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【J2:第38節 鳥栖 vs 熊本】熊本側プレビュー:空気なんか読まない。2、3発ぶち込む見応えのある展開で、先輩のJ2卒業を派手に祝おう。(11.12.02)

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12月3日(土)J2 第38節 鳥栖 vs 熊本(12:30KICK OFF/ベアスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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とうとう今シーズンラストの試合となった。試合の位置づけをシーズンの中で考えると、他の全ての試合と同じ1/38にすぎない。けれどその意味合いはやはり特別で、熊本がJリーグに加盟して過去3度の、どのシーズン最終戦とも違う。

まず1つには九州ダービーであること。福岡が抜けて4チームでの争いとなった今年の『バトル オブ 九州』で、熊本はこまで1勝3分1敗の3位。九州の戦いなら鳥栖と勝点では並んでいるため、この試合で直接叩けば鳥栖を抜いて2位に浮上できるし、次に同じ舞台で会う時まで「熊本は厄介だな」という印象を忘れさせないで植え付けることができる。
そして言わずもがな、鳥栖がJ1昇格をほぼ手中にしているということ。まだ確定ではないとは言え、鳥栖は熊本が1シーズンに挙げた得点以上の得失点差をアドバンテージとして持っているため、札幌、徳島より明らかに優位。勝点1、つまり引き分け以上で確定となるが、鳥栖としてもクラブ史上初の快挙を勝って祝えるかどうかのかかる試合とあって、この一戦にかける想いは1/38どころではないはず。スタジアムの雰囲気は、過去のダービーの試合以上に熱気に包まれたものになるだろう。

だが熊本も負けられない。不本意な成績となった今シーズンを締めくくるには勝って終わりたいし、何より12月3日は、4年前、熊本がJリーグに迎えられたメモリアルデーである。データとしては、Jリーグに上がってからの鳥栖との通算の戦績は4勝3分2敗と勝ち越していて、なおかつベアスタで熊本は未だ負けた事がない。

ただ、今までとは違うからこそ、鳥栖は昇格をたぐり寄せる事ができたのも事実。23ゴールで得点ランクトップを独走する豊田陽平をはじめ、「前に点が取れる選手、結果を残している選手が多い」(筑城和人)攻撃陣をしっかりと抑えることが大きなミッション。鳥栖にも在籍経験のある矢野大輔は「前に大きい選手がいるし、しっかり跳ね返して、裏1本という形でやられるのだけはしないようにしたい。鳥栖はけっこう前からくるので、初めの時間はシンプルにやることを心がけないといけないと思う」と話す。「前の大きい選手にあててセカンドボールを拾って、というのがベースだと思うけど、それプラスポゼッション、あと、決めるところでしっかり決めている」(原田拓)のが熊本との違いだ。前線への対応とセカンドボールの争いという部分で、前節の岡山戦同様に最終ラインとボランチの関係がカギとなるが、ボールを奪って攻撃に切り替わった際、どれだけ前に出て厚みを出せるか、そして時間をかけずにフィニッシュまで持ち込めるかもポイント。30日、1日のトレーニングで行った紅白戦でも、そうした点がフォーカスされていたようだ。深い位置からのロングスローも含めたリスタートも鳥栖の大きな武器だが、ゴール前でのマーク、入ってくる選手の受け渡しなど、しっかりコミュニケーションを取って対応する事が求められる。

08年はホームで広島に1−2、09年は甲府に1−2、そして昨年は札幌に0−4と、最終戦を勝って終えた事が、熊本はまだない。先日リリースが出たエジミウソンの他に契約満了になる選手が現時点で発表されていないが、今年のメンバーで戦う最後の試合である事は動かしようがない。感傷的になる必要はないし、ピッチに立てない選手の分まで、なんて安易なことは言えないけれど、少なくとも戦う気持ちを感じさせるプレーをして、悔いのない試合にしたい。今シーズン積み上げてきたこと、取り組んできたことを全部、90分間に凝縮して。

もう3週間ほど前から、鳥栖担当のサカクラゲンさんから頻繁に、「最終節は空気を読んでくださいね」というメール(だけ)が届いているのだが(笑)、鳥栖が前節徳島に勝ってくれたおかげで、その必要はなくなった。だいいち、そんなことをするのは、これまでのサガン鳥栖の道のりを見守ってきたサッカーの神様にも、鳥栖の選手やサポーターにも、この上なく失礼だ。おまけに、鳥栖だって08年に経験したように、対戦相手にとって昇格を左右する大事な試合で、勝って引き摺り下ろしてきたのが熊本。今回ばかりは引き摺り下ろせる範囲を越えてしまったようだけれど、だったらなおさら、空気なんか読まない。

せっかく、お世話になった先輩のJ2卒業を祝うなら、花火は1発じゃ寂しい。佐賀だけではなく福岡からも、東京からも、テレビや新聞が来るだろう。たくさん走って、たくさんぶつかって、たくさんシュートを打って、「大味な試合」と言われない程度にネットを揺らして、両チームでベアスタを盛り上げて送り出したい。その機会が与えられた幸せを、ピッチでもスタンドでも、じゅうぶん味わおう。

以上

2011.12.01 Reported by 井芹貴志
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