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【J1:第32節 清水 vs 柏】レポート:精神面でも成熟した戦いを見せた柏が逆転勝ちで首位を堅持。清水は、勝負の後半で自分たちのサッカーができず。(11.11.21)

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11月20日(日) 2011 J1リーグ戦 第32節
清水 1 - 2 柏 (13:05/アウスタ/19,584人)
得点者:43' ボスナー(清水)、62' 工藤壮人(柏)、85' レアンドロドミンゲス(柏)
スカパー!再放送 Ch182 11/21(月)後01:30〜
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1-0で清水がリードして迎えた後半。本来ならば、優勝のために本当に大事な局面を迎えている柏のほうに、焦りや硬さが出るのが当然なシチュエーションだった。しかし実際には、柏の選手たちは落ち着き払って自分たちのペースを作っていき、失うものがないはずの清水の選手たちは、逆に冷静さを欠いて自分たちのサッカーを見失ってしまう。そうしたメンタル的なタフさの違いが、結果にもそのまま表われたゲームだった。

立ち上がりはやや静かなスタートとなり、お互いに守備をきっちり整えた中から攻撃に出ていこうという構え。その中で清水が確実にパスをつなぎながらポゼッションで上回っていき、少し押し気味に試合を進めていく。
ただ、ネルシーニョ監督の修正策は早かった。試合前からFWの工藤壮人に清水のアンカー、ヨン ア ピンのマークを命じていたが、そのマークが甘く、ヨン ア ピンにボールを左右に散らされてサイドから攻められる場面が多くなっていたことを見て、工藤とジョルジ・ワグネルにポジションの入れ替えを指示。4-2-3-1に近い形にして、ワグネルにヨン ア ピンをマンマーク気味につかせた。
これで清水のほうは、アンカーを経由してボールをつなぐことが難しくなり、センターバックからのパスの距離が長くなってしまう。そして、柏がそのパスを狙ってボールを奪い、カウンターに出るという場面が増え始めた。また、ユングベリや枝村が下がってボールを受ける場面が多くなり、高い位置で決定的なパスを出される恐さが少なくなっていく。
それでも清水のほうは、カウンターにもしっかりと対応して守備の破綻はなく、ペースは清水のまま。攻撃のほうは大事にしすぎる傾向があり、ユングベリが前向きでボールを持っても周りの動き出しが遅れるシーンも見られたが、それにはピッチ状態の影響もあった。前日の大雨で芝を刈ることができず、いつもより芝が長かったため、ボールがイメージ通りに走らなかったのだ。いつもの感覚と違うという意味で、ピッチ状態に戸惑っていたのは、むしろホームの清水のほうだった。

そうした構図の中で、前半はお互いに決定機の少ない展開になったが、見ていて退屈だったということはない。ピッチからもスタンドからも何としても勝ちたいという緊迫感がみなぎり、わずかなミスからでも試合が一気に動きそうなスリリングさに満ちていたからだ。
そして試合が動いたのは、前半43分。ユングベリのドリブル突破からFKを得ると、30m前後の距離はあったが、ボスナーがいつもの長い助走から左足を振り抜き、地をはうような弾丸シュートが微妙に変化してゴール右隅に決まった。
前半の清水は、柏のシュートを遠めからの3本だけに抑え、自分たちのシュートは6本。緊張感が高く、ピッチ状態にも戸惑った中で先制点も奪った。ゴトビ監督は「われわれの持っているものの50〜60%しか出せていない」と辛口の評価をしたが、逆に言えば、今の清水のポテンシャルの高さを示したとも言える前半だった。それだけに、後半はさらにギアを上げなければいけなかったが……。

後半は、柏がハーフタイムで2人を代え、澤昌克にヨン ア ピンのマークを任せてワグネルに自由を与え、立ち上がりから攻勢に出る。ただ、柏が前がかりになったことで清水にもカウンターのチャンスが増え、後半4分には村松の右クロスを受けた大前元紀が、DFをうまくかわしてGKと1対1の局面を作ったが、ここはGK菅野孝憲の好セーブに阻まれてしまう。11分にも大前がペナルティエリア内で倒されてあわやPKかという場面があったが、この時間帯で清水が2点目を決めていれば……という展開でもあった。
だが、それでも柏がひるまずに縦に速い攻撃を続けたため、試合は一気にオープンな展開になり、両チームとも前線と最終ラインの間がワイドになっていく。そうして中盤にスペースが増えてくると、柏の攻撃の核であるレアンドロ・ドミンゲスとジョルジ・ワグネルが輝きを放ち始め、柏のペースになっていった。
それに対して清水のほうは、一度開いてしまった選手間の距離をコンパクトに修正することができず、中盤のスペースを使われてDFラインが下がり、ますますワイドになってしまうという悪循環。そのため、攻撃でもパスを確実につないで組み立てていくことができなくなり、中盤を飛ばしたロングボールが多くなってしまう。「気持ちが出過ぎて落ち着きをなくした面もあったかもしれない」と、優勝経験豊富なユングベリが振り返ったが、客観的に見ても清水がメンタル面で冷静さを欠いていたことは否めない。

そして後半17分、柏のセットプレーが続いた後の左CKの場面。ワグネルのキックをファーサイドのレアンドロが折り返し、工藤が頭で押し込んで、柏がついに同点に追いつくことに成功する。清水のほうは、その後も自分たちのサッカーを取り戻すことができず、攻撃も単調なまま。カウンターの質では明らかに柏に分があり、チャンスの数でも柏が完全に上回っていた。また清水の守備に関しては、ボールを失った瞬間、レアンドロやワグネルをフリーにさせているシーンが多かったことは、冷静さの欠如を象徴している。それでも最後の場面では、日本代表で大いに刺激を受けて帰ってきた守護神・山本海人がファインセーブを連発してゴールを死守していた。
だが、後半40分のカウンターの場面では、1発目のワグネルのシュートは山本海がよく止めたが、こぼれ球からのレアンドロのヘディングはさすがに止めきれず、ついに逆転ゴールを決められてしまう。その後は、清水が捨て身の3バックで反撃に出たが攻めきることはできず、2-1のままタイムアップ。柏が2位との勝点差を3に広げる貴重なアウェイでの1勝をつかみ取った。

それにしても、先制されてもまったく慌てることがなく、後半は自分たちからアクションを起こして流れを奪い返していった柏の戦いぶりは、まるで何度も優勝を経験しているチームであるかのように見えた。J1での優勝争いの経験がない選手の多い柏が、この大詰めで精神面でもこれほどタフで成熟した試合運びを見せたことは、驚きに値する。昇格1年目での優勝という快挙を実現するだけの資格と実力が、十分に備わっていることを証明する逆転勝ちでもあった。
一方、ホームでは公式戦14試合ぶりの敗戦となった清水は、この日で500万人を越えた大入りの観客の前で、チームの成長のために本当に大事なゲームで、自分たちの力を発揮できなかったことがもっとも悔しい部分だろう。ただ、柏に勝てるだけのポテンシャルがあることは示した。清水サポーターとしては、もう少しチームの成熟を待つ必要があるが、待つに値するチームであることも間違いない。

以上

2011.11.21 Reported by 前島芳雄
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