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【J2:第31節 岐阜 vs 横浜FC】レポート:ひたすら狙われた『あのスペース』。大逆転勝利の裏側に大きく浮き彫りとなった岐阜の落とし穴。(11.10.16)

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10月15日(土) 2011 J2リーグ戦 第31節
岐阜 4 - 3 横浜FC (13:05/長良川/5,236人)
得点者:10' 嶋田正吾(岐阜)、28' 野崎陽介(横浜FC)、77' オウンゴ−ル(岐阜)、80' 難波宏明(横浜FC)、83' カイオ(横浜FC)、86' 染矢一樹(岐阜)、90'+4 西川優大(岐阜)
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危なかったというのが、第一印象だ。サポーターが待ち望んだ7月3日以来となるホームゲームでの勝利は、4-3という劇的な大逆転勝利となったが、黙って見過ごすわけにはいかない落とし穴があった。

苦しみながらも勝利を挙げた、木村孝洋監督を始めとした選手、スタッフには心からおめでとうと言いたいが、今後を考えて、敢えて厳しい指摘をしていきたいと思う。
「先週、天皇杯でゲームの入り方が悪かった。一番のポイントとして試合の入り方を重要視した。前半1点取れたのは、試合の入り方が良かったからなのかなと思いました」と、木村監督は語ったが、筆者の目にはそうは映らなかった。
立ち上がりははっきり言って悪かった。開始9分までに横浜FCは決定的な場面を2度迎えた。岐阜が立ち上がりから前掛かりに来たのを逆手に取り、FWカイオは中央に、FW難波宏明は右寄りのポジションを取った。彼らの狙い目は左サイドバックの菅和範と、左CBの野垣内俊の間のスペース。カバーリングを一手に引き受ける右CB田中秀人が埋めきれないスペースを狙いに来たのであった。
本来であれば、このスペースはMF三田光が埋めるべきスペース。菅がサイドチェンジを受けようと、左に張り出し、前目のポジションに付いたとき、三田はDFラインまで落ちてカバーすべきだが、それがなされず、どうぞ狙ってくださいとばかりに、大きなスペースを与えてしまっていた。

前半の横浜FCのチャンスはいずれも『あのスペース』から生まれた。5分、カウンターを許すと、ボールを持った難波はぽっかりと空いたスペースにドリブルを開始。完全に2対2の状態になり、ピンチを招くが、難波のラストパスは精度が低く、田中の足に引っかかった。
9分にも中央でボールキープした難波から、『あのスペース』に走り込んだカイオに繋がれると、カイオにフリーでシュートを浴びる。これはバーを越えて行ったが、どれも点が入ってもおかしくない展開だった。
「前半、岐阜のラインがきちっと揃っていなかったので、2列目から飛び出せば何回もチャンスになるシーンはあった。そこで点を取れなかったのは、焦りというか、視野が狭くなっているからなのか。あとは非常に慌てるので、ミスになってしまう。岐阜に我々が持っていたペースを譲ってしまった格好になった」。
この岸野靖之監督の言葉は非常に的を得ていた。立ち上がり、横浜FCの狙いはがっちりとはまったが、これが低迷するチームの現状なのか、岐阜は相手の拙攻に助けられた形となった。

すると岐阜は10分、菅のクロスにニアでFW西川優大が飛び込むが、相手DFにヘッドでクリアされる。しかし、これが弱く、ファーのMF嶋田正吾に渡ると、嶋田はこれを胸でコントロールし、ゴール右隅に蹴り込んだ。
これでようやくリズムをつかんだ岐阜は、14分に右サイドを突破したDF野田明弘が強烈ミドルシュート。15分には西川がバイタルエリアから反転シュートを放つが、いずれもGK関憲太郎のファインセーブに阻まれた。

いい流れで来ていたが、やはり立ち上がりに狙われた『あのスペース』からリズムを崩していく。18分、センターライン付近でドリブルを開始した難波は、中央から右へ仕掛け、ボランチが食いついてきた瞬間に、『あのスペース』に右からダイアゴナルランで飛び込んだMF荒堀謙次にスルーパスを送る。荒堀が一気にDFラインを突破するも、ペナルティーエリア内でタイミングよく飛び出したGK川浪吾郎によって阻まれた。たった1本のパスで簡単に崩されるDFライン。不安定さは改善されていなかった。

すると28分、右サイドを突破した難波のクロスに対するクリアが小さく、これをMF野崎陽介がバックステップからボールの落ち際を強烈に叩いたボレーシュートを浴びる。ゴール右隅に突き刺さったスーパーゴールで、すぐに同点に追いつかれてしまった。

その後も横浜FCに『あのスペース』を有効活用される。38分には中央からドリブルを仕掛けた難波に対し、三田が簡単に『あのスペース』への進入を許すと、再びダイアゴナルランで走り込んできた荒堀へスルーパスを通される。荒堀はワンタッチで抜け出すも、これもGK川浪がタイミングよく飛び出してボールに触れて、事なきを得た。

1−1で迎えた後半、岐阜は一気に攻勢に出た。前半から横浜FCのダブルボランチが低い位置にいたため、岐阜は高い位置で起点を作ることが出来た。前半同様に西川、阪本一仁のツートップ、嶋田、ボランチの橋本卓が高い位置に張り出して、岐阜同様に守備陣形がちぐはぐな横浜FCを攻め立てた。58分、60分、67分と立て続けに決定機を作り出すと、77分には嶋田が相手のオウンゴールを誘発するシュートを放ち、勝ち越しに成功する。しかし、またも『あのスペース』を立て続けに突かれる。80分に難波に同点ゴールを浴びると、83分にフランサのスルーパスからカイオに抜け出され、GKと1対1を冷静に決められた。

これで万事休すかと思われたが、ここからは岐阜の意地が花開き、86分に染矢一樹のPKで同点に追いつくと、試合終了直前に西川が強烈なシュートを突き刺し、4−3の逆転勝利を収めた。

4-3。一見壮絶な打ち合いに見えるが、共に綻びが多い中でのシーソーゲームであることを忘れてはならないし、何よりも3失点ともすべて『あのスペース』を突かれているということ。相手からもはっきりと狙われていた、岐阜のDFラインの左のスペースへのケアをしっかりしない限り、岐阜は今後も失点を免れることはできないだろう。
「点が取れればいいという見方もあるが、僕はそうは思わない。守れないとやっている方はきつい。安定した力を手に入れるには、守備面でもっと踏ん張れないといけない」。
西川の言葉が非常に的確に状況を表している。ここで如実に表れた落とし穴を修正し、さらに勝ち星を積み上げられるように。
『勝って兜の緒を締めよ』。
今の岐阜の選手、スタッフ全員がこれを肝に銘じておかないといけない。

以上

2011.10.16 Reported by 安藤隆人
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