し、それを衛藤が叩き込んだのだ。
また、68分の2点目を決めたのもその衛藤であったが、このゴールは彼のいち早い落下点予測とそこへ向かうスタートダッシュによるものであった。柿谷曜一朗の入れた際どいクロスを富山DFが十分なクリアをし切れずボールがぽっかり空いたゴール正面上空へ浮き上がると、背番号17は併走するマーカーよりも一瞬早く判断とギアチェンジ。それによって一歩前を取ったままボールが落ちてくる先へ入り、高い技術でピシャリ捉えてネットを揺らした。
さらに続く3点目はディビッドソン 純マーカスと津田知宏。と、ここで先に触れておきたいのだが、この一戦において津田は前半から非常に苦労していた。富山の巧みなラインコントロールによって幾度となくオフサイドにかけられて持ち前の裏への飛び出しを活かせず、ほとんど動きを封じられていたと言えよう。しかし彼はそれでも常に狙い続けていた。僅かでも富山守備ラインのバランスがズレて背後に突けるギャップが生まれる時を─。そうして迎えた71分、ついにその時が訪れる。センターライン付近でフリーとなってボールを持ったディビッドソンがルックアップすると、右サイドへ張り出し富山守備ラインの崩れを見つけた津田は猛然と中央へ疾走し長いスルーパスを受け、そのまま持ち込んで冷静なフィニッシュを決めたのである。
こうして見ると、やはりどの得点の裏側にも徳島の選手たちの高い集中があった。それだけに、冒頭で述べた通り今節の徳島がそれをもってゴールを奪い、ゲームを制したのは紛れもない事実と言えよう。美濃部直彦監督が「選手たちは本当に謙虚に毎日のトレーニングに取り組んでくれています」と試合後会見で語っていたが、まさに今の徳島はその謙虚な姿勢こそが武器であり、そこから来るメンタルの充実が結果を手にし続けられているベースとなっている。
とは言え、先制後「少し受けて立つような展開になってしまった(衛藤)」ことでなかなか追加点が奪えなかったのは課題であるし、「もっとグラウンドを広く使えばもっと速い攻撃が出来たのではないか(柿谷)」という反省も。チームには現状に満足しないいっそうの謙虚さと向上心が求められるところだ。次節顔を合わせるのが今節FC東京を倒した北九州であることからもその重要性はより高まってくる。
対して富山についてだが、確かに先制されても崩れることなく反撃を見せた姿からは組織としての成長が感じられた。ただ、イージーミスを少なくない頻度で発生させていたこと、やや攻撃の狙い徹底を欠いたことなどは改善しなければせっかくの成長に良くない影響を与える。故郷に勇姿を示した黒部光昭が「この3-3-3-1というシステムの中で監督が理想として求めていることに対し、まだ選手たちが応えきれていないというのが現状」と話したが、これからも前を見据えて自分たちの問題克服に全力で取り組まなくては。そうすれば、備えるポテンシャルは疑いの余地なく大きいのだから、きっと望む結果を積み重ねられるようになるだろう。
■この試合のCOOL BALLER:衛藤裕(徳島)
以上
2011.07.31 Reported by 松下英樹















