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【J1:第22節 柏 vs 福岡】レポート:裏のスペースを狙い続けた柏が、林陵平のJ1初ゴールで勝ち切る。新たなチームの“色”を見せた福岡も最後まで粘りを見せたが、あと一歩及ばず。(11.08.21)

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8月20日(土) 2011 J1リーグ戦 第22節
柏 3 - 2 福岡 (19:00//8,470人)
得点者:7' 岡本英也(福岡)、19' レアンドロドミンゲス(柏)、42' 工藤壮人(柏)、67' 林陵平(柏)、73' 城後寿(福岡)
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「実際にやっていても想像していた以上に高かったです」。工藤壮人が試合後に振り返った言葉通りである。立ち上がりから福岡のライン設定が思いのほか高く、柏のビルドアップに対し前線の城後寿、岡本英也がプレスを仕掛けると、2列目以降の選手たちも連動した動きを見せる。浅野哲也監督就任から3試合目を迎え、新しい福岡の“色”というものがはっきりと見て取れた格好だった。高いライン設定で全体の陣形はコンパクト、したがって敵陣でボールを奪えれば一気にチャンスが生まれる。インターセプトから生まれた7分の先制ゴールはまさに狙い通りの形だろう。清水範久から城後とつなぎ、末吉隼也の縦パスに走り込んだ岡本が柏DFの間へ割って入り、GK桐畑和繁の飛び出しを見極めて巧みに流し込んだ。

しかし先制されたとはいえ、柏には「相手の裏が空いているのはわかっていたので、そこを突いていく」(大谷秀和)という狙いがあった。福岡は山形辰徳、和田拓三の両サイドバックもリスクを厭わずに攻め上がるため、DFラインの背後以外に両サイドにも広大なスペースが生じる。したがって、工藤と林陵平がセンターバックの背後を瞬間的に狙うだけでなく、レアンドロ ドミンゲスと酒井宏樹、ジョルジ ワグネルと橋本和という左右のユニットがそれぞれサイドのオープンスペースを突き、普段は前へ出ることの少ない大谷も高い位置へ飛び出していく。
しかもこうした攻撃がボディブローのように効き始めたのか、時間の経過とともに福岡の陣形にわずかな“間”が生じ、柏がセカンドボールを支配し、そしてバイタルエリア周辺にスペースを得る。19分、大谷のスルーパスに抜け出した酒井が敵陣深くまでえぐり、グラウンダーのパスを折り返す。ゴール前でパスを受けたレアンドロ ドミンゲスのコントロールシュートが決まり、まずは同点。42分、工藤の絶妙な飛び出しとレアンドロ ドミンゲスのアウトサイドパスから生まれた逆転ゴールも、福岡のDFラインの背後を突いたものだった。

そして67分。これも工藤が裏へ飛び出し、そこへレアンドロ ドミンゲスのパスが通る。さらに「林君が入ってくると思ったのでニアにシュート性の強いボールを蹴った」(工藤)、「工藤に叫んで呼び込んだ。絶対にニアに来ると思った」(林陵平)と、2トップのイメージが合致した。この数カ月間、林は全体練習終了後には誰よりも長くグラウンドに残り、布部陽功コーチ指導の下、直向きに居残り練習へと取り組んできた。北嶋秀朗と田中順也の負傷欠場により、出場が濃厚になった林は「出たら絶対にゴールを決める」「自分のサッカー人生を懸ける」と強い気持ちを持って試合に臨んだ。このシュートも一度はDFのブロックに阻まれたものの、そのこぼれ球が再び自分の足元に転がりこんできたのは、そんな彼の執念がボールを引き寄せたようにも思える。林が右足で流し込み、柏が3−1とリードを広げた。

浅野監督は「前線と2列目、そして最終ラインの距離感も前節よりはちょっと悪かった。そこから少し綻びが出て、距離感が合わなくなって攻め込まれた」と主導権を柏に掌握された理由を述べた。GK六反勇治のファインセーブで決定機を何度も阻止し、柏の不用意なバックパスを奪った岡本が決定的場面を迎え、73分には城後が前線での粘りから1点差に詰め寄るゴールを挙げるなど、押し込まれながらも喰らい付いていただけに、やはり「3失点目が痛かった」というのが指揮官の弁だ。
福岡にとって悔やまれるのは、柏のパスの出し手にプレッシャーが掛かっていないにもかかわらずラインを高く押し上げ、相手の2トップのみならず2列目の飛び出しに対応できずに、簡単に背後を突かれた点だろう。ただ、前節の川崎F戦で見せた見事な逆転勝利はリスクを厭わないプレーがあったからこそであり、冒頭でも述べたように新しいチームの“色”は出始めている。時間はふんだんに残されているわけではないが、課題を早急に克服できれば巻き返しは十分期待できる。そう考えれば今回の敗戦も決してネガティブな試合だったわけではない。

むしろ、3−2で逃げ切った柏の方に苦言を呈したい。守備面では時折不用意なプレーや集中の切れたプレーが目立ち、攻撃面でもチャンスは数多く作り出したが、そのほとんどを逸し続けた。つまり、自身で試合の展開を苦しくしてしまった感があり、ネルシーニョ監督の「もっと落ち着いた勝ち方ができたゲームだった」との分析に異論はない。連敗せずに勝点3を手にできたこと、そして北嶋、田中という2人で15ゴールを挙げている2トップを欠きながら、工藤と林が結果を残したことは評価できるが、わずか勝点1差に上位4チームがひしめく大混戦を制するためには、まだまだ改善すべき点が多いと言わざるを得ない。

以上

2011.08.21 Reported by 鈴木潤
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