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【J2:第24節 横浜FC vs 栃木】レポート:想定外への対応に前半苦慮する両チーム。ベンチワークの駆け引きを制した横浜FCが、魔法なしで逃げ切り勝ちを収める。(11.08.14)

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8月13日(土) 2011 J2リーグ戦 第24節
横浜FC 2 - 0 栃木 (18:03/ニッパ球/5,012人)
得点者:5' 難波宏明(横浜FC)、90'+1 カイオ(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch183 8/14(日)後02:00〜
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サッカーには、想定外の事態はつきものだ。それは、試合前にニッパツ三ツ沢球技場の中、あるいはスタジアムに向かう途中で、メンバー表を見たサポーターもそうかもしれない。選手登録が完了したフランサが、興行ビザへの変更手続きが予定と異なり前日までに完全には完了せずに、この試合のベンチ入りから外れることになった。「魔法」への期待は肩すかしを食らわされたが、仮にフランサがいなくても、横浜FCのサッカースタイルと栃木のサッカースタイルがどう対峙するのかという試合の駆け引きへの楽しみは変わらないはずだった。しかし、試合風景は5分の難波宏明のゴールで一変する。

この5分のゴールは、もちろん横浜FCのゲームプランから生まれたもの。「ブロックを崩さないチームなので、そのブロックを僕らがどう緩めるのか」(横浜FC・岸野靖之監督)というように栃木の精密な守備の網に穴を開けるためのプレーが功を奏したものだった。立ち上がりから裏のスペースに難波を走らせる。少しづつスペースを見つけ、そこに選手が入っていく。そうやってスペースに入っていった藤田優人にボールが入る。この場面は、栃木がタッチラインに逃れる。しかし、そのスローイン後のプレーで、難波が裏に抜け、さらにそのこぼれ球を野崎陽介が拾って切り込みクロスを上げると、ニアで難波がヘディングシュートを決める。栃木の網を破るキーマンによる先制点だった。

そして、このゴールによる「慣れない状況」が両チームの戦い方に影響を与え、それが相互に反応を起こすことで、ゲームは膠着状態に陥る。横浜FCは、特別なゲームプランというわけではないが、早々の得点により大事に行こうという意識が芽生えたのか、ボールを奪いに行くよりもボールを相手に持たせて待ち構える形になる。逆にボールを持たされた栃木は、ロボ不在ということも手伝ってビルドアップに苦慮する状況が続く。前半のシュート数はお互い3本であるが、両チームが狙いとする形とは真逆のサッカーをせざるを得ない状況が、前半の停滞をもたらした。

後半は、この停滞状況を打破する両チームのベンチワークの応酬となった。先に動いたのは栃木。50分に河原和寿を投入する。河原が起点になる動き、空いているスペースを使う動きを見せてボールを高い位置に引き出すことに成功すると、それをサポートする水沼宏太のプレーが活性化する。その結果、前半から待ち構えることが多かった横浜FCの守備が引かざるを得ない状況に。56分からの58分にかけて、連続してシュートを放つなど、栃木のペースになる。

この流れを抑えるため、63分、横浜FCは前半から走り回った難波に代えて藤田祥史を投入。藤田がトップでボールを受けることにより、下がっていたゾーンを上げることに成功し、ペースは五分になる。74分に、落合正幸が2枚目のイエローカードで退場となる。本来であれば、1点リードし1人多い横浜FCが試合をコントロールしないといけない場面だが、1人少ない栃木は鈴木修人を入れて水沼の推進力を中心にさらなる攻撃に出る。この状況に対応すべく、横浜FCもすかさず三浦知良、そして渡邉将基を投入する。この最後の交代が、ようやく横浜FCに1人多い状況を生かす落ち着きを与えた。そして、アディショナルタイムに生まれたカイオのゴールも数的優位を冷静に生かしたものだった。試合は2-0でタイムアップ。戦前の予想とは異なる展開のゲームを、横浜FCが粘ってモノにし連勝を果たした。

横浜FCにとっては、先制するまでは思い通りのゲーム。しかし、その後リードした時に整理された戦い方をうまくできなかったのは、勝ち慣れていない証かもしれない。それでも、ベンチワークに呼応する形でペースを引き戻し、粘り勝ちをできるようになったところは、チームの成長の階段を一歩登ったと言って良いだろう。ゲームに出た全員が全力を出し切り、3位栃木相手にペースを取り戻して勝点3をもぎ取った経験は今後の大きな糧になる。フランサが出られなかったのは残念だが、魔法はこういうチームのベースがあってこそ生きると考えれば、より楽しみになったとも言えるだろう。

一方の栃木は、松田監督が試合後の会見で述べたように、先制点を簡単に与えたこと、そして先制された後にビルドアップできなかったという2つの点において、悔やまれる展開となったことは間違いない。しっかりとした守備がチームの大きなストロングポイントだけに、こちらもリカルド ロボが復帰する次節までに、自らの強みを再点検するための良い薬にしないといけない。

精密な試合となる期待とは別の展開となったが、それでも両チームの底力を発揮し合った試合でもあった。負けた栃木も後半を見れば希望が持てる内容。両チームの後半戦への期待を抱かせる試合だった。

以上

2011.08.14 Reported by 松尾真一郎
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