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F東京・大熊清監督は今季、目標を一つに絞って戦ってきた。「強くなってJ1復帰」。その目標の“半分”は、達成された。前節鳥取戦(19日・とりスタ)でJ1昇格条件となる3位以内が確定し、翌日にはJ2優勝も決定した。だが、今シーズンは、終わっていない。そして、「強くなって」の文字はまだ残されたままだ。残り2試合と天皇杯で、F東京は純粋に強さを追い求める。
F東京は、格好の相手を味の素スタジアムに迎えて、今季ホーム最終戦を戦う。千葉とは前回、アウェイで対戦し、0−3で敗れている。その試合こそ、今シーズン序盤の混乱を象徴するゲームだった。大熊監督はその試合を「前半はやりたいことができたのに…改めてサッカーの難しさを知ったゲームだった」と、振り返る。前半は、米本拓司がセカンドボールに食らいつき、ボールを高い位置で奪って攻撃に繋げた。しかし、米本の負傷退場をきっかけに、チームは成す術もなく敗れ去った。
今季、F東京が初めに目指したのは、パスを繋ぐスタイルの上に、ゴールへと迫るダイレクトプレーを増やしていくことだった。しかし、両立は難しかった。DF徳永悠平は「パスを繋ぐポジショニングと、たてに速い攻撃を仕掛けるポジショニングは、絶対に同じではいけない。もし、長いボールを蹴ってそのセカンドボールを拾うのなら、そのためのポジションをとらなければいけなかった」と言う。チームがリーグ序盤に混乱したのは、どちらも中途半端になってしまったからだった。ゲームの時間帯や、戦況に合わせて常によりよい判断、つまりやるべきサッカーにあわせたポジション取りをチームとして選択しなければいけなかった。パスを繋ぐことが疎かになり、ダイレクトプレーばかりを強調し過ぎたことでF東京はベースにあったはずの繋ぐスタイルを失い、迷ってしまった。米本の負傷も大きく響いたが、チームとしてはまだ拙かった。
その後は、米本や、平山相太、高松大樹といった、ダイレクトプレーに欠かせない選手の多くが負傷したことでメンバーが固定された。繋ぐサッカーへとシフトしたことで取るべきポジションも明確化され、チームのサッカーは安定していった。さらに、状況、状況ではMF石川直宏や坂田大輔のような裏への飛び出しが得意な選手が入る時間帯にはダイレクトプレーも増えつつある。
千葉も、F東京とどこか似た印象があるシーズンを送ってきた。オーロイという柱を作り、彼の高さを生かしたサッカーでリーグ序盤を席巻した。実際に、F東京もその高さに屈した。しかし、その柱であるオーロイの長期離脱により、チームは順位を下げてしまった。F東京とは異なり、千葉は浮上の兆しを掴むまでに時間が掛かり過ぎてしまった。選手個々の能力では、J2でもトップクラスを揃えていたはずの彼らは2年連続で昇格を逃してしまった。今季の反省を踏まえ、来季への足がかりを彼らもまた探している。
F東京も、千葉も、来季のための準備をしなければいけない。できれば、ベストメンバーの千葉と戦い、自分たちの成長を図りたかったが、残念ながら、FWオーロイとDFマーク ミリガンは今節出場停止でピッチには立てない。F東京も、梶山陽平の負傷でMF羽生直剛がボランチを務めることになりそうだ。
勇退の決まった大熊清監督は「パスを繋ぐことは大切。でも、カウンターや、相手が嫌がる武器をもっていなければいけない」と言う。残りのシーズンでは、強くなるための方法を突き詰める。それなら、今季序盤に混乱を招いた、パスサッカーにダイレクトプレーをいかに組み込むかにチャレンジしてもいいかもしれない。それが、J1復帰後のF東京には必要不可欠なことでもある。互いに強くなるための一戦は、明日17時半、味の素スタジアムで始まる。
以上
2011.11.25 Reported by 馬場康平













