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【第91回天皇杯 2回戦 山形 vs B秋田】レポート:普段着で立ち向かったB秋田の攻撃はゴールに届かず。守備重視の山形が手堅く3回戦進出を決める(11.10.09)

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10月8日(土) 第91回天皇杯 2回戦
山形 2 - 0 B秋田 (13:00/NDスタ/2,425人)
得点者:23' 下村 東美(山形)、38' 長谷川 悠(山形)
★第91回天皇杯特集
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試合は、山形が挙げた2つの得点で決した。1点目は23分、昨年同様、コーナーキックから。6分前には右からレフティの船山祐二が蹴ったが、左からこの試合最初のキックを太田徹郎がインスイングでニアへ蹴ると、走り込んだ下村東美が空中で回転しながらバックヘッド気味に当てたボールが、GK鈴木彩貴が伸ばした手を越えてゴールマウスに吸い込まれた。2点目は38分、左サイドバックの山田拓巳が「キーパーとディフェンスの間ぐらいに落とそうかなと思っていた」という角度をつけたクロスはややショートしたが、長谷川悠が頭で合わせてゴールネットを揺らした。両チームの大きな違いである「高さ」と、ゴール前でのスキルの差が表れた2得点だった。  

結果的には山形の順当勝ち。しかし全体を見れば、双方がこの試合に持ち込んだ意図が奇妙に符号する展開となった。  

B秋田は直近のリーグ戦、FC琉球戦からディフェンスライン2枚を入れ替えた布陣で臨んだ。センターフォワード・松田正俊は「今日の試合で、引いて守るサッカーはやってきてない。自分たちでしっかりつなぐ攻撃的なサッカーをずっとやってきたので、それを出して勝ちたかった。内容的にはそれほど悲観するような内容ではない」と胸を張った。開始4分には、4-3-3のアンカー・三好洋央の右脇スペースを山形・伊東俊に潜り込まれてミドルシュートを許す場面もあったが、その後、守備を落ち着かせ、ボールを奪ったあとはボールを握り、動かし、主体的にゲームを進めた。
10分には右クロスから松田がヘディングシュート。その1分後には、左サイドから畑田真輝が強烈なロングシュートを放つ。山形の2トップが引いて中盤をケアしてからは苦戦を強いられたが、プレッシャーを受けて苦し紛れに蹴ることなく、つないで敵陣に食い込もうとの強い意志を手放さなかった。  

ただし、前半のシュートは先ほどの2本のみ。「去年もそうですけど、最後のところでやらせない、特に山形はそういうところを持っている」(B秋田・横山博敏監督)と、相手ゴールに迫るほど山形がつくるブロックに行く手を塞がれた。1トップ・松田は常に厳しい監視の下に置かれ、引いて受けようとしても園田拓也が深追いを厭わない厳しいプレスで前を向かせず、サイドで持ち上がってもクロスを上げる前に対応された。  

直近のリーグ戦から先発5人を入れ替えた山形は相手にもたれる時間も長かったが、「守備意識が高くて、相手どうこうじゃなくて、次のゲームにつながるような形として、ラインを落としたというのは頑張ってくれた」と小林伸二監督としては狙いどおりの展開だったことを明かした。90分でのシュート数は11本。カテゴリーで2つ下のチームを相手に、前半は押し込んだところから仕掛けず、リードしてからも自陣でブロックを構えた。しかし、勝利以上のものを求めないような消極的にも映る戦い方には、J1残留争いで土俵際に立たされた山形の、切実な理由としたたかな戦略があった。
「まず(リーグ戦の次節)レイソル戦がすごく大事で、次もホームでガンバ戦であまり変わらない攻撃的なチームなので、それも併せて戦っていくというところですよね。守備を意識してやらせる必要がある」(小林監督)。前節・磐田戦で、トップラインを落として構える守備を試し一定の手ごたえを得ているが、今後の攻撃的な相手を迎える前にさらにスタイルを確立しておこうとの狙いだった。  

相手のバックラインでボールを持たせたために守備の時間は長くなり、B秋田が狙いとするポゼッションを引き出した側面はあった。また、ボールを奪ったあと、特に前半は、出し手と受け手の意図が噛み合わないパスが見受けられたり、出し手側がヘッドアップするものの出しどころを見つけられずに結局は横に動かすなど、精度を上げるべき課題は残っている。しかし、2トップが相手の中盤に入るボールをケアし、ボランチがバイタルエリアでスペースを埋め、センターバックは遅れることなくターゲットの松田を潰した。サイドに持ち込まれてもクロスが上がる前に防ぎ、守備では危ない場面をつくらせずに前半を折り返した。  

山形が山崎雅人に代えて廣瀬智靖を、B秋田が今井大悟に代えて比嘉厚平をピッチに送って始まった後半は、2点を追うB秋田がサイドの押し上げを強める。48分には左サイドに移った久保田圭一がプルアウェイからギャップを突いて裏へ抜け、51分には右サイドバックの松ヶ枝泰介がタッチライン際の防衛線を突破して中央にくさびを送り込んだ。比嘉も55分にミドルレンジからシュートを放ったほか、連係の部分では合わないケースが多かったものの、積極的にスルーパスを送ったり、サイドで起点となり松ヶ枝のオーバーラップを促した。後半にはシュートチャンスも増えた。ただし、前後半を通じて放った7本のシュートのほとんどが枠をとらえていないため、山形を苦しめるまでには至っていない。久保田は「イメージとして突破できてる部分もあるんですけど、最後の最後で体勢を崩されたりというのがあって、シュートも思ったような感じでは打ててなかったというのが正直な印象」と、その難しさを語った。  

自陣では危なげがない一方で相手ゴールにも迫れずにいた山形は、下村から宮本卓也へのスイッチでゲームの色を変える。宮本はボランチに入り、シンプルにサイドへ散らしながら攻撃のリズムを引き寄せる。71分には左サイドで受けた長谷川が右足アウトサイドのクロスで廣瀬のシュートにつなげ、76分にはサイドチェンジで右に付けると廣瀬の1対1からの仕掛けをお膳立てした。旗色が悪くなったB秋田は、三好と久保田に代え、山口国体から戻ったばかりの富樫豪と小澤竜己を投入。松田と富樫を2トップとする4-4-2にシステムを変えて反撃を試みる。しかし、松田のマークがやや分散されたものの、守備的に戦う山形のブロックを崩すにはいたらず、逆に87分にはカウンターを受ける。山田のアーリークロスに飛び出した太田はフリーだったが、「ニアを狙ったんですけど、ビビっちゃいましたね」とシュートはキーパー正面を突いた。アディショナルタイムにはB秋田がコーナーキックを得るが、この最後のチャンスも生かせず、2-0のまま試合は終了。山形が同じくNDスタで行われる3回戦(11/16)に駒を進めた。

以上


2011.10.09 Reported by 佐藤円
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