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【第91回天皇杯 2回戦 仙台 vs ソニー】レポート:いつもよりさらに特別な「仙台ダービー」はまたも延長戦にもつれ込む激闘に。グッドファイターズに惜しみなき拍手を。(11.10.09)

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10月8日(土) 第91回天皇杯 2回戦
仙台 2 - 1 ソニー (15:04/ユアスタ/5,714人)
得点者:74' 太田 吉彰(仙台)、79' 谷池 洋平(ソニー)、114' 武藤 雄樹(仙台)
★第91回天皇杯特集
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「今年の仙台ダービーはあの3月11日の震災の後だったので、見てくれる人に諦めない気持ちを見せたい思いは昨年よりも特別なものだったと思います」。120分間の激戦を、ソニー仙台・谷池洋平はそう振り返った。
2008年にソニー仙台に加入したこのベテランは、J2・徳島に所属していた頃にベガルタ仙台と対戦経験を持つ。今ではソニー仙台に欠かせない一員となった彼にとっても、今までのベガルタ仙台戦とはまた違う、そして今までで最も大きな意味を持つ「仙台ダービー」となった。

ともに仙台の名を冠するチームがユアテックスタジアム仙台で戦うこの天皇杯2回戦には、ともに東日本大震災でホームタウンが大きな被害を受け、そこから力強く立ち上がるチーム同士の戦い、という意味も加わった。試合前の場内アナウンスも、両チームに敬意を表して、両チームを通常のホームゲーム形式で紹介するものとなった。そして両者は同じ「がんばろう ニッポン」のTシャツを着てピッチに入った。

試合はJ1とJFLというカテゴリーの違いを感じさせない熱戦となった。ともにコンパクトな陣形の守備でボールを奪って攻撃をしかけるサッカー。方法論に違いはあるものの、運動量と集中力が求められるこのスタイルで、両者は結局120分に渡って戦い続けた。

前半は直近のJFLと同じ先発メンバーで臨んだソニー仙台が、「(普段の公式戦で)あまり出ていない選手に緊張はあったと思う」(手倉森誠監督)というベガルタ仙台の連係の隙を突いて攻める。特に麻生耕平と森原慎之佑の両攻撃的MFの突破は何度もチャンスを作っており、36分に麻生のクロスにFW本多進司が合わせたように、あわや、という場面もあった。

後半になると、ベガルタ仙台が関口訓充や太田吉彰の突破、松下年宏や高橋義希のパスを生かした速攻でペースを握り返す。60分に「震災後にサポーターに助けられてきたし、仙台ダービーだし、素晴らしい試合を見せたかった」と意気込む武藤雄樹を投入してチーム全体の推進力を増すと、74分に獲得したPKで太田が先制点を決めた。

しかしソニー仙台も引き下がらない。わずか5分後、田端秀規監督が「延長戦のことは考えずに」切り札として投入した大瀧義史が得意のFKを蹴ると、これに「PKを与えてしまったので、取り返したかった」という谷池が合わせて追いついた。

双方が意地を見せた試合の決着は、延長戦に持ちこまれた。桐田英樹のシュートがベガルタ仙台ゴールを襲った場面もあれば、中原貴之のシュートがソニー仙台のゴールラインギリギリでクリアされる場面もあった。そして延長戦も終わろうとする114分、「PK戦になる前にと思って」ゴールを狙い続けていた武藤がPKを獲得。自ら決めたこのゴールが、決勝点となった。

勝ったベガルタ仙台は3回戦に駒を進めるとともに、J1リーグ戦の終盤に向けて、課題と収穫を手にした試合となった。そしてソニー仙台はJFL残留を目指す上で大きな自信を得た。何より、試合前よりもさらに大きな声量で両者を称えるエール交換が、スタンドのあちこちから起こった。「震災の後にサッカーができるかどうかわからない状況でしたが、こうしてまたサッカーをすることができて、ベガルタさんとこういう大きな舞台でやれるというのは選手冥利に尽きます」(瀬田貴仁)。この場所でサッカーをできる喜びを、開場のみんなが感じていた。やはりこれは、ただの2回戦の1試合ではなかった。

ここまで読んでいただいた方々にもお願いしたい。素晴らしい一戦を彩り、新しい目標に向かって走り出した者たちへ、今一度大きな拍手を。

以上

2011.10.09 Reported by 板垣晴朗
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