11月26日(土) 2011 J1リーグ戦 第33節
福岡 1 - 2 浦和 (17:33/レベスタ/17,177人)
得点者:32' 岡本英也(福岡)、45'+2 柏木陽介(浦和)、63' マルシオリシャルデス(浦和)
スカパー!再放送 Ch184 11/27(日)深00:30〜
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「我々は見せなければいけない」。第30節の新潟戦に敗れ、来シーズンからのJ2降格が決まった記者会見で話した。ともに戦う仲間の気持ち。クラブを支える多くの人たちの願い。クラブに関わる全ての人たちの想いをピッチの上で表現し、最後まで戦い続けることが、福岡に求められているものだった。そしてこの日、福岡は力の限りに戦った。どんな時も相手のゴールを目指して前へ進み、そして押し込まれれば全員が体を張ってゴールを守った。結果は1−2。しかし、福岡は最後まで自分たちのスタイルをレベルファイブスタジアムのピッチの上で表現し続けた。「これが本来の我々の戦い」。浅野哲也監督は、試合をそう振り返った。
反面、昇格後1年でJ2に降格した今シーズンの課題が浮き彫りにされた試合でもあった。戦い方は狙い通り。徹底したスカウティングを元に試合の流れを手中に収めた。しかし、自分たちの形にしながらも、1本のパスの精度、ゴール前のアイデアに欠いた。いい戦いをしているように見えて、しかし、勝利からは遠い。今シーズン、何度も言われ続けた言葉だが、この日も、その傾向は同じだった。
試合は浦和のリズムで始まった。起点となったのは前線の中央に位置するエスクデロ セルヒオ。前線に送られるフィードに反応して福岡の最終ラインの裏を陥れ、そこを起点にして原口元気、梅崎司が両サイドから押し上げる。シンプルな攻撃だが、裏へ飛び出すエスクデロの動きを全く捕まえられない福岡は、立ち上がりから苦しい展開にさらされた。その流れが変わったのは、神山竜一と交錯したエスクデロが怪我のためにピッチを去ってから。ラインの裏を陥れられる恐怖から解放された福岡は、ここから自分たちのリズムで試合を進める。そして福岡の先制ゴールは32分。キム ミンジェ、松浦拓弥、成岡翔とつないで左サイドを崩し、最後は混戦の中でボールを受けた岡本英也の右足がゴールを捉えた。アディショナルタイムの柏木陽介のゴールで前半は1−1で折り返したが、粘り強い守備でボールを奪い、前がかりになる浦和の2列目の後ろに出来るスペースに楔のボールを入れてカウンターを仕掛ける福岡がリズムを刻んだ前半だった。
後半に入ると、両指揮官は立ち上がりから勝負をかける。
「もう一度、自分たちのやるべきことをしっかり整理しよう」と指示を出したのは堀孝史監督(浦和)。やや間延び気味だった中盤をコンパクトに修正し、福岡の最終ラインの裏側をシンプルに狙い続けることを徹底する。
「もう少し前線からプレッシャーをかけ、中央で時間を作ってサイドをもっと使って行こう」と伝えたのは浅野哲也監督(福岡)。高橋泰に代えて中町公祐を投入すると、前線に岡本英也、2列目に成岡、中町、松浦の3人を並べる布陣に変更。高い位置からプレスをかけ、キープ力のある2列目で時間とタメを作ってゲームを組み立てる。そして、試合の主導権を手繰り寄せたのは福岡。56分に中町、57分には松浦のシュートがゴールを襲った。
しかし、2点目を奪ったのは浦和。柏木からの背後へのパスに反応して裏を取った梅崎を追走する末吉隼也が倒して一発レッド。このプレーで得たPKをマルシオ リシャルデスが確実に決めた。この後、10人になった福岡は最後まであきらめない姿勢を見せ続けたがゴールは生まれず。アウェイゲームでホームと変わらぬ空気を作り出したサポーターに後押しされた浦和が、J1残留に向けて大きな勝点3を手に入れた。
さて、この日は福岡にとってはホーム最終戦。試合後に行われたセレモニーでは、今シーズン限りで引退を表明している田中誠、そしてチームを離れることが決まっている山形辰徳、清水範久、ハマゾッチらに大きな声援が送られた。練習生から契約を勝ち取り、7年間に渡ってプレーした山形は「いつも後押ししてくれて、本当にこのピッチでやるのが楽しかった。サポーターの皆さんには感謝している」と想いを伝えた。そして田中誠は次のように挨拶した。「18年間幸せな選手生活でした。本当に、本当にありがとうございました。アビスパ福岡は、まだまだ発展途上のチーム。アビスパ福岡に在籍するすべての人が、まだまだ努力が必要だと思う。皆さまのこれからのご支援、ご声援、熱い後押しで、またJ1の舞台に導いてください」。その言葉の意味と重さを噛みしめて、福岡に関わる全ての人が、再び最高峰の舞台に立つべく努力を積み重ねて行かなくてはならない。
そのためには、残された1試合も変わらぬ姿勢で戦い抜くことが福岡にとって求められていること。「最終戦に向けてしっかりと準備して、最後はみんなで笑顔で喜びたい」と鈴木惇は話したが、その気持ちを最後のホイッスルが鳴る瞬間まで表現し続けることで新しい何かが見えてくる。福岡にとっての最終戦はアウェイで戦うC大阪戦。まだ戦いは終わっていない。
以上
2011.11.27 Reported by 中倉一志
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