今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第21節 山形 vs 甲府】レポート:山崎の2得点を含む今季初の3得点で、山形が残留争いに踏みとどまる。佐久間監督の初陣が黒星となった甲府は4連敗。(11.08.14)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
8月13日(土) 2011 J1リーグ戦 第21節
山形 3 - 1 甲府 (19:04/NDスタ/7,940人)
得点者:32' パウリーニョ(甲府)、37' 前田和哉(山形)、55' 山崎雅人(山形)、87' 山崎雅人(山形)
スカパー!再放送 Ch181 8/14(日)深02:00〜
豪華賞品が当たる!totoリーグに投票しよう!
----------
ポゼッションで上回っていた甲府は、山本英臣が左サイドへボールを付け、5試合ぶりに先発した吉田豊が前を向く。前線で強烈な存在感を放っていたハーフナーマイクとダヴィが下りたのとシンクロして、中央で浮いていたパウリーニョが、ぽっかりと空いたゴール前へ一気に飛び出した。跳躍力を活かした高い打点から、GK清水健太の手が届かない軌道でゴールネットが揺らされた。甲府は幸先のいい先制点を手にした。

4-4-2の左サイドハーフでプレーしていたパウリーニョは、それまでも機会をうかがいながら時折中央に顔を出していた。14分には山本の早いリスタートに飛び出して左アウトサイドで合わせるダイレクトシュートを放ち、19分にも距離が合わなかったものの、やはり山本からのフィードに飛び出すシーンがあった。このパウリーニョの飛び出しに対しては下村東美が付いていくことになっていたが、「あの失点はパウリーニョを把握するのは難しかった。わかってても、フラフラしてる分、僕よりちょっと背後にいるところで付いていけない」(下村)。パウリーニョだけに神経を傾ければ空いたスペースを別の選手に使われることは明白で、下村からすればわかっていても止めることは難しかった失点だった。
ただし、ここで佐久間悟新監督にすんなりと勝利がプレゼントされることはなかった。先制から5分後、山形は石川竜也の右CKから前田和哉がヘディングを叩き込んで同点に追いつく。5月に山梨中銀スタで行われた前回対戦でも、前半に甲府が先制しながら5分後に山形が追いついているが、またしても早い時間に追いつかれた。「1点取ったあとの10分間ですね。ここはなんとしても失点したくないと言い続けてきたんですけど…」と、試合を安定軌道に乗せられなかった佐久間監督が悔やむ展開となった。

山形の狙いも「長いボールでディフェンスの裏」で徹底していた。しばらくは自陣で守備をする時間が長く、奪ったあともラフに蹴り出してまた守備に回るシーンもあったが、16分にはフリーとなった石川からのクロスに長谷川悠のヘディングシュートがポストを直撃。先制される5分前にも下村を経由してサイドチェンジしたボールを宮沢克行がマイナスのクロス、山崎のシュートがGK荒谷弘樹の正面を突いた以外は完璧な形で崩している。前半の終盤には石井秀典から縦に出されたボールに長谷川がフリーで飛び出すシーンもあったが、シュートはキーパーの正面を突いた。山形は2トップと両サイドハーフ2人の4人が甲府の4人のバックライン付近で裏へ飛び出す機会をうかがっていた。「前に強いセンターバック2人なので、前という部分はきついというのがあった」(山崎雅人)と裏の狙いを徹底。浮き球勝負はけっして分がいいとは言えず、むしろ大きく空いたバイタルを狙う手もあったが、小林伸二監督も「(裏の狙いが)あんまりいいもんですから、もうひとつバイタルを狙わせたかったんですけど、そこはちょっと3人目が絡む動きになってくるので…」と慎重な姿勢を崩さなかった。

勝負を分ける次の1点。後半、最初の決定機は甲府に訪れる。50分、サイドからニアで待つハーフナーの足元へボールが入ると、そこに絡んだダヴィが飛び出した。マークしていた石井を完全に振り切ったが、シュートは飛び出した清水に弾かれ、勝ち越しならず。その5分後、今度は山形が決定機を迎える。清水のフィードに始まり、左スペースから宮沢のマイナスクロスに下村がミドルシュート。跳ね返されたボールを仕切り直し、前田が右の太田にボールを付けると、前へ動き出した山崎の足元に低くて速いボールが飛んだ。左インサイドでしっかりとコントロールされたシュートはゴールマウスに飛び込み、山形が逆転に成功した。その直後にも右サイドで宮本卓也と山崎が体を張ってキープしたボールを太田がシュートする決定機もつくっている。

リードされた甲府は伊東輝悦に代えて養父雄仁を投入し、システムも4-3-3に変更。その7分後にはダヴィに代えて柏好文をピッチへ送り込む。ハーフナーに当てて数人が一気になだれ込む攻撃は、74分には養父のミドルシュートに、75分には柏の飛び出しにつながったが、一方で攻撃のバランスとしては偏りも見られた。81分、ハーフナーがバイタルに落としたボールに対し、サポートがいれば決定機につながる可能性もあったが、全員が裏を狙っていたために攻撃はつなげられなかった。また、ハーフタイムをはさみ、山形が飛び出しに対してより警戒を強めたこともあり、ペナルティーエリアまでは入り込めても、そこからは多くの守備を相手にシュートコースをこじ開けなければならなかった。さらに、「選手全体の躍動感というか、推進力というか、オーガナイズ、バランスを崩してしまった」と佐久間監督が反省するカードの切り方もあり、ピッチ内で混乱したなかでスローインから山崎に3点目となるゴールを許して勝負は決した。

「攻撃のところでいうと、距離感をよくしてボールを少し動かすこと。同時に、守備のなかでも距離感をよくして、チャレンジ・アンド・カバーを徹底して守備の構築を図るということをしてきました」
佐久間監督の意図はこの試合の随所で見られた。しかし、修正に着手したばかりということもあり、コンセプトを90分を通して徹底するという部分では山形に分があり、終盤に生まれた隙を突かれて失点を重ねることになった。この4連敗はすべて複数失点。攻撃力を維持すること以上に、守備を修正することがより緊急性の高い課題として残されている。
降格圏同士の直接対決を制した山形は甲府との勝点差を2に縮め、次節、16位・大宮戦への弾みをつけた。山崎の移籍後初ゴールを含む2得点が生まれた他、先制されてからの逆転勝利も、3得点も今季初。また、このところの課題だった守備の消極性もひとまず解消した。ただし、いい材料ばかりではない。リードしたあと、やや無理目なパスやシュートを選択する粗い展開になったり、最後は石川のスローインから3点目につなげたが、そのスローインが相手の攻撃の起点になるケースもまだ多い。ひとつ間違えば同点にされていてもおかしくない。J1残留へ向けた反撃の勢いを止めないためにも、修正が必要な部分はまだまだ多い。

以上

2011.08.14 Reported by 佐藤円
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着