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ガンバ大阪の今季のJ1リーグにおける万博記念競技場での『ホーム』戦の戦績は、12勝3分1敗。その数字にも表れているように、G大阪が圧倒的な勝率を誇るホームスタジアムに、26日、ベガルタ仙台を迎えてのホーム最終戦。G大阪は守備の要であるDF山口智が、仙台は攻守に貢献度の高い元G大阪のMF松下年宏が出場停止となる。
G大阪は昨年同様、今季もまた熾烈な優勝争いを繰り広げる中、前節の新潟戦に引き分けたことで、首位・柏レイソルとの勝点差は4に。『タイトル』奪取の目標は俄然、厳しい状況になったが「優勝の可能性は残されていますから。とにかく僕たちは目の前の試合に全力でぶつかって白星を掴み、あとは結果を待ちたい」とキャプテンMF明神智和。その言葉にもあるように、選手たちは今週、新潟戦から気持ちを切り替え、『勝つ』ことに気持ちを揃えてトレーニングを積んで来た。その最中には今季で10年目の指揮となる西野朗監督の今季限りでの退任が発表。チームは何かと喧噪に包まれたが、だからといって選手に動揺はない。というより、退任する西野監督をいい形で送り出すためにも「このことも、よりピッチで『燃えるため』の力にして戦う」（明神）のみ、だ。
「いろんな想いはあるけど、それはリーグ戦が終わってから監督に直接伝えればいいこと。今はとにかくやるべきことをしっかりやって、目の前の試合でいい成果を得ることだけに集中しているし、そのためにピッチで全力を尽くしたい」（MF遠藤保仁）
「今の僕があるのは西野監督のおかげですから。前節、引き分けたことで状況が厳しくなったのは当然だけど、僕らは諦めていない。今節で勝たなければ、何も始まらないからこそ、とにかく結果。何としてでも勝たなければいけないし、勝って監督を胴上げしたい」（DF中澤聡太）
「ホームだし、優勝するためには絶対に負けられない一戦ですから。J1の中でも一番失点数の少ない仙台に、ガンバの攻撃力をみせつけたいと絶対に勝ちたいと思います」（MF佐々木勇人）
対する仙台は、リーグ前半戦で示していた勢いが途中やや形を潜め、一時は順位を10位にまで落としたが、終盤戦に入り再び勢いが加速。その証拠に8月20日の名古屋戦に勝利したのを皮切りに、現在はJ1リーグ11戦負けなしの記録を更新中だ。その結果を支えているのが、J1リーグ最少失点数を誇る『守備』。チームを率いる手倉森誠監督は守備が機能している理由を「今年は震災が起きたが、震災には『勝つ』という表現はしないが『負けない』という表現をすると思う。その負けたくないメンタリティをみんなが持っているからこそ守備の意識が高くなっている」と分析していたが、そうした個の意識の変化はもちろんのこと、チームとしての結束力が強まっていることも今季の仙台を語る上で欠かせない要素の１つ。また『堅守』というチームのストロングポイントがより明確に定まったことで、展開に応じてチームがしっかりと意思統一を図りながら試合を運べていることも『結果』を導き出している理由だと言えるだろう。
その仙台の『守備』が、今季のJ1リーグで18チーム中最多の得点数を数えるG大阪の『攻撃』といかに対峙するかが今節の見どころの１つ。加えて、それぞれのストロングポイントを思えばこそ『先制点』をどちらが手にするのかも試合の明暗を分ける要素になるだろう。
ちなみに、仙台のホーム、ユアスタでの対戦では、ホームサポーターの声援も味方につけた仙台がG大阪の攻撃を封じ込めただけではなく、効果的な仕掛けによって勝利を引き寄せたが、冒頭にも書いた通り、今節はG大阪が圧倒的な勝率を誇る万博記念競技場でのホームゲーム。ましてやG大阪にとっては『優勝』に望みを繋げるために、“最低でも”勝点３が求められる一戦だ。加えて、アウェイの地で仙台に敗れた屈辱も未だ選手たちの胸に刻まれているとなれば――。ここで大人しく引き下がるG大阪ではないはずだ。
「自分たちで優勝の可能性を失うようなことだけはしたくないからこそ、チャンスがある以上、選手たちとともに『自分たちのサッカー』で最善を尽くしたい」（西野朗監督）
以上
2011.11.25 Reported by 高村美砂
