8月13日(土) 2011 J1リーグ戦 第21節
清水 3 - 0 大宮 (18:34/アウスタ/16,768人)
得点者:48' 枝村匠馬(清水)、54' 小野伸二(清水)、78' 高原直泰(清水)
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3試合連続で0-4という屈辱的な大敗が続きながら、それでもアウェイの地まで多くの人が駆けつけ、熱い声援を送り続けた清水サポーター。その献身に対して、今度こそホームで恩返ししたいという思いは、清水の選手たちには本当に強かった。それがしっかりと結果に結びついたことは、悪循環から好循環へと転換していく大きなきっかけにもできるはずだ。
ただし、前半を見る限りは、どちらに転んでもおかしくないゲームだった。清水は、出場停止の辻尾真二の代わりに村松大輔を右サイドバックに入れ、アンカー(1枚ボランチ)に平岡康裕を置いた4-3-3。アレックスをベンチスタートにして枝村匠馬を先発させ、GKも15試合ぶりに山本海人を起用するなど、少しメンバーを入れ替えてリフレッシュを図った。一方大宮は、代表戦で負傷した金英權の代わりに坪内秀介がセンターバックに入った以外は、前節と同じメンバー、同じ4-4-2で試合に入った。
立ち上がりこそ気合十分の清水が前からボールを奪いにいって押し込む形を作ったが、15分前後から徐々に大宮が押し返し、清水ゴールに迫る場面を作っていく。蒸し暑さが厳しい中で、お互いに集中力を保って拮抗した戦いを続け、チャンスもそれぞれ作った。ただ、「お互いにイージーミスも多かった」と大宮の鈴木淳監督が振り返ったように、清水のほうもビルドアップの過程でミスが多いという課題はまだ残っており、完全に主導権を握るまでには至らない。
それでも、清水が前半で良かったのは、焦ることなくバランスを維持したまま、自分たちのサッカーをやり続けようとしたこと。大宮は、前線の4人がうまく起点になって鋭いカウンターを見せたが、それに対しても守備陣が最後のところで踏ん張り、絶対に先制点を与えないという最重要課題に関しては、手応えのある試合運びを見せた。
だからこそ清水は、後半の立ち上がりから自信を持って勝負に出ることができた。大宮が、総失点30点のうち12点を後半最初の15分間で失っているというデータ(今節終了後は33点中の14点)もわかっていた。もちろん大宮のほうも、「後半立ち上がりは、シンプルに粘り強くプレーすること」という鈴木監督のハーフタイムコメントに表われているように、課題は十分に承知していた。しかし、その意識が必要以上の慎重さにつながっていたのかもしれない。
その結果、清水は後半のキックオフ直後から全体を押し上げ、前線からのプレスを強めて戦うことができた。そして後半3分、前半よりも高い位置をとっていた左サイドバックの太田宏介が、鮮やかなワンタッチコントロールでDFを抜き去り、素早くクロスを入れると、枝村がニアに飛び込んでボレーシュート。これは惜しくもバーに当たって跳ね返ったが、そのボールを高原がボレーで右から折り返し、左ポスト際でフリーになっていた枝村が今度こそきっちりと押し込んで、チームにとっては4試合ぶりのゴール、何としても欲しかった先制点をついに奪った。
これで勢いに乗った清水は、またも同じ過ちを繰り返して動揺する大宮を圧倒し、後半9分には再び太田の突破から小野伸二がワンタッチで決めて追加点。勝負の15分間で2点を奪った清水が、一気にこの試合を自分たちのものにした。
その後、必死の反撃に出る大宮が攻め込む時間帯があり、決定機もいくつかあったが、ここはGK山本がファインセーブでゴールを死守。大宮のシュートミスにも救われて、清水が5試合ぶりに無失点で終われたことも大きかった。
さらに、後半33分の高原直泰の3点目は、彼ならではの胸のすくようなハイレベルの一発。これだけでも、清水サポーターはかなりストレスを解消できたことだろう。足首の痛みから復帰した高原は、クロスに対する入り方でも前半から非常に冴えた面を見せ、ストライカーとしての感覚に磨きをかけていることをうかがわせる。
また、2点目でも起点となるパスを出した枝村は、前半から前への出足が非常に良く、高い位置でのボール奪取にも大きく貢献。ゴトビ監督からどんどん前に行っていいというお墨付きを与えられ、彼の持ち味が存分に発揮されたゲームだった。2点をお膳立てした太田も、このところ疲労の蓄積が感じられたが、この試合では切れのある動きが戻り、それが久しぶりのアシストにも結びついた。
チームとしてシュート数で相手を上回ったのも久しぶりで、清水にとっては本当に明るい材料の多い3-0の快勝だった。逆に敗れた大宮のほうは、後半立ち上がりの課題がさらに重症となり、その克服が急務となる。
ただ、快勝の陰で忘れがちだが、もしも清水がこの試合で先制点を奪われて逆の結果になっていれば、チームが崩壊しかねない状況だった。それを考えれば、この1勝がどれほど大きかったか実感できると同時に、まだまだ安心はできないということもわかる。
しかし、そのことをよく理解しているベテランが存在するのは大きい。「このチームは、みんながしっかり戦って、(力を)出し切ったところで結果が出る。逆に、誰かが楽をしはじめたら結果は出ないし、新潟戦の後はプレーが怠慢になった面があると思う。その意味では今日は良かったけど、今後また自分たちが勘違いしないように、強いという錯覚を持たないようにしたい」と、高原は最後につけ加えたことを忘れなかった。
次はまたホームゲーム(8/20)で、前回0-4で敗れたC大阪と1カ月ぶりの対戦。そこでもう一度気持ちを引き締め直し、チーム一丸となってハードワークしきれるか。大きな期待とともに見守りたい。
以上
2011.08.14 Reported by 前島芳雄















