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【J1:第33節 川崎F vs 横浜FM】プレビュー:契約満了が発表されたジュニーニョにとっての等々力ラストゲームを、川崎Fは勝利で終えたい。4位を確保したい横浜FMとの、気持ちのぶつかり合いになりそうだ。(11.11.25)

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11月26日(土)J1 第33節 川崎F vs 横浜FM(14:00KICK OFF/等々力チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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木曜日に行われた練習を早めに切り上げてクラブハウスに戻ると、長めのケアを続けていたジュニーニョが姿を表す。クーラーボックスを片手にする姿から、痛めている箇所がある事がわかる。

「ジュニ、痛い所あるの?」と尋ねると、左太ももをさすりながら「少し、痛い」と顔をしかめる。ただ、すぐに「等々力、最後、出る」と答えを返してくれた。リーグ戦最終節の意味以上のものをその言葉から感じ取る事ができなかった。

試合前日の25日に川崎Fから契約満了選手が発表された。対象者はジュニーニョだった。交渉は進んでいたのだろうから、24日の時点である程度来季の契約がどうなるのかを理解していたはず。「等々力での最後の試合だから出る」という彼の言葉は、相当の重みを持ったものだったのである。

25日に発表されたリリースには「J1リーグ戦の全日程終了に伴い、天皇杯には出場せずブラジルに帰国します」との記載があった。彼の03年からの川崎Fの一員としての等々力での戦いの日々は、この横浜FM戦が本当の最終戦となってしまうのである。リーグ戦では7月16日の柏戦以来ホームで勝てていないという事実や、ヤマザキナビスコカップも含め今季3回戦って1回しか勝っていない横浜FMとの対戦だという事を含め、見所はあった。しかし、ジュニーニョの契約満了のニュースを超えるものはない。

24日の練習後、中村憲剛は気持ちが入りすぎても良くないとの経験を踏まえ「新潟戦や大宮戦は勝たないとダメという気持ちが強すぎた。もう少し硬くならないように」と話していた。ただ、ジュニーニョの契約満了の知らせを聞いたことで、彼の意識に変化が生じるのは確実であろう。なにしろ、04年シーズンにボランチにコンバートされ、ジュニーニョからの要求に答えることで彼はそのパスセンスを磨いてきた。いわば恩人の一人の等々力ラストゲームである。試合中の中村憲の目は、間違いなくジュニーニョを探すはず。チームが勝つことは大前提としてあって、それに付随してジュニーニョに点を取らせる事を狙い続けるはずだ。そう考えると、たった一日で試合の性格が随分と変わることとなってしまった。

横浜FMから移籍してきた田中裕介も、移籍2年目の小宮山尊信もこの試合を前に同じような事を口にしていた。すなわち、相手は関係なく等々力だから勝ちたいのだとの想いである。小宮山はその想いについて「個人的な話だけではなく、キャプテンもやっていますし、自分が自分がというのではなく『チームがひとつになって勝ったね』と言いたい。選手、サポーター、フロントが最後に一つになってやれればと思います」と話していた。そしてそうした等々力で勝つのだという想いはジュニーニョの契約満了の知らせを聞いたことでさらに増したはず。移籍1〜2年目の彼らがすでに等々力で勝つことの意味を大事にしており、だからこそ、川崎FがJ2にいた03年から9シーズンに渡りチームを牽引してきたジュニーニョの等々力への想いの強さは明白だ。そんなジュニーニョの等々力でのラストゲームを、彼らは勝利で終わらせてあげたいと考えているだろう。

タイトル争いやACLの出場権からはシーズンの早い時期に見放されていた。なかなか決められなかった残留も、前節に確定した。4位を死守したい横浜FMとのモチベーションの差は大きなものになるのが予想されていた。そうした状況があっただけに、勝利することの意味が大きく増したこの試合をしっかりと勝ち切ることが出来るのか、注目したいと思う。今季の川崎Fは、そうやって「勝たなければ」と意気込んで臨んだ試合で負け続けてきた。勝負弱さを払拭する舞台としては、これほどのものは無いだろう。

等々力に乗り込んでくる横浜FMは下位に位置するこの川崎Fとの一戦を必勝体制で迎えているはず。そして川崎Fとの今季ここまでの3回の試合との違いは、中村俊輔の出場の有無である。その左足から繰り出される正確無比なラストパスを警戒する声は、川崎Fの選手たちから異口同音に出ていた。そしてそのパスに合わせる選手として、今季の川崎Fキラーとなっている大黒将志の存在が無視できない。ラインを高く維持したい今季の川崎Fにとって、相性の悪い相手の一人だった。また、名古屋戦でFWとして先発した谷口博之の起用法にも注意が必要である。FWとしてそつのないプレーを見せていた谷口について木村和司監督は「一つ戦力が増えたというイメージが、自分の中ではあります」と高い評価を与えている。その谷口の得点力を知り尽くしている川崎Fなだけに、どのような起用のされ方をするのか、戦々恐々と見守っている。

今季ここまでの川崎Fの等々力でのリーグ戦の戦績は、7勝2分7敗である。J1再昇格後同一シーズンに等々力でこれだけの黒星を積み重ねてきたことはなかった(最多は05年、08年、10年の4敗。最小は09年の1敗)。だからこそ、最低限今季のホームでのリーグ戦を勝ち越して終えたいところである。そしてそれはサポーターに対する義務であると言える。川崎Fの選手たちがチーム内で共有する「とにかく勝つ」のだというこの思いをなんとか実現してもらいたいと思う。

以上

2011.11.25 Reported by 江藤高志
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