10月9日(日) 2011 ヤマザキナビスコカップ 準決勝
浦和 2 - 1 G大阪 (17:00/埼玉/23,879人)
得点者:21' 梅崎司(浦和)、38' エスクデロセルヒオ(浦和)、90'+3 大塚翔平(G大阪)
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「試合の内容については自分が話をするまでもなく、皆さんも分かると思うので何も言いません」。試合終了後の記者会見にて、誇らしげな表情で語った指揮官の言葉通りである。この日、浦和が披露したパフォーマンスは、“最高”や“極上”などといったありきたりな言葉では言い表せないほど素晴らしいものだった。リーグ戦で首位を走るG大阪に対し、2−1というスコア以上の完勝を収め、7年ぶりとなる『ヤマザキナビスコカップ・ファイナリスト』の座を射止めたのだ。
準々決勝のC大阪戦で見せたアグレッシブな姿勢は、この試合でも失われていない。そう感じたのは開始早々のプレーだった。宇賀神友弥のフィードを、G大阪のセンターバックの間で受けたデスポトビッチが推進力を持ったままボックス内に侵入。ファーストシュートからCKを得る。さらに「自分が出て勝たせるぐらいの気持ちでいた」というエスクデロセルヒオは、その気持ちを前面に押し出す形で、前向いたら躊躇なく力強いボール運びで突き進んでいく。準々決勝でペトロヴィッチ監督が勝因に挙げていた「2トップのボールキープ」が、この試合でも効果的なアクセントとなり、G大阪の最終ラインをグイグイと押し込んでいった。
前線での収まりが良ければ、2列目の選手がそこに絡むことで攻撃により一層の厚みが加わる。それを体現したのが梅崎司だ。15、17分と放ったミドルシュートの感触により、自身のプレーに“切れ”を感じた梅崎は「どんどん仕掛けて行こう」と試合中にゴールへの意識がさらに増した。そして迎えた21分、カウンターからデスポトビッチが起点を作り、エスクデロセルヒオが絶妙トラップからシュート。これをGK藤ヶ谷陽介が弾いたところを梅崎が詰めた。キックオフ直後から好調さを窺わせていた3選手が絡んだゴールで浦和が先制した。
さらに38分、浦和に追加点が生まれる。寄せてきた武井択也をかわした梅崎がカットイン。ミドルシュートがエスクデロセルヒオに当たり、コースが変わってゴール右へと転がっていった。一見幸運に思えるこのゴールも、梅崎の積極的なシュートへの意識と、「エスクデロはGKが弾いたら詰めようとしていた」(梅崎)というアグレッシブな姿勢が生んだものだと言っていいだろう。
浦和がペースを握った理由は攻撃面だけではない。選手同士の距離間が非常に良く、ラインを上げてコンパクトな陣形を敷いているため守備組織が統率され、前線からのプレッシャーも効いてG大阪に付け入る隙を与えず。特に中盤の中央でバランスを取る鈴木啓太と柏木陽介の関係は絶妙だった。「僕は大して何もしていない」と柏木は謙遜していたが、「中盤がプレッシャーをかけてくれたおかげで、良いボールが入ってこなかった」とセンターバックの濱田水輝が味方を称えた通り、G大阪の縦パスに対して両ボランチは見事にフィルターの機能を果たした。たとえ縦パスがラフィーニャやアフォンソに入ったとしても、中盤からのプレスでコースを限定させていたことで、濱田や永田充がことごとく潰す。前半のシュート数は浦和の11本に対しG大阪は0本。スコアも2−0と、パーフェクトな内容の前半だった。
後半、G大阪の選手交代とシステム変更は、浦和が流れを失うほど決定的な要素にはならなかった。確かにG大阪は攻め手を強めてきたのだが、最終ラインは前半同様集中が高く、守備網を切り裂かれるような攻撃を浴びた場面は皆無と言っていい。
むしろその相手のオフェンシブなシフト、例えば橋本英郎の1ボランチ、あるいは下平匠の高いポジション取りは所々にスペースを生じさせ、浦和にとって絶好の狙いどころとなった感があった。57分と58分にはエスクデロセルヒオ、62分には梅崎と、いずれもマルシオリシャルデスのお膳立てから生まれた好機が決まっていれば、その後の試合展開をさらに有利に進められたはず。したがってこの日の課題をあえて挙げると、3点目を決められなかったことになるだろうか。アディショナルタイムに失った1点に関しても、守備が破綻したというよりは、3点目を奪えずG大阪の戦意を終盤まで削ぎ落せなかったゆえに喫したものである。
だがそれらを差し引いても、わずか1週間前に完敗を喫したG大阪相手に見せた浦和の戦いぶりは大いに称賛されるべきだ。決勝戦について問われた選手たちは、表情を綻ばせて喜ぶ一面を覗かせながらも、多くの者が「これをリーグでもやらないといけない」と自らを諭すような言葉を発した。
7年ぶりのファイナルへ。ただ、浦和が手にしたものは決勝戦へのチケットだけではない。準々決勝、準決勝と、彼らの目指すサッカーがようやく形になり、同時に自信とプライドをも取り戻した。8年ぶり2度目のヤマザキナビスコカップ制覇とリーグ戦での巻き返しに向け、浦和の視界は良好である。
以上
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2011.10.10 Reported by 鈴木潤















