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【第91回天皇杯 2回戦 横浜FC vs 松本】レポート:飯尾和也の咆哮! 最後までまとまりを持って戦った松本山雅が、個人技頼みの横浜FCを撃破!(11.10.09)

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10月8日(土) 第91回天皇杯 2回戦
横浜FC 0 - 2 松本 (14:04/松本球/11,510人)
得点者:53' 片山 真人(松本)、55' 船山 貴之(松本)
★第91回天皇杯特集
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1万1千を超える観衆の大歓声の中でも、松本山雅・飯尾和也のコーチングの声はメインスタンドの記者席までしっかりと聞こえてきた。1プレー1プレー途切れるごとに声を張り上げ、チームメイトを叱咤激励。こまめに声を出しながら、コンパクトな守備を維持してみせた。
「今日は守備からしっかりやろうと。攻撃でうまくいかなくても焦らずに守備をする」(加藤善之監督)という狙いでゲームに臨んだ松本。勝負のポイントはフランサ、エデル、カイオというブラジル人トリオを中心とした横浜FCの強力な個の力を封じることであった。「中央をしっかり締めて対応することが大事だった」とボランチの須藤右介が言うように、1人1人の距離感を縮め、個に対して組織で対応してみせた。その際に重要になるのは、絶え間ないコーチングであった。
「飯尾が後ろから声を出してチームを引っ張ってくれている。ボランチとしてはすごくやりやすかった」と北村隆二が振り返るように、最後尾から響き渡る声により、チーム全体が連動した守備ができるようになり、横浜FCに付け入る隙を与えなかった。序盤から手詰まり感が強かった横浜FCに対し、松本がインターセプトから鋭いカウンターを仕掛けてチャンスを作る展開で試合は進んだ。

横浜FCの選手だけでなく、松本の選手までもが「横浜FCはバラバラだった」と声を揃えたように、一体感を持って戦う松本とは対照的に横浜FCはチームとして機能しなかった。ただ、問題はチームというより、個人にあったと思われる。「1人1人の意識の問題。意識が低すぎる」と関憲太郎が嘆いたように、切り替えが遅く、イージーミスも多すぎた。さらに球際で弱いどころか、ボールを待って受けようとする姿も多く見られた。試合前は「受け身に回らないようにしたい」と語っていた選手たちだが、試合がはじまってみると、完全に後手に回る展開を自分たちで作ってしまった。

当然、その差はゴールという形で表れる。53分、松本の攻撃を食い止めた横浜FCのDFはボールをボランチの藤田優人に渡す。しかし、守備から攻撃への切り替えが遅く、藤田優からパスを受けようとする動きがまったくなかった。ボールの出し所がなく、藤田優が躊躇したところを松本がプレスをかけてボールを奪取。そこからボールを受けた大橋正博のミドルシュートのこぼれ球を片山真人が豪快にゴールに叩き込んで、松本が先制する。
その1点でさらに集中力を失った横浜FCをあざ笑うかのように、松本が追加点を決める。失点後のキックオフ、前がかりになって攻めようとして手薄になった横浜FCの守備の隙を松本が突いた。DFからのロングボール1本で抜け出した船山貴之がDF裏を取り、PKを獲得。船山自らが冷静に左隅に決めて、2点差にする。

その後、横浜FCは攻撃的な選手を次々に投入し、反撃に出ようとするが、飯尾を中心にまとまりを見せる松本の守備を破ることができないまま時間が過ぎていく。むしろ、時間が経てば経つほど、フランサ、カイオの個の力に頼ろうとする横浜FCの攻撃にしっかり対応する松本の組織の力の大きさが示されることとなった。結局、横浜FCは“チームとして”の力を見せられないまま試合は終了。大観衆の後押しもあり、最後まで集中力を欠かなかった松本が完勝を収めた。

「横浜FCはうまくいかないとバラバラになって、修正がきかなくなると思ったので、そういう展開に持って行くプランだった。それが今日はうまくはまった」と飯尾は語った。今季途中まで横浜FCでプレーしていたからこそ、弱点を知っている強みを発揮したと言えるだろう。だが、それは横浜FCが飯尾がチームを離れたときから前進していないことを意味している。シーズン序盤、そうした弱点を克服しようと、飯尾は横浜FCで奮闘した。しかし、チームに思いを浸透させることができないまま、松本に移籍することとなった。そして、今、松本で「勝つために必要なことを注入しようとしている」(飯尾)。その差が結果となって表れたのであった。
「今日の僕たちには何もなかった。これまで積み上げが何もない」と中野洋司は肩を落とした。横浜FCが積み上げるべきものは何だったのか。敵として、飯尾が発した痛烈なメッセージを、果たして横浜FCの選手たちはどう受け止めたのか。そこにチームの今後が懸かっている。

勝利したものの、飯尾の顔に笑みは浮かんでいなかった。「松本も緩さが目立つチーム。今日は格上相手だからこういう試合ができたけど、JFLで今日のような試合ができるとは限らない。逆に今日の横浜FCのようになることが多い。だから、そうならないように、練習から厳しく言っていきたい。今日のサッカーをすれば勝てるということをみんながどれだけ理解できるか。そこが大事だと思う」。勝ってもチームに苦言を呈す飯尾は、J2参入を目指すチームにとってかけがえのない存在と言えるだろう。リーグ終盤、飯尾がもたらす“チーム一丸”が、大きな力となるに違いない。

以上


2011.10.09 Reported by 佐藤拓也
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